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2025年1月16日 (木)

【第870回】「選択の多様性」Y. M. (地歴・公民)

 選択の多様性は、時に人を不幸にしてしまう。
 決断の後は、他と比べず、選んだ時の喜びを大切にし続けることだ。(某新聞より)


 今の世の中、誰もが多くの選択肢を持って生きることができる。
 それは、自分自身にあった人生の選択ができる非常によい環境でもある。


 しかし、上記の言葉のように時に人を不幸にしてしまうことがある。
 何故なら、選択肢が多すぎて選べないことと、選んでからも本当にこの選択でよかったかと悩んでしまう場合があるから。
 それでは、選んだ方向に迷いや後悔がなく進んでいくためにはどうしたらいいのだろうか?
 遊学生のみなさんもこのような思いを抱くことが多々あるだろうし、そういう悩んでいる生徒とたくさん接してきました。
 進路のことや、部活動のこと、人間関係など多くの選択肢がある中で決断をしながら日々、生活をしています。そんな時に私自身が思うことは、まず選択肢を一つに絞り込むのではなく、いくつかの選択肢を可能な限り行動に起こしてみること。
 進路で悩んでいるのなら、実際にその学校や職場に足を運ぶこと。部活動でうまくいかなかったり、辞めようとか思っているなら、誰かに相談してみて、自分の気持ちを理解してもらったり、つらいところをもうひと踏ん張りしてみるとか。
 人間関係で悩んでいるなら思いを相手に伝え、誰かに相談してみること。
 どれも行動を起こす前にマイナスな考えが膨らんで諦める生徒が多い気がします。
 逆に、行動に起こしてみると思っていたよりもできる自信がつく生徒も多いです。
 何事も、行動してみる。行動したら決断をする。決断をしたら続けるタイムリミットを決める。
 半年? 1年? 3年? 自分でできそうなリミットを決め、自分に約束をする。
 決断をして、覚悟を決めても途中で面倒くさいとか、つらくなることは何にでもある。
 そのつらくなった時に、他の選択肢にしておけばよかったとは誰もが思うこと。世の中にたくさんの選択肢があれば致し方ない。
 ただ、他の選択肢を選んだとしても、この面倒くさい、つらい感情は必ずやってきます。
 ということは、何を選んでもうれしいことも、嫌なこともあるということを受け入れて次に進むことです。
 多くの生徒がこの思いで自分の決めたことに取り組んでくれれば、道は開けていくと思います。
 新しい年を迎えて、誰もが充実した日々を望むはずです。


 遊学生の一人でも多くの生徒が楽しいし、成長していると実感できる一年になるように祈っています。

2023年8月24日 (木)

【第797回】「一体感とつながり(人と人との繋がり、継続していくこと)」Y. M. (地歴・公民)

 サッカー部は、あと一歩のところでインターハイ出場を逃してしまいました。
 硬式野球部も、あと一歩のところで甲子園を逃してしまいました。
 インターハイ石川県大会サッカー決勝は、全校応援となり選手に声援を送っていました。
 その後の体育祭では、サッカーの決勝戦を彷彿させるような各団の応援が繰り広げられていました。
 高校野球石川県大会でも、選手のプレーが応援に気持ちが乗り、応援が選手のプレーに乗っているような雰囲気でした。
 その中でも、サッカーの決勝戦では多くの部員を抱えるサッカー部の応援メンバーをサポートするように、こちらも多くの部員を抱える硬式野球部が後に続き、高校野球の決勝戦では硬式野球部をサッカー部が支え、それを吹奏楽部やバトントワリング部、応援部などがさらに勢いをつける形でまとまっていました。
 それに追随する形で、試合に出場している選手と普段の学校生活を共にしている仲間(生徒)がさらに加わり、一体感を醸し出していました。
 この瞬間、
   生徒は誰かを応援する→誰かに感謝される気持ち
   誰かに応援される→誰かを感謝する気持ち
  を自然と作り上げていました。
 遊学館の中での相乗効果が生まれてきているように感じました。この一体感が薄れることなく続いてくれると、うれしいです。
 硬式野球部やサッカー部だけでなく、その他の部活動をしている生徒も、部活動をしていない生徒も、普段から自分が一生懸命に取り組んでいることが、このように多くの人が見ている舞台でお披露目できるのはなかなかないので、頑張っている評価をされることは少ないかもしれません。
 しかし、1学期はサッカーの決勝の話題で盛り上がり、2学期は野球の準決勝や決勝の話題で盛り上がるかと思いますが、自分の近くの誰かが大きな舞台で活躍したことで、そこでお互いを称えあうコミュニケーションが生まれ、自分のことも興味関心を持ってもらい日常での小さな繋がりが次の一体感に繋がると感じました。
 これが全国大会になると、石川県の代表として臨んでいることに対しての一体感、野球のWBCやサッカーのワールドカップなどは、日本を背負って世界大会に臨んでいる人たちに対しての応援しようとする国の一体感となり盛り上がります。
 一体感は、人を前向きになれるきっかけだなと感じました。
 この一体感を続けるために硬式野球部は秋季大会(春の選抜大会へ)、サッカー部は選手権大会での飛躍を期待しています。

