2025年10月16日 (木)

【第909回】「今、観光ガイドが注目されてます」T. Y. (国語)

観光ガイドという取り組みを始めて、2年目に突入しました。
昨年、石川県の観光誘致課の方に掛け合って育成プログラムを作り、今年度から観光ガイドとしてデビューをしました。
デビューにあたり、遊学講座だけではなく「観光ガイド同好会」を発足させ、石川県知事より「観光ガイド特使校」に任命され、すでに何件ものガイドを実施しました。
ガイドは月1~2件入りますが、それ以外の活動として学校周辺にある文化施設を見学するということを行っています。
この本多町界隈には県立美術館・県立歴史博物館・県立伝統産業工芸館などまだまだたくさんの文化施設があります。高校生以下は無料という施設も多数ありますが、観光特使になると県内100か所以上の文化施設が無料で利用できるので、近隣の文化施設はほぼ全部まわることができました。

兼六園に行くと必ず外国の方がたくさんいらっしゃいます。私達はオリジナルの半纏を着ているので外国の方からすると珍しいのか、見られたり、話しかけられたりします。私達からも写真を撮ろうとしている人や、何か探していそうな人に声をかけたりしています。最初は英語が話せないので、ドキドキしていた生徒も勇気を出して話した後には、緊張からの解放と達成感とでとても良い笑顔を見せてくれます。
修学旅行生のガイドだけではなく、外国の方とのグローバルコミュニケーションもどんどんしていこうと思っています。

現在観光ガイド同好会は3年生が多数を占めており、3年生が引退すると人数がかなり減ってしまいます。来年度には「観光ガイド部」という正式な部活動になります。
現在遊学生の生徒も、現在中学3年生の遊学館に入学しようと思っている子も入部大歓迎です。募集は春の期間だけでなくいつでも募集しています。現在もそうですが、兼部も可能なので兼部している子も多数います。

学校の授業ではなかなか伸ばすことが難しい、これから必要となる「コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力」を「観光ガイド部」でレベルアップさせませんか?

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2025年10月 9日 (木)

【第908回】「ヨイトマケの唄」渡辺 祐徳 (英語)

生徒の皆さんに向けて、紹介したい歌があります。それは歌手美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」です。

(ヨイトマケとは、土木作業の現場でのかけ声や,そこで働く人を指す言葉です。)

何かに打ち込んだり、勉強することの大切さや、家族や社会のために一生懸命に働くことの尊さを教えてくれるすばらしい歌です。しかしとても内容が濃く,授業で取り上げようとしても思わず声が詰まってしまい、なかなかうまく話せません。そこでこのブログを使って、その内容をお伝えしたいと思います。

(ここでは歌詞の転載はしませんので,ぜひ美輪明宏さんの歌を聴いてみてください。)


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おそらく父親が病気なのでしょう、とにかく「母ちゃん」が一人で、幼い「僕」を育てるために、ひたすら働く姿から始まります。
「母ちゃん」は、男たちに混じって建設現場で働いていました。重い綱を引き、天に向かって声を張り上げながら、力いっぱい働くその姿は、いつも泥にまみれ、汗と土に汚れていました。真夏の太陽の下、肌を焦がしながらも、ひたすら「僕」が食べるため、そして学校に通えるようにと、文字通り身を粉にして働いたのです。大人になった「僕」が煙草をふかしながら目を閉じると、貧しい土方(どかた)(土木作業員)の歌声が、今も耳にこだまするのです。
「父ちゃんのためなら エンヤコラ!母ちゃんのためなら エンヤコラ!」

幼いころの「僕」は、そんな「母ちゃん」の姿を、時に恥ずかしく感じていました。小学校では、友達から「ヨイトマケの子、汚い子」とからかわれ、悔しさに涙を流しながら帰る道すがら、また「母ちゃん」の働く姿を目にするのです。泥だらけで男たちに混じり、必死に働く「母ちゃん」。その姿を見たとき、最初は慰めてもらおうと駆け寄った「僕」でしたが、涙も忘れ、家へは戻らず学校へ引き返します。そして、心の中で強く誓うのです。「勉強するよ」と。それは、「母ちゃん」の苦労を間近で見て、自分も頑張らなければという、幼いながらの決意でした。

あれから何年もの歳月が流れました。「僕」はあの時の誓いを胸に、懸命に勉強に打ち込み、高校を卒業し、さらに大学へと進みました。そして、今の世の中を支える機械の知識を身につけ、エンジニアとして立派に社会で働くようになっていたのです。

しかし、「母ちゃん」は、その「僕」の成長を見届けることなく、苦労の多い人生の末に亡くなっていました。「僕」は心の中で叫びます。「母ちゃん、見てくれ、この姿を。」と。グレかけた時期も何度かあったけれど、決して道を踏み外すことなく、真面目に生きてこられた。それは「母ちゃん」のあの歌声が、どんな美しい歌よりも、どんな綺麗な声よりも、「僕」を励まし、慰めてくれたからなのです。
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この歌が描く世界観は,昭和初期のある一場面に過ぎず,高校生の皆さんにとって,あまり実感がわかないかもしれませんね。しかし、たくさんのことを教えてくれていると思います。
「母ちゃん」の働く姿を見て,貧困やいじめといった困難をはね返し,「勉強するよ」と誓った「僕」。そして立派に成長した「僕」が抱く,「母ちゃん」への感謝の気持ち。
皆さんがこれからの人生の中で困難に立ち向かうときに、この歌のメッセージが参考になればいいと思います。

