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2023年11月30日 (木)

【第811回】「音楽でつながる世界」大嶋 直樹 (芸術)

苦しい制限を強いられた3年間がひと段落し、世の中が通常モードに戻ってきたことを強く感じる秋となった。
吹奏楽部も、様々な場所での演奏のたくさんの機会をいただき、県内外のお客様に音楽を届けることができた。

今年は、いしかわ百万石文化祭2023(国民文化祭)がこの石川県で開催されたということもあり、私たちと同じ活動をしている県外の高校生がたくさん来県して、交流を持つことができた。同じ高校生とは思えない立ち振る舞いや演奏演技に心動かされ、多くの刺激を受けることができた。

共に切磋琢磨して技術や心を高めあう仲間や、演奏会場で出会うお客様の笑顔を見ると、私たちがこの3年間制限されて失ってきたものの大きさを強く感じる。だからこそ、これからそれを取り戻すかのように一つ一つのステージでたくさんの人との繋がりを大切にして、強くて美しい音楽を奏でていきたい。


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京都橘高校吹奏楽部の皆さんと

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写真2
創志学園高校マーチングバンド部の皆さんと

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茨城県立大洗高校マーチングバンドの皆さんと

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2022年7月 7日 (木)

【第737回】「特別な夏を大切に。」大嶋 直樹 (芸術)

 現3年生が入学してきた春に感染症が流行して、思い描いていた高校生活が奪われる時間が続いた。たくさんの事に挑戦したくてもあらゆる事に制限され、どうせ努力しても・・・・と感じることが普通になってしまった。
 それでも、人生一度きりの高校生活をウィルスに奪われてたまるものかと、歯を食いしばり過ごしてきたみんなの姿は、これまでの3年生とは一味違った逞しさを感じる。
 今年の夏から高校野球の球場での応援が再び許可され、吹奏楽部も野球部と共に甲子園を目指し熱い応援に備えている。炎天下の中で応援し続ける事は容易なことではないけど、この夏にしかできない経験を大切にしてまた一つ成長して欲しい。
 この夏が長い人生の中でも特別な通過点になる事を心から願っている。

2021年1月 7日 (木)

【第662回】 「大変だからこそ」大嶋 直樹 (芸術)

 例年であれば初詣に参り、親戚家族がワイワイ集まる季節だけど、今年の年越しはこれまで味わったことのない雰囲気の中で2021年の幕が明けた。昨年を振り返ってみても、こういうことができた!というエピソードより、これもできなかったと思ってしまうのは、自分だけではなく世界中の人々が感じたことであろう。ただ、失ったことばかりではなく、改めてこれまでの日常が当たり前ではないと感じることができたのは、これからの一人一人の長い人生を支えてくれる大きな柱となったと信じている。
 感染第三波のピークがまだ見えない状況で、不安や緊張が続いているが、昨年と違うことはしっかり一人一人の心構えができていることである。正しい情報を読み取り、思いやりを持ち、強い気持ちでたくさんの事に挑戦する気持ちが2021年を笑顔で過ごす秘訣に感じる。

 「大変」という字は
 「大きく変わる」と書く
 今、大変な時期だとしたら、
 それは今こそ大きく変わるチャンスってこと。
 大変な今をみんなで笑顔で乗り越えよう。

2017年10月 5日 (木)

【第498回】 「月面ステージ」大嶋 直樹 (芸術)

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 長らく本校のシンボル的存在であった円形学館は、現在、円形広場として生まれ変わり活用されており、暗くなると、まるで月面のようになります。
 ここでの練習は、まさに先日の定期演奏会のテーマである「月」にぴったりであり、本校の歴史からの贈り物のように感じました。
 吹奏楽には、ハーモニーやグルーブ感があります。 個人では得がたい感動がここにあります。チームとして「遊学サウンド」を追求することは、貴重な高校時代の青春をかけるに相応しいことだと確信しています。
 また、チームとしての成長を常に考えるということが身についている部員たちは、いずれ就職することになれば、会社で配属されたその部署としての成果を考えることができ、会社に必要とされる人間になることでしょう。
 今年で86回となる定期演奏会には、たくさんの方々にご来場いただき、おかげさまで素晴らしいステージになりました。ありがとうございます。
 私も存じ上げないOGやOBも、毎年楽しみにしてくださっていることでしょう。
 その方々にも、感謝を込めて、胸を張ってご披露できるステージを、「遊学サウンド」を、今後とも部員たちとともに作って行く所存です。
 そしていつか、部員たちがいい大人になって、ふと満月を見た時、本校の円形広場を、その月面ステージでの練習を、吹奏楽にかけた青春を、思い出してくれたらいいなーって思っています。

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2016年10月 6日 (木)

【第446回】 遊学館高校第85回定期演奏会を終えて大嶋 直樹 (芸術)

去る9月23日、24日に金沢歌劇座にて第85回定期演奏会を開催させていただきました。
生徒公演も含め、合計3回の公演に本当にたくさんのお客様にご来場いただきました。

昭和6年に吹奏楽部の前身リードバンド部が創部され、間もなく開催された第一回の演奏会から回を重ね85年が経ったという事になります。おそらく県内の高校生の演奏会としては最も歴史のある行事だと思います。