2022年3月17日 (木)

【第721回】「成長を感じることのできる日常」Y. M. (地歴・公民)

 3月1日、私が担任を受け持った40名の生徒が本校を卒業していきました。
 卒業式後は、コロナ渦ということもあり、あまり時間をかけずに終わらせようと考えていたので、自分自身がこの40名に一番伝えたいことを頭の中で考えていました。
 伝えた言葉は、「とにかく、この日を迎えられてよかった。この日というのは、みんなが卒業式を迎えることができたこと、卒業後のそれぞれの進むべき道が決まっていること。これまでの日常もそのことを常に思い描きながら私はみんなと接していました。毎日のようにいろいろな指導もしてきましたし、時には厳しい要求もしてきました。しかし、振り返ってみると一つ一つが楽しい時間でした。楽しい時間というのは、どのようなことかというと、みんなが成長していく姿を身近で接することが楽しい時間だった。」という内容でした。
 3月というのは、卒業式に限らず1年が終わる時期でもあります。4月からの新しい生活を迎える準備の時期でもあります。私は、今年度の1年間を振り返った時に卒業した生徒だけでなく、様々な成長に触れる機会に恵まれました。
 朝の見守り活動では、挨拶ができなかった小学生や本校生徒が挨拶をしてくれるようになったこと、これまで挨拶はしてくれていたが、自ら挨拶ができるようになった生徒。学校内においては、指導を何度もされていた生徒が、「最近、あの生徒は授業も集中しているし、顔つきもよくなった」と多くの先生方から声をかけてもらえるようになったこと。同僚の先生方においても、新しい業務を任されて慣れない中でも周りの方と協力して、生徒の学校生活に良い影響をどんどんもたらしてくれたこと。学校でのことだけでなく、子を持つ親として我が子の成長ももちろん感じることができた1年でした。日常の何気ない一つ一つのことに興味関心を持つことと、そのことを振り返った時に、こんなにも変化(成長)を感じとることができるのだと今まで以上に強く感じました。
 来年度は、今以上に視野を広げて今年度以上の「成長」に遭遇できるように心がけていきたいです。そして、その成長をただ見届けるだけでなく、相手にも伝えてさらに成長スピードを上げるサポートが少しでもできればいいかなと思います。これからの1年が楽しみです。そして、振り返る1年後も。

2020年10月 8日 (木)

【第649回】 「今までで一番長い2学期」Y. M. (地歴・公民)

