2025年1月16日 (木)

【第870回】「選択の多様性」Y. M. (地歴・公民)

 選択の多様性は、時に人を不幸にしてしまう。
 決断の後は、他と比べず、選んだ時の喜びを大切にし続けることだ。(某新聞より)


 今の世の中、誰もが多くの選択肢を持って生きることができる。
 それは、自分自身にあった人生の選択ができる非常によい環境でもある。


 しかし、上記の言葉のように時に人を不幸にしてしまうことがある。
 何故なら、選択肢が多すぎて選べないことと、選んでからも本当にこの選択でよかったかと悩んでしまう場合があるから。
 それでは、選んだ方向に迷いや後悔がなく進んでいくためにはどうしたらいいのだろうか?
 遊学生のみなさんもこのような思いを抱くことが多々あるだろうし、そういう悩んでいる生徒とたくさん接してきました。
 進路のことや、部活動のこと、人間関係など多くの選択肢がある中で決断をしながら日々、生活をしています。そんな時に私自身が思うことは、まず選択肢を一つに絞り込むのではなく、いくつかの選択肢を可能な限り行動に起こしてみること。
 進路で悩んでいるのなら、実際にその学校や職場に足を運ぶこと。部活動でうまくいかなかったり、辞めようとか思っているなら、誰かに相談してみて、自分の気持ちを理解してもらったり、つらいところをもうひと踏ん張りしてみるとか。
 人間関係で悩んでいるなら思いを相手に伝え、誰かに相談してみること。
 どれも行動を起こす前にマイナスな考えが膨らんで諦める生徒が多い気がします。
 逆に、行動に起こしてみると思っていたよりもできる自信がつく生徒も多いです。
 何事も、行動してみる。行動したら決断をする。決断をしたら続けるタイムリミットを決める。
 半年? 1年? 3年? 自分でできそうなリミットを決め、自分に約束をする。
 決断をして、覚悟を決めても途中で面倒くさいとか、つらくなることは何にでもある。
 そのつらくなった時に、他の選択肢にしておけばよかったとは誰もが思うこと。世の中にたくさんの選択肢があれば致し方ない。
 ただ、他の選択肢を選んだとしても、この面倒くさい、つらい感情は必ずやってきます。
 ということは、何を選んでもうれしいことも、嫌なこともあるということを受け入れて次に進むことです。
 多くの生徒がこの思いで自分の決めたことに取り組んでくれれば、道は開けていくと思います。
 新しい年を迎えて、誰もが充実した日々を望むはずです。


 遊学生の一人でも多くの生徒が楽しいし、成長していると実感できる一年になるように祈っています。

2025年1月 9日 (木)

【第869回】「能登半島地震」Y. H. (英語)

2024年1月1日 16時10分前、「揺れてる」 最初はいつもの地震だと思った。でも揺れがなかなか止まらない。
 テーブルには早めの夕食の準備で、おせち料理やお雑煮が並べられていた。揺れがどんどんひどくなり、慌ててストーブの火を消した。その瞬間(16時10分)、ドーンという激しい地震に襲われた。家全体が円を描くように揺れテーブルから料理が落ちていく。私たちはすかさずテーブルの下に潜り込んだがおさまらない、慌てて家の外に出ようとしたが、玄関の階段が崩れていて、外に出るのも大変だった。
 しばらくすると、市役所から「大津波のおそれがあるので、ニュースを聞いていないで今すぐに高台に避難して下さい。」という警報が流れた。私たちはなりふり構わず、車に乗り込み高台に向かった。すでに多くの車が行列になっており、なかなか前に進まない苛立ちと不安でいっぱいだったが、ようやく安心できるくらいの所まで上ってきた。
 4時間ぐらいそこで留まっていたが、大津波の心配も解除され一旦家の様子を見るのに戻り、その日は家に入ることもできず、家の前で車中泊をした。

 あれから1年、家族を失った人、負傷した人、家が倒壊した人、本当に多くの人々が辛く、悲しい思いをした日々でした。

 2025年1月1日、あの恐怖にみまわれた16時10分が近づいてきたとき、時間を刻む自分がいた。「夕食の準備をしてみんなでお正月料理を楽しむはずだったのに、、、、」 何かやる瀬ない思いがこみ上げてきたと同時に、今なにも起きていないこの瞬間に安堵した。

 復興が進まず、まだ道半ばの状態で不便な生活を送っている人が本当にたくさんいます。今後、今までの日常生活が戻るまでに何年かかるか分からない状況ではありますが、この美しい能登半島の景色、美味しい海のもの、山のものを守っていけるように、皆が一つになっていきたいですね。私も少しでも携われるように頑張ります。

 この悲惨な経験を通して、人生の厳しさを目の当たりにしました。しかし、前を向いて一つずつその山積みの問題に取り組むことの大切さも学びました。

『人生で試練に直面することは避けられないが、困難の中には 《 ひかり 》 が潜んでいて、人々のチームワークと協力があれば、素晴らしいことが達成できると信じています。』

