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2024年2月29日 (木)

【第824回】「日本一の空気」小藤 涼 (地歴・公民)

2023年12月9日第51回バトントワーリング全国大会が千葉幕張メッセで行われ、本校のバトントワリング部顧問として同行した。
優勝候補として臨む大会のため大会前から密着取材がつき、その対応やエントリー業務に追われていたがそれが終わると
「先生、エントリーなどの事務作業お疲れ様でした。あと先生にできる仕事は空気になることです。」とコーチから言われた。
この話をすると笑われるのだが、私は素直に日本一になるためにできることと捉え、全国大会へ出発した。
前述したように幕張メッセでの私の仕事は「空気になること」である。私の言葉、行動で選手を動揺させてはいけないと、食事の時も同じ会場にはいるが端の方で一人で食べたり、練習中は物音を立てないように極力話しかけないように徹した。
本番は最高の演技でノードロップ!緊張しながら結果発表を待った。そして・・・
結果はグランプリ、日本一に輝いた。

人間にとって空気は見えないけれど、無いと生きられないものである。
私もバトン部にとってそういう存在になれたらと感じた大会だった。

今年連覇を狙えるのは遊学館だけなので、連覇を目指し、より新鮮な空気に私はなりたい。

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2024年2月22日 (木)

【第823回】「準備が大事」K. N. (数学)

能登半島地震で被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。
一日でも早い復興をお祈りしております。

2月も半ばを過ぎて、今年度の終わりが近づいてきました。
受験生は、ここまできたら「人事を尽くして天命を待つ」心境かと思います。
一方、在校生は、定期考査も一段落ついて、ほっとしたところでしょうか。

さて、三学期は来年度の0学期と言われます。
来る春へ向けて、準備を始めましょう。
今年度を振り返りつつ、来年度へ向けて。

将棋棋士の渡辺明九段があるインタビューに答えて
「大事なのは、事前の準備ですね・・(中略)・・時間制限もありますから、考えきるのに時間が足りないこともある。あらかじめ結論を出しておけば、有利に考えられるわけです」
と言っています。
何が起こるのかを想定して、徹底的に準備をする、そうすると、ことを有利に運ぶことができるのです。もちろん、
「考えておくのですが、ダメになる」
こともあるそうです。それでも、少しでも有利に戦えるよう準備をするのです。

授業の準備をしていて、ときどき思います。
「これらの作業のうち、どれだけを使うだろう」
経験を積んで、ずる賢くなったので、使う分しか準備しないことも増えましたが、それでも、準備したものをすべて使うことはめったにありません。準備したいくつかは「ダメになる」のです。

ただ、準備したいくつかは「ダメになる」かもしれませんが、無駄にはなりません。いつかどこかで役に立つときがきます。

この数年、風邪一つひかずに過ごせたのに、ちょっとした油断か、今年はコロナもインフルもかかってしまいました。症状は大したことはなかったのですが、外出できなかったり、家族にうつさないよう部屋を分けたり、食事を別にしたりと、とても大変でした。
みなさんも、体調にはくれぐれもご注意ください。

2024年2月15日 (木)

【第822回】「見上げてごらん夜の星を」牛腸 尋史 (英語)

 小学生か中学生のころだと思います。授業で音の伝達速度を表す「音速」と光の伝達速度を表す「光速」について勉強しました。みんなが良く知っている北斗七星の中で、地球に一番近い星でも80光年ほど離れているそうです。そんな話を聞いているうちに、妙なことを空想するようになりました。「今見えている光は80年かけて地球に届いているなら、あの星はもう存在していないのかも。もし自分が光の速さで移動すれば、見える景色は時間が止まって見えるの?じゃあ、光よりも早く進むことができたら、光を追い越して過去を見ることができるの?」とか。そんなことを妄想するようになってからしばらくは、夜空を眺めることがマーブームになっていました。そうなっても「せっかくだから星座や宇宙についてもっと詳しく調べてみよう」となったわけではないし、残念ながら物理が得意科目になることもありませんでした。それでも、宇宙に対する関心や憧れとかは40年以上も心の隅っこに引っかかっています。
 私が高校まで過ごした輪島の実家は、自転車で20分ほど走ると明かりの少ない海辺まで行くことができました。町はずれまで行けば、条件次第で天の川も見ることができました。本当に牛乳をこぼしたような光の筋が見えると、「ぅわぁー!」と声が漏れるくらい感動したのを憶えています。少し時間がかかるかもしれませんが、昔のように故郷でゆっくり夜空を眺めたいです。

2024年2月 8日 (木)

【第821回】「新しい学び方」小坂 英洋 (情報)