 教員生活24年目を迎え、今までで一番長い2学期を過ごしています。8月20日に2学期の始業式が朝礼時にあり、さっそく1限目から授業が始まりました。ちなみに終業式は12月24日を予定しています。いつもなら夏休み期間に授業がスタートし、いつもなら冬休みに入っているのに授業をしている。長いなと感じるのは私だけでしょうか?それに加えて学園祭などの学校行事も自粛となると、さらに長く感じます。何事もしなければならないことはあり、それを実行することは我々大人も生徒も十分理解していると思います。しかし、生活にメリハリがないとなるとなかなか前向きな気持ちで取り組むのは難しいのではないかと思います。自分自身でどのようにメリハリをつけていくかが大切になると思います。

 1日のメリハリ
 1週間のメリハリ
 1カ月のメリハリ
 1年のメリハリ

 依然終息が見えないコロナウィルスの感染予防をしながらも、我々は未来に向かって生きていかなければなりません。時間は前には進みますが、大切なのは私たちの頭も心も同じように前に進めることです。
 メリハリ、生きがい、楽しいことなどの言葉を頭にも心にも言い聞かせ、前へ向くために5月までの休校期間も含めていろいろなことを考えてきました。テレビでよく聞こえる“先の見えない状況”という言葉が未来へのエネルギーを奪っていきます。
 1年後のことは、私はなかなかイメージできません。しかし、前に進んでいくことを信じていくしかありません。半年後でさえも不安を感じます。1カ月後に向けてもなかなかイメージできません。
 まず1週間を、何より今日1日をどう過ごしていこうかを考えてきました。見えない未来を見ようとして不安になるのではなく、見えるところを確実に一歩一歩前に進んでいくことにしました。そうなると日々の何気ない楽しいことを探す日々へと変わってきました。最近さぼりがちな仕事終わりのウォーキングは、運動不足と感染リスクを避けるように始めましたが、いろいろなルートを歩くことで新しい景色が発見でき、いつもわくわくしています。歩きながら日常を振り返ると落ち着いて自分を見ることができます。
 最近は音楽を聴きながら朝は洗濯、夕食後は食器洗いも楽しみの一つです。
 生徒も大会や催し事の中止などでつらい思いをしているかと思いますが、何とかできることは何が何でも実行すればいいかと思いますが、変えられないものは受け入れてその中でできることを精一杯やるしかありません。
 これまでの当たり前が当たり前でなくなったなりに、前へ進むことが大切です。
 このように、日常が変わるということは、失うこともあるかもしれませんが新たな発見も沢山あります。
 その気持ちを忘れずにストレスを少しでも和らげられるような日常をこの2学期では、つくっていきたいと思います。
 みなさんも自分自身で充実した日常をつくってみてはどうでしょうか?

2019年5月16日 (木)

【第579回】 「最近思うこと」Y. M. (地歴・公民)

私がよく行くコーヒーショップでの出来事です。
厨房や店員さんが待機する場所に近い席に座りました。おそらく食器を片付けているのでしょうか。
とにかく食器を片付ける音がうるさいです。
帰られたお客さんの話をしています。私はとても不快な思いになりました。
お客さんの席が近くにあるのなら、もう少し静かに食器を置いてもらえないだろうか。
店員さんが話すお客さんのことを本人が聞いたらどう思うか考えて欲しい。
この状況に遭遇したら、不快な思いをするのは私だけではないのではと、思いました。
お店に対してのクレームでもなく、この店員さんに何かものを申したいというわけでもなく、いろいろなことを考えさせられる瞬間でした。

 最近、多くのマスコミが取り上げている「バイトテロ」。ある外食チェーン店では、全国で一斉に臨時休業して社員研修を行いました。
 アメリカにおいても大手コーヒーチェーン店でお客さんに対しての人種差別とも受け取れるような扱いで全米の8000店近く約17万人の従業員が一時休業し、社員研修を行った事例があります。
 高等学校において生徒を迎え入れ、3年間生徒を指導する教員という立場の私としては決して人事だとは思えない事案ばかりです。
 訪れたお店の店員さんを指導するわけにも行かないですし、世の中の問題を解決できるわけでもありません。
 学校において起こる数々の事案を解決し、より多くの生徒が過ごしやすい環境を作り出すことこそ私がしなければならないことです。
 バス乗車や自転車を運転する際のマナーの悪さ、SNSなどによる人間関係の問題、校則違反を指導されるよりも、その後の立ち振る舞いの悪さでの指導など、毎日のようにいろいろなことが起こり繰り返されます。
 世の中で起こっていることも、我々の学校で起こっていることも当事者からすれば、こんなに事が大きくなるとは思わなかったというのが本音だと思います。