20250109

2025年1月 2日 (木)

【第868回】「きっかけ」Y. H. (数学)

 新しい年になりました。皆さんは今年の目標など、決めたり、宣言したりしましたか。私は、家族が元気に、楽しく過ごせるようにしたいということと、今担任している2年7組、授業に出ている3年11組文系・2年11組の生徒と残りの学校生活や授業を充実したものにしたいなと思っています。
 年末に、大学時代の友人と会いました。卒業後も会う機会は何度かありましたが、それぞれの生活の変化において、最近は会う機会がなくなっていまいた。きっかけは些細なやりとりでしたが、今回、お互い子どもを連れて、会うことができました。久しぶりに会いましたが、久しぶりではないような気がして、不思議な感じがしました。
 その友人達とは、大学・学部は同じですが、学科や年齢は違い、あるイベントの企画・運営に参加したことがきっかけで知り合いました。なぜそのイベントの企画・運営に参加したのかということも忘れてしまいましたが、そのきっかけが、大学卒業してもつながっていくこと、お互いの子どもたちが一緒に遊んでいること、すべてが私にとって、かけがえのない出来事でした。人と出会うためには、そのきっかけを自分で作らないといけません。このブログを読んでいる方が、自分できっかけを作ってみようと思えたら幸いです。
 これから、大学受験が本番に入ります。受験生の皆さんは、徐々に近づいてくる共通テストに、緊張や不安を感じていると思います。忘れないでほしいのは、今まで努力してきたことは、無駄にはならないということです。今は不安なことが多いと思いますが、その先には、新しい学びの環境があり、そして新たな仲間ができ、充実した生活が待っています。前を向いて、最後の1秒まで、自分に負けずに努力をし続けてください。

2024年12月26日 (木)

【第867回】「フランス 姉妹校ホームステイを終えて」谷内田 京子 (国語)

 遊学館高校はフランスナンシーにあるノートルダム・サン・シジスベール高校と姉妹校です。
 11月中旬に本校の2年生4人、1年生4人が姉妹校の学生宅に7泊ホームステイしました。
 初日はパリのホテルに1泊し、市内観光とセーヌ川クルーズ。2日目はヴェルサイユ宮殿を訪れ、その美しさに感動しました。その後、パリ東駅からTGVに乗りナンシーへ。3日目からは、姉妹校の学生と交流、ナンシー市内観光、伝統工芸体験、ストラスブール観光など充実した日々を過ごしました。最終日は再会を約束し、涙交じりの笑顔でお別れをしました。

  

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参加生徒の感想

・私はフランスに行って姉妹校の学生との交流を楽しみました。一緒にバスケをしたり、教室で交流をしたりしました。英語や、少しだけ話すことができるフランス語に加え、ジェスチャーやノリで楽しむことができました。機会があればまたフランスを訪れたいです。
・フランスホームステイを通して、多くの経験をすることができました。帰国後もSNSで交流できていることがうれしいです。来年は姉妹校の学生がこちらでホームステイすることになっています。とても楽しみです。
・帰りの飛行機が雪で大幅に遅れ予定通り帰国できないなど、ハプニングもありましたが、初めての海外でたくさんの方々と交流ができて良い経験になりました。
・今回のホームステイで私が印象に残っているのは、学生との交流です。お互いの言語を理解することは難しかったけれど、分からないなりに単語を並べてみると、フランスの学生は理解しようとしてくれました。フランス人の人柄の良さが伝わり楽しむことができました。
・初めてのフランスで、色々なことが分からなくて不安でいっぱいでした。しかし、ホームステイ先の家族がみんな温かくて優しくて、とても親切に接してくれて嬉しかったです。日本とは文化が全く違っていて、新しい発見もできたので、本当に行ってよかったです。

2024年12月19日 (木)

【第866回】「FUTURE VOTER」M. M. (英語)

今年の秋、国内外で話題になったのは「選挙」でした。
10月末には衆議院議員総選挙、11月にはアメリカ大統領選挙など、ニュースで取り上げられているのを目にした人も多いでしょう。
2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられたこともあり、今回初めて投票に行ったという3年生が何人もいました。

また、こんなニュースも。
アメリカでは、親に連れられて選挙会場に行った子どもはステッカーがもらえます。
シールが好きな子どもたちは喜んでそのステッカーを胸に貼って公園を走り回っています。
ステッカーには “FUTRE VOTER(未来の有権者)”と書かれています。
幼いころから、子どもたちに選挙への関心を育てようとする考えです。
(ちなみに、有権者には投票後に “I VOTED(投票しました)”のステッカーがもらえる地域もあります)

本校では、12月に2,3年生を対象に「模擬選挙」を実施します。体育館を投票所として実際に投票し、開票まで行います。選挙管理委員も生徒が担当します。
高校生たちには、この模擬選挙を体験して、FUTURE VOTERとしての意識と社会や政治への関心をぜひ高めてもらいたいです。



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