 令和5年度から遊学館高等学校では、生徒1人に1台の学習用タブレット端末を使用しています。使用している端末は、Chromebook(クロームブック)です。金沢市の小中学校でも利用しているものと同等ですから、生徒にも扱いやすいものだと思います。
 また、Google Workspace(グーグルワークスペース)を利用し、生徒と保護者にGメールアドレスを発行しています。これにより、生徒や保護者へ、学校からの一斉連絡や、欠席・遅刻などの連絡を行っています。
 私は、これらICTに関わる運用を担っています。今回の教員ブログではこれらICT端末の導入や教育DXの導入により、生徒に新しい学び方が生まれていることをレポートします。
 今から5年前、遊学館高等学校では全ての教室にプロジェクターを導入しました。これまでの「黒板とチョーク」による授業から「見やすく、わかりやすい」授業が始まります。導入当初は、先生方の利用はそれほど多くはありませんでしたが、現在では多くの先生方が「わかりやすい教材」を提示しながら授業を行っています。そして、今年度からのタブレット端末の導入は、これまでの学習をさらに充実したものにしています。

202402081_2 タブレット端末に導入しているアプリの1つに「ClassPad.net(クラスパッド・ドット・ネット、以下ClassPad)」があります。馴染みのない名称ですが「カシオ電子辞書EX-Word(エクスワード)」といえばわかる方が多いかもしれません。高校の勉強には辞書を多く使用します。紙の辞書は重く実用的ではないため、電子辞書の利用を奨励していましたが、高価なこともあり所持率が低下していました。最近はインターネットで何でも調べることができますが、インターネットの情報はすべて正しいとは言えません。つまり、辞書で調べることは知識の増強に最適なのです。この電子辞書をクラウドで利用できるようにしたものが「ClassPad」です。利用料金もハードの電子辞書に比べ割安です。そしてWebアプリのため動作端末を選びません。つまり、Chromebookだけではなくケータイ(Android、iOS)やパソコン(Windows、MacOS)などブラウザと通信環境があればどこでも辞書が使えます。 「ClassPad」にはさらに便利な機能があります。「ノート機能」と「数学機能」です。「数学機能」はスペースの都合上、詳しく述べませんが、「ノート機能」について紹介します。
 高校で生徒端末を利用している学校で導入が多いのがノートアプリです。「ClassPad」にはノートアプリが標準で備わっています。私はこの機能を使って授業を行っていますので、一例を紹介します。
 授業で大切なことは、生徒が授業内容をしっかり理解できることです。そのために教員は、板書を工夫したり、教科書に線を引いたり、プロジェクターに資料を投影したりしてわかりやすい授業の工夫をしています。そして生徒は、わかりやすく示される各種資料を自分なりにノートにまとめ、知識の蓄えとしています。

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 私も同様に、わかりやすさを目指して板書の工夫などをしていますが、ノート機能を利用することでもっと生徒にわかりやすくできないかを考え、次のようにしました。
(1)授業前に授業内容を送信する。
(2)ノート提出は端末で行う。
(3)プリントは紙で配布し解答は配信する。
 ノート機能を利用することで、スムーズなやり取りができ、かつ記録も残るため、生徒のモチベーションアップにも繋がっています。「新しい学び方」の第1歩が始まったのを実感しながら、授業改善を行っていこうと思っています。頑張れ生徒たち、頑張れ先生!

2024年2月 1日 (木)

【第820回】「言葉で子どもは育つ」窪 泉 (保健体育)

皆さんに詩をひとつお伝えします。


子 ど も

批判ばかりされた子どもは 非難することをおぼえる

殴られて大きくなった子どもは 力にたよることをおぼえる

笑いものにされた子どもは ものを言わずにいることをおぼえる

皮肉にさらされた子どもは 鈍い良心のもちぬしとなる

しかし、
激励をうけた子どもは 自信をおぼえる

寛容であった子どもは 忍耐をおぼえる

賞賛をうけた子どもは 評価することをおぼえる

フェアプレーを経験した子どもは 公正をおぼえる

友情を知る子どもは 親切をおぼえる

安心を経験した子どもは 信頼をおぼえる

可愛がられ抱きしめられた子どもは 世界中の愛情を感じることをおぼえる

出典:「あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書」から抜粋
川上邦夫訳 新評論

 私は教員として、親として、これを肝に銘じておきたいと思います。(なかなか出来ない時もあるけれど…)
 子どもは言われたように、扱われたように育ちます。高校生は子どもと大人の間くらいですね。皆さんの周りにいい言葉があふれるように、素敵な振る舞いが増えるように、少しずつ意識してみてはいかがでしょうか。私も頑張ります。