自分のしていることがエスカレートするとどうなるか。
自分が発した言葉を相手がどう受け止めるか。

 ほんの少しだけ行動を起こす前に考える力があれば防げることがたくさんあると思います。
 今年度1年生は総合探究、2年生は総合学習で論語を学ぶ時間があります。仁(思いやり)、徳(人としての正しい行い)。まずはこのあたりから生徒と一緒に学び、大人の我々も襟を正して生活していきたいと思います。
 生徒が遊学館を巣立ってから世の中で少しでも必要とされる人材となれるよう、「考えたことを教えるのではなく、より自分で考え実行できる術」を教えられるように努めていきたいと思います。

2017年11月23日 (木)

【第505回】 「将来に繋がる日常生活」Y. M. (地歴・公民)

 11月4日、第96回全国高校サッカー選手権大会石川県大会決勝が行われました。得点をすることもできず、失点もされることなく、試合時間残り2分となり、先制点を奪われました。
 相手チームの実力、残された時間を考えると追いつくのは難しい状況でした。アディショナルタイム2分も加えられましたが残り30秒もない状況で選手は諦めることなく同点を信じて得点を奪いに行き、同点にすることができました。残念ながら延長戦の後半に失点をして全国選手権初出場の夢は絶たれました。前回大会は、準決勝でPK戦までもつれ込み、決めれば勝ちのところから敗れ、相手チームは全国大会初出場を決めました。
 試合に敗れて、いつも頭をよぎるのが高校時代の恩師の言葉です。「やるべきことをやっていないから勝てない」試合を振り返ると、やるべきことがやはりできていないのです。やってきたつもり、できると思っていたというプレーになってしまっている。選手に対して、もっと徹底して伝えていかなければならないと改めて指導力不足と感じました。力尽きるまで戦ってくれた3年生に感謝と、これからの将来にこの悔しさを生かしてほしいことと、1、2年生には、来年優勝するために、この悔しさを忘れずに取り組んで欲しいです。
 選手に常日頃から伝えていることがあるのですが、われわれが目指している大観衆での舞台でのベンチワーク(監督の指示)は、伝わらないに等しい。だから、ピッチにいる選手で決断しなければならないことが数多くある。だからこそ、ピッチにいる自分で、自分たちで解決する習慣をつけなければならないと。だからこそ、この敗戦で改めて強く感じたことは、指導者として本当に難しいと感じていることなのですが、教えることも大切にしながらも、その先に自分自身でできるようになる人間(問題解決できる人間)になってもらえるような日常を選手と過ごしていかなければならないと改めて痛感しました。
 最後に、これもある年の年賀状においての恩師の言葉ですが「悔しいが行動の原動力」を胸に秘め、来年こそは全国大会出場を決めます。

2016年7月14日 (木)

【第434回】 成長著しい心強い若者たちY. M. (地歴・公民)

 サッカー部では、4月に新入部員を43名むかえて、これまでの部員としては過去最高の106名となりました。チームとしてインターハイ、選手権大会において日本一になることが最大の目標で活動しています。しかしながら、106名が一緒に練習することは非常に難しいことですし、そうは言っても公式戦に出場、不出場の差は出てくることは避けられないですが、遊学館の門を叩いてくれた選手にはできる限り充実した3年間を過ごしてもらいたいと思っております。
 そんな思いを現実にするために今年からチームを4つに分けて活動しています。4名の指導者がそれぞれのチームに責任をもって指導にあたり、監督の私が全体を把握していく。
 各チーム(指導者間も含めて)が積極的に交流することで全体のチームワークも損なわないように努めています。まだまだ、たくさんの課題があるのは事実ですが、チームを分けて4ヶ月が過ぎて成長できたこともたくさんあります。
 その中で、気づけたことは、各指導者が担当する選手と真剣に向き合いどんどん責任感の強い人間になっていくことと、それに比例して選手が成長していることです。
 普段から、全体の方向性がぶれないように報告・連絡・相談は怠らず、毎週指導者ミーティングを指導者間で行っていることで、各担当チームは監督の指示待ちではなく、それぞれの担当指導者が現場において状況に応じて決断をして行動する姿は頼もしい限りです。
 人は任せることで責任や、やりがいを持ち、さらに努力する。指導者の成長が選手の成長につながり、それがチームの成績に反映されることを改めて再認識できる機会となりました。

