【第912回】「AI」T. M. (英語)
最近、「AIが先生の代わりになる日も近い」という話をよく耳にします。確かにAIはどんどん賢くなっていて、個別に学習プランを立てたり、質問に即答したりと、まるで万能な先生のようです。でも私は、どれだけAIが進歩しても、教育に携わる人は絶対に必要だと思っています。
AIは膨大なデータをもとに正確な答えを出すのが得意です。しかし、教育の本質は「知識を伝えること」だけではありません。子どもたちは勉強の中で、うまくいかないことに落ち込んだり、やる気をなくしたり、時には自信をなくしたりします。そんな時に「大丈夫」「一緒に頑張ろう」と声をかけてくれる人の存在は、何より大きいものです。AIには、共感したり励ましたりする“心の力”はまだありません。
もう一つ大切なのは、「価値観」や「生き方」を伝えることです。AIは過去のデータから学ぶことはできますが、「これからの社会をどう作るか」という未来志向の考え方までは教えられません。教育に携わる人は、知識だけでなく「人としてどう生きるか」を子どもたちに示す存在です。その姿勢や言葉が、子どもの中に生き方の“芯”を作っていきます。
AIが教育現場に入るのは、決して悪いことではありません。むしろAIが得意な部分(分析・記録・最適化)を任せることで、教育現場では「人にしかできないこと」にもっと時間を使えるようになります。たとえば、一人ひとりの気持ちを受け止め、想像力を伸ばすような関わり方ができるようになります。AIと人間がそれぞれの強みを活かして協力し合えば、教育はもっと豊かで温かいものになるはずです。
AIの時代だからこそ、教育の価値は“人”の中にあります。知識を教える先生から、心を育てる先生へ。そんな新しい教育の形が、これからの時代を支えていくのだと思います。
さて、ここで問題です。私が書いた部分はどこからどこまででしょうか。恐ろしい時代になったものです。