2025年10月 2日 (木)

【第907回】「空」S. Y. (理科)

 食欲の秋・読書の秋・芸術の秋・スポーツの秋。秋は何をするにも適した時期だ。中学3年生や高校3年生は受験に向けて頑張る時期であり、高校1、2年生は定期試験や新人大会などが待っている。本来であれば、残暑も落ち着き、過ごしやすい季節なのだが、近年は異常気象により、まだまだ暑さが幅を利かせた天気が続いている。さらに最近の秋はすぐに終わってしまい、あっという間に冬に突入していく。とにかく秋が短くなっているのである。何をするにも適した時期が短くなるのは、何とも悲しい気持ちになる。
 しかし、この夏と冬に挟まれた季節だからこそ、見られるものもある。それは紅葉と秋の空である。植物が落葉させるのは、日の短くなる冬に備えてのものであるが、紅葉は何のためにするのか分かっていない。また、秋の空は不安定であり、だからこそ珍しい雲も見られやすい。

20251002ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲 引用:ウェザーニュースより

 短い期間だからこそ、少しの変化に敏感になり、時には立ち止まって空を眺める。そんな心の余裕が持てるように、日々を過ごしたいものである。

2025年9月25日 (木)

【第906回】「パン作りは面白い」S. M. (数学)

 興味を持つと、時間をかけても挑戦したくなることがある。私は以前、石窯ピザを作りたくてパン教室に数回通った。材料をボールに入れるときの注意点や捏ね方を習い、いろんな具材でピザを作った。しばらくパン作りからは離れていたが、ある日、動画を見てまた挑戦してみたくなった。

 興味を引かれたのは、「ボールの中で捏ね時間3分」というところだ。捏ね時間は短いがが、材料からから焼き上げまでは4時間ほどかかる。時短レシピなら2時間ほどで作れるものもある。どのパンを作ろうかと動画を見ながら選ぶ時間も、とても楽しい。

 始めに作ったパンは、ジャムロールパンだった。イースト菌の予備発酵から、材料を混ぜて捏ね、一次発酵。形を作って二次発酵、そして焼く。生地がとても柔らかく、ちゃんとまとまるのか心配だったが、無事に焼きあがってほっとした。4時間かけて作ったが、食べるのはあっという間。でも、とても美味しかった。

 次に作ったのはウィンナーパン。そして、肉まん。作るパンによって生地の材料や分量、発酵時間が少しずつ違う。レシピを見比べると、少しずつ違うので、どうして違うのか気になってくる。「なぜこのパンにはバターを入れないのか」「なぜこのパンにはこのタイミングで牛乳を入れるのか」と気になり始めると調べてみたくなる。もう少し調べてからまた作ってみようと思った。

 今、何か興味を持っていることはありますか?
 興味を持ったことには、ぜひ挑戦してみてください。
 そして疑問に思ったことがあればば調べてみてください。
 調べて理解すると、さらに興味深く、もっと楽しくなりますよ。


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20250925

  朝見ているドラマの影響か、
  リクエストされたので作ってみた。

      “あんぱん”

  次はどのパンを作ろうか。
  “パン作りは面白い”

2025年9月18日 (木)

【第905回】「チャレンジ!」S. J. (地歴・公民)

 近年、本校には新しい部活動が続々と発足してます。ストリートダンス部や軽音楽部、そしてeスポーツ部などです。夏休み中に行われた学園祭でも、ダンスやライブなどで盛り上げてくれました。
 さらに来年度、本校に新しく「観光ガイド部」ができるそうです。これは、本校の生徒が兼六園などで修学旅行の中学生にガイドをするという部活動で、元々、遊学講座で実施していたものが部活動になるそうです。いしかわ高校観光特使にも認定されているとのことです。
 新しいものにチャレンジしている生徒を見ていると、自分にも力が湧きます。私は、剣道未経験者でしたが、剣道部の顧問になり、生徒に負けてたまるか!という気持ちで30歳を過ぎてから県立武道館に習いに行き、三段まで取得することができました。新しいことを始めると最初は難しいですが、今までできなかったことができるようになるととても楽しくなります。
 また、現在3年生の担任をしていますが、クラスの生徒達は入試という大きな挑戦をしています。特進クラスの生徒も、国公立大学や難関大学を目指してチャレンジしています。中学校時代は国公立大学進学なんて考えてもいなかった生徒が、本校の入学説明会で特進クラスでのチャレンジを決心し、合格を目指して頑張っているという生徒もいます。
 本校では学業、部活動、ボランティア活動、生徒会活動など様々な新しいことにチャレンジできる環境があります。ぜひ中学生の皆さんにも、高校生になったら新しいことにチェレンジしてもらいたいと思います。その場が、遊学館高等学校であればとても嬉しいです!