 指導者3名のみなさん、インターハイ予選のような悔しい思いを選手にさせるわけにはいきません。

 選手の輝いた姿を全国選手権の舞台で見られるように、たくさんのパワーを注入してください!!

 選手のさらなる成長に期待して、夏の暑さに負けない情熱を出して指導に当たっていきましょう!!

2015年3月 5日 (木)

【第368回】 「二十七名の本気の三年間に感謝」Y. M. (地歴・公民)

 2番:

君のスピード、身体の強さを生かしきれなかった。それを生かせればプロの世界でも通用する力を持っていたと思うので、大学でもう一回勝負してほしかった。しかし、マイペースで何事にも取り組むのも君の良さなのかもしれないので、欲深く生きていくよりも、今の自分らしさを続けていってください。

 4番:

この学年で一番成長した人物であり、今だに一番未熟。三年間高校生活を続けてきたことが奇跡である。だからこそ目標に対して、取り組むことの重要性は実感できたと思うので、あとはこの伸びしろのある自分自身をどれだけコントロールできるか?さらに成長した姿を期待しています。

12番:

チームの柱。チームの心臓。そう呼ぶにふさわしい人間、選手に成長しました。プロを目指して欲しかったのが本音ですが、自分で決めた人生。その信念は、どの分野でも通用すると思います。
だからこそ、何事も中途半端なことのないように。迷いや苦しみがあれば高校生活の自分を思い出しなさい。すべて乗り越えられます。

16番:

応援してくれる周囲の人たちのために明確な形で恩返ししなさい。プロになることは最低限。日本代表になることこそが、最高の恩返し。最も可能性のある環境、素質で新しい生活ができるのだから、その気持ちを常に忘れることなく生きていくように。自分の夢はみんなの夢。

18番:

怪我で苦しんだ高校サッカーではあるが、大事な場面でチームに貢献することもできた。君も満足していないと思うし、私ももっとできるし、伸びると思います。だからこそ、大学での四年間は才能開花のために自分との戦いに挑んでください。

23番:

三年間、チームも分かれていた影響で、なかなか声をかける機会がなかったが、よくここまできたというのが実感です。個性が強い学年においてマイペースで控えめな性格は、大変なことが多かっただろうが、ここまで続けてきたことが大きな成果。この我慢強さを生かすために、自分でないとできないことを周りに理解してもらえるように取り組んでいってください。必ず認められる日が来ます。

26番:

人生、山あり谷ありとはまさに君のことだ。何も知らない土地でも平気でやっていけたのは、サッカーを愛する情熱は誰にも負けないから。サッカー以外がイマイチです。このサッカーに対する姿勢を自分の人生のいろいろな場面で生かせたらすごい人間になるでしょう。まずはサッカーで成功しなさい。そして、弟に負けない兄でいてください。

27番:

君のまっすぐな姿勢は本当にすばらしかった。だからこそ、やるならどんな状況であろうと徹底してやって、自分で違和感があれば、少し自分の考えを客観的に観る柔軟な心が欲しかった。それでも、後輩が引き継いで欲しいリーダーシップは存分に出せたのではないかと思います。苦手な人と接することが苦にならなければさらにスケールアップすると思います。

29番:

君の無尽蔵のスタミナを生かすことができなかった。周りに気づいてもらうまでもいかなかった。しかし、大学でもう一度、勝負するなら是非、周りの人たちに気づいてもらい、チームになくてはならない存在となれるように。期待しています。

30番:

大学のグラウンドにお父さんと一緒に練習参加しに来た時のことを今でも忘れません。高校サッカーの三年間はなかなかチャンスには恵まれなかったが、君のサッカーに対しての情熱は充分に伝わりました。もっと自分を出して、人とぶつかり、悔しい思いや自分ができるという経験をしてください。そうすれば、今の自分よりも、もっと自分らしくスケールの大きな人になれます。

33番:

新潟の高校でお母さんと一緒に見学に来てから、あっという間の三年間でした。サッカーセンスもあり、いろいろなポジションで柔軟にこなせる才能を持っていました。賢い人間、選手であったので、性格的には大学でサッカーの勝負をするとは意外でした。やはり、内に秘めた情熱があるのでしょう。高校での悔しい気持ちを是非、大学で晴らしてください。

34番:

気分屋で臆病者。でもサッカーをこよなく愛していることは誰もが認めています。だから、サッカーで勝負してみろと周囲は期待してしまうのだが、本人はそんな気ではないんだろうな?
しかし、そのサッカー愛はどこかで生かして欲しい。本人がその気になるまで気楽に待っていることにします。夢中になれる長所を生かしていくように。

37番:

積み上げた経験は確実に自分のものにしていく、そんな印象を受けます。本人には失礼だが、もしかしたら誰よりも期待できるかもしれない。何をするにも本当に地味ですが、着実に自分を成長させている。目立って活躍している人を見て、うらやましがることがないように。君には継続できるという長所があるのだから。

38番:

一見おとなしいそうだが、内に秘めた強い信念は入学当時から気づいていました。もっと君を生かしきれなかったかなと思っています。しかし、意志の固さは誰にも負けることはないので、それを生かすために人に伝える力をつけること、自分を生かしてくれるパートナーをみつけること。期待しています。

39番:

この学年の中でも時折みせる潜在能力の高さは常に気になっていました。ただ、性格的には周囲とのバランスを重視しながら全体を考え、行動していくタイプだったような気がします。だからこそ、もう少し、わがままでいい気がします。時には迷惑をかけるかもしれないし、落ち込むかもしれないが、そのチャレンジをすることで、自分の可能性が広がると思うので勇気を持ってやってみましょう。

40番:

君の強烈な左足を生かしてあげることができなかった。そして、君も生かすことができなかったのでは?しかし、君の取り組んできた高校サッカーは間違いではありません。それを証明するために大学でチャレンジするのだと思います。大学サッカーでの活躍で、チャンスを与えられなかった私をもっと後悔させてください。

43番:

どれだけがんばっても認めてくれないというのは間違い。ちゃんと見てましたよ。プリンスリーグ(新潟工業戦)の大怪我からインターハイ予選に間に合わせようと治療、リハビリに取り組む姿は三年間で一番美しいし、すばらしかった。あの姿勢に最後まで期待していました。チャンスを与えられなかった私を、大学四年間の成長で後悔させてください。

49番:

「君しかキャプテンはいない」入学当時からずっとそう思っていました。君は必ず周りが気づけないことに気づき、よい影響力を与えられる人です。今は少し自分に自信がないようですが、君にしか出来ない気づき、信念はこれからの人生に必ず生かされるので、自分を信じて生きていくように。必ず成功します。

55番:

何かと周りに心配をかける三年間でしたね。ただ、そのたびに自分を支えてくれている人の気持ちを知ることができたのではないかと思います。人はそんなに強い生き物ではありません。だからこそ、たくさんの人に支えてもらった分、たくさんの人を支える人になってください。

58番:

おそらく、潜在能力はこの学年でトップクラスです。特に右足のキックは大きな将来性を感じます。ただ、もう十八歳です。これといった潜在能力だけでは、通用しません。自分を自分自身で生かすことができるようになったら、とんでもない可能性が拓けるような気がします。