この伝統ある演奏会を毎年吹奏楽部が演奏を担当させていただく事は、正直私にとっても部員にとっても大きな誇りを感じると同時に、失敗は許されないというプレッシャーもあります。構成面でも演奏や演技の質共に、最低レベルでも前年以上のものを、そして新しいアイディアを盛り込んでお客様に届けたいと準備を進めます。

性別問わず幅広い年齢層、そして吹奏楽に馴染みのある方々から初めてコンサートに来てくださるお客様全てに、会場までお越しいただき、約2時間のコンサートの時間が無駄ではなかったと感じてもらう事は簡単ではありません。

先日のコンサートでも今年のメンバーのテーマ『魅せる遊学』のスピリットが一人でも多くのお客様に届いていたら嬉しいです。

ステージに立って演奏演技するのは79名の部員と指揮者ですが、ステージの裏には舞台監督、音響スタッフ、照明スタッフ、大道具スタッフ、学校関係者、遊学館高校の先生方、卒部生、吹奏楽部保護者会の方々、合計100名以上のスタッフに支えていただきながらコンサートが行われています。

こうして本当にたくさんの方々から応援される部員たちは幸せだなと感じます。

第86回の演奏会に向けても、演奏技術の向上と遊学館カラーを最大限に表現する努力を惜しまず、部員と共に頑張っていきたいと思います。

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2015年5月28日 (木)

【第380回】 今年こそ夢の舞台全日本へ大嶋 直樹 (芸術)

遊学館の吹奏楽を指導して四年が過ぎ、年々バンドは技術面でも精神面でも伸び、二年連続で北陸大会では金賞受賞。しかし全日本への代表二枠にはまだ手が届いていない。
これまでと同じ思考力、判断力そして練習内容ではこの壁を打ち破る事は絶対ない。何をどう変化させ、進化していくのかを部員と共に考えていた時に、先日金城学園110周年を記念して行われた本校野球部と奈良智辯学園との親善招待試合を応援できる機会をいただいた。90名の本校吹奏楽部を遊学館側と智辯学園側の二つのチームに分けて応援した。いつもの公式戦などの応援席は選手が控えるベンチからは少し離れており、選手の表情をはっきり見ることはできないが、今回の試合では本当に近い距離で応援することができた。私は智辯学園側の応援を担当し、応援席からは選手の立ち振る舞いや息づかいを間近で感じることができた。とても印象的だったのは監督からの一つ一つ言葉を全身で吸収して理解しようとしている姿勢。そして選手同士でムードを創り上げ、気持ちを奮い立たせる気迫ある姿は同じ高校生とは思えないほど存在感があり輝いていた。これが一流の高校生の姿だと憧れを感じた部員も多かったと思う。

楽器を持って音楽に向き合っている時間だけではなく、一高校生として一流の学校生活を送ろうとする姿勢が、夢の舞台名古屋国際会議場のステージに立つ資格を得るということではないか。

2014年1月 9日 (木)

【第313回】 Be a Challenger大嶋 直樹 (芸術)

新年あけましておめでとうございます。

年明けから一週間が過ぎ、三学期も始まりました。
今年も残すところ356日。あっという間の一年になりそうです。

昨年、吹奏楽の新たな表現活動として本校もマーチング活動を始めました。経験不足のため苦しい練習も続きましたが、たくさんの方々に支えられ ながら、9月の第82回定期演奏会では力一杯の演奏演技を披露することがきました。

この二年間で私が感じる遊学館の生徒の印象は、とってもニュートラルな気持ちを持っていることです。
「こんな事に挑戦してみない?」と提案したことに対して、偏見なく真直ぐに挑戦していく姿が大好きです。

『未知への挑戦』・・・部員が発行している部報のタイトルです。
今年も夢・希望を語りあって、たくさん新しい事に挑戦していきたいです。コンサート会場で最高のおもてなしができるように頑張っていきます。

2014年もみんなで力合わせ良い年にしましょう。
よろしくお願いします。

2012年9月20日 (木)

【第247回】 音磨き大嶋 直樹 (芸術)

遊学館高等学校吹奏楽部の指導を始めて、約350日が経とうとしている。
毎朝同じメニューで、部員と共に地道で地味な練習を繰り返している。

性別も性格も感性も家庭環境もそれぞれ全く違う人間が同じ呼吸をして、53人で同質の一音をめざす。
普通に考えれば合うはずがない。

最初は合わないことを、周りの奏者のせいにして、技術のせいにして、楽器のせいにして。

しかし、毎日やればだんだん気が付いてくる。
全員で調和させられるかは、自分次第であると。
自分自身に目を向け、耳を傾ければ隣との合わせ方がわかってくると。
自分自身の音に責任を持たない限り、周りと合わすことができないと。

なかなか難しいけど、最近良い音がする瞬間が少しずつ増えてきた。
本当に調和した時は、重厚で、豊かで、そしてやさしい音がする。

今月末の定期演奏会で15名の三年生は卒部する。
私が遊学館で見送る初めての仲間である。
このメンバーで音を磨ける日もあと数日と思うと、一音一音がとても重く感じる。

輝きに満ちた音でフィニッシュできるよう、最後まで諦めずに磨きあげたい。

どうか皆様、ご来場いただき彼らの音を聞いてください。
第81回遊学館高等学校定期演奏会は9月28日(金)18:30からです。
金沢市文化ホールでお待ちしています。