【第821回】「新しい学び方」小坂 英洋 (情報)
令和5年度から遊学館高等学校では、生徒1人に1台の学習用タブレット端末を使用しています。使用している端末は、Chromebook(クロームブック)です。金沢市の小中学校でも利用しているものと同等ですから、生徒にも扱いやすいものだと思います。
また、Google Workspace(グーグルワークスペース)を利用し、生徒と保護者にGメールアドレスを発行しています。これにより、生徒や保護者へ、学校からの一斉連絡や、欠席・遅刻などの連絡を行っています。
私は、これらICTに関わる運用を担っています。今回の教員ブログではこれらICT端末の導入や教育DXの導入により、生徒に新しい学び方が生まれていることをレポートします。
今から5年前、遊学館高等学校では全ての教室にプロジェクターを導入しました。これまでの「黒板とチョーク」による授業から「見やすく、わかりやすい」授業が始まります。導入当初は、先生方の利用はそれほど多くはありませんでしたが、現在では多くの先生方が「わかりやすい教材」を提示しながら授業を行っています。そして、今年度からのタブレット端末の導入は、これまでの学習をさらに充実したものにしています。
タブレット端末に導入しているアプリの1つに「ClassPad.net(クラスパッド・ドット・ネット、以下ClassPad)」があります。馴染みのない名称ですが「カシオ電子辞書EX-Word(エクスワード)」といえばわかる方が多いかもしれません。高校の勉強には辞書を多く使用します。紙の辞書は重く実用的ではないため、電子辞書の利用を奨励していましたが、高価なこともあり所持率が低下していました。最近はインターネットで何でも調べることができますが、インターネットの情報はすべて正しいとは言えません。つまり、辞書で調べることは知識の増強に最適なのです。この電子辞書をクラウドで利用できるようにしたものが「ClassPad」です。利用料金もハードの電子辞書に比べ割安です。そしてWebアプリのため動作端末を選びません。つまり、Chromebookだけではなくケータイ(Android、iOS)やパソコン(Windows、MacOS)などブラウザと通信環境があればどこでも辞書が使えます。 「ClassPad」にはさらに便利な機能があります。「ノート機能」と「数学機能」です。「数学機能」はスペースの都合上、詳しく述べませんが、「ノート機能」について紹介します。
高校で生徒端末を利用している学校で導入が多いのがノートアプリです。「ClassPad」にはノートアプリが標準で備わっています。私はこの機能を使って授業を行っていますので、一例を紹介します。
授業で大切なことは、生徒が授業内容をしっかり理解できることです。そのために教員は、板書を工夫したり、教科書に線を引いたり、プロジェクターに資料を投影したりしてわかりやすい授業の工夫をしています。そして生徒は、わかりやすく示される各種資料を自分なりにノートにまとめ、知識の蓄えとしています。
私も同様に、わかりやすさを目指して板書の工夫などをしていますが、ノート機能を利用することでもっと生徒にわかりやすくできないかを考え、次のようにしました。
(1)授業前に授業内容を送信する。
(2)ノート提出は端末で行う。
(3)プリントは紙で配布し解答は配信する。
ノート機能を利用することで、スムーズなやり取りができ、かつ記録も残るため、生徒のモチベーションアップにも繋がっています。「新しい学び方」の第1歩が始まったのを実感しながら、授業改善を行っていこうと思っています。頑張れ生徒たち、頑張れ先生!