60番:

周囲に同化して、自分の力も発揮できるタイプ。だからこそ、チームに必要な存在の一人になれましたね。しかし、裏を返せば環境に左右されやすいとも言える。これから、自分の環境をどうつくるかで、自分の人生が決まりますよ。楽しみです。

64番:

地味だが、チームになくてはならない人材とは君のことのようだ。チームメイトの誰もが必要と口を揃えたという事実が物語っている。自分でも、周りにも気づかれにくい細かいところまで丁寧に取り組んできた証であろう。平凡を続けると非凡になることを君は今後もたくさんの人たちに示していってください。

66番:

やはり君は天才なのかもしれない。でも世の中で生きていく以上、感覚だけでは人との摩擦は絶えず起こる。幸いにも、この高校生活で君は本気で叱ってくれる仲間を手に入れ、この先においても自分を必要としてくれる人がいる。そのことを忘れなければ、君の天才ぶりも生きてくるだろう。人生、必要とされ続けてください。

69番:

君がいなければ、こんな良いチームになることはなかっただろう。個人的には誰よりも我慢の三年間であっただろうに、くよくよすることなく、自分と向き合う姿勢は頭が下がる。人を幸せにする力を持っているので、どんなことがあろうと、今の自分らしさは崩さずにいってください。

88番:

高校サッカーにおいて、なかなかチャンスがない中で、諦めず大学でもサッカーにチャレンジする姿勢に、「必ず花を咲かせなさい!!」と心からエールを送ります。君のひたむきなプレーは必ず生かされるときが来るので、諦めず取り組んでいってください。誰かが必ず見ています。

89番:

27番と一緒に職員室のカウンターでコーチを信頼し、自分たちの取り組みに自信を持って取り組んでいることを、本気の目をして訴えかけていたのは今でも焼きついています。その成果が九月二十一日のチームが一つになった試合だと思います。この自信をこれからも忘れずに。

98番:

県外出身者が多く、取り組むことの中での厳しい要求を怯むことなくやり通せたのは、金沢の中体連選手でもこれだけ出来るということを示してくれました。これは後輩にも勇気を与えてくれたと思います。おそらく、自分では気づいていない良い意味での鈍感力を大切にしていけば、必ず大成すると思います。

 

 何があろうと、ここまで続けてこれたのは、君たちが本気で狙っていたからです。人は口で言ったり、ある程度の逃げ道があるところまでは、夢を語って本気を装います。しかし、自分の力ではコントロールできない状況になるときがあります。その分岐点でやるほうを選択するのか、やらないほうを選択するかで自分の成長が決まります。この分岐点を諦めることなく、ことごとく乗り越え、君たちは成長してきました。その姿勢にこの三年間、何度も心を打たれました。その思いを感じるたびに君たちと頂点に行きたい、君たちの晴れ姿を見たいと思っていました。その目標を達成できず、残念でなりません。改めて、指導者としての未熟さを感じました。この気持ちは一生消えることがないでしょう。
 しかし、これまで巣立った選手、そして君たちの思いを背負い、頼りなかった後輩たちがこの冬、大きな成長をしてくれました。後輩たちが、今年、必ず目標を達成して恩返ししてくれますので、君たちも次のステージでがんばってください。
 最後に、これまで携わってきた人、何より身近で支えてくれた親御さんも含めて一つになれたことが、三年間の成功だということを忘れずに。 本気で向き合えた三年間をありがとう。

2013年10月17日 (木)

【第302回】 目に見えないことの重要性Y. M. (地歴・公民)

リンカーンは「すべての人を一時的にだますことはできるし、一部の人をいつまでもだましておくこともできる。しかしすべての人をいつまでもだまし続けることはできない」と言っている。だますということは良くありませんが、どうしても人間は周りの人たちから評価されたいがために過大な表現をしてしまうことがあります。しかし、この過大な表現をするということは決して悪いことではないと思います。重要なのはこの過大な表現をしたあとの行動です。相手に対して期待を持たせるような発言をしておきながら期待はずれであれば、これはだますということになるでしょう。これが期待通り、期待以上のことであればたくさんの人が評価してくれることは間違いありません。過大な表現を大きな目標という言葉に置き換えて、それに対して誠意ある進化をとり続けていれば、たくさんに人に受け入れられるはずです。

 変化に富んだ世の中に対して、私も含めてその場その場をしのいでいくことに精一杯で、どうしても自分をよく見せたいと思いがちですが、失敗は避けられないけれどもやると決めたことにとことん励んでいくことが必要なのではないでしょうか?中学生に「遊学館にいけば自分を成長させてくれる」、保護者の方に「子供を預けるなら遊学館」、卒業生に「高校を選ぶのなら遊学館」、サッカー少年に「サッカーで日本一を目指すなら遊学館」、そして世間の皆様に「遊学館を応援しよう」そんな遊学館を目指していきたいです。我々の気づかないところで世間の皆様に声をかけていただき、気にしていただいていることに感謝しつつ、その期待に答えるだけの進化を遂げていきたいと思います。そのためにも普段の目にはつきにくい即効性のないことも地道に積み重ねて習慣化し、すばらしい人間集団を作り上げていくことに努めていきます。

2012年7月13日 (金)

【第238回】 「洋食屋Y」Y. M. (地歴・公民)

 私はこの会社に勤めて16年の月日が流れた。そのあいだは「洋食屋Y」のカツカレーに支えてもらった。大柄な身体の私にとってこのカツカレーの量は少し物足りない。たまに大盛りにして午後の仕事の活力にする時があった。このカレーはだいたい週2回ペースで食べていた。だから、いつも同じものを食べているとたまには違ったものを食べたくなる。目玉焼き付きカレー、カレースパゲティ、メンチカツカレー、カツ丼(和風のカツ丼ではありません)、そして年に数回頼む1、000円を超えるランチなど何だかんだで、定休日の木曜日以外は「洋食屋Y」に電話をして出前で持ってきてもらう。結婚するまで寮で生活していた時は寮の部屋まで出前をしてもらったこともある。そう考えると私の胃袋を支えてくれる大切なお店である。いや、お店であった。実は2年前にこの店のご主人が体調を崩され閉店することとなったのである。

 カレーがおいしかったことは確かなこと。しかし、もう「洋食屋Y」に出前を頼むことができなくなった今、気付いたことはご主人の人柄である。看板娘ならぬ“看板おやじ”とでも表現すればいいのでしょうか?出前一つを何回も受けてお店と私の職場を行ったり来たりしても嫌な態度1つ見せない笑顔、真冬の雪が降る時期で靴下も履かず素足と草履(ぞうり)で出前をすること、雨の日は決まって紫色のレインコートを着ること、大量のお釣りが準備されているパンパンに膨れ上がった小銭入れ、愛車のスーパーカブ(バイク)で出前の途中で私に気付けば笑顔で手を振ってくれるなどすべてが“おやじの味(特徴)”である。大変失礼な言い方をしてしまうが、どこにでもいそうな昼食を頼む洋食屋の店主である。しかし、その立ち振る舞いに飾らない自然体の人間性と、簡単そうでわかっていても実践できない仕事をするプロとしての姿勢を感じました。自分のペースを崩さず自分らしく生きていくということ、大きな成果を常に期待しすぎず、わずかなことも大切にして地道に積み上げていく習慣は店主そのものです。

 どうしたら利益を上げるかということと、おいしいものをつくりお客さんに喜んでもらうことはお店を繁盛させるための方向性は変わらないと思います。しかし、心の持ちようで行動も変わるのではないかと思います。人に喜んでもらえる、人に感動を与える仕事が私の目指すところです。教師となって初年度で掲げた学校に影響力の人間になることという方向性を見失わず“看板先生”を目指していきます。

 最後に私を成長させてくれた「洋食屋Y」の方々へ

  おいしいカレーをありがとう

  お疲れさまでした