2009年5月20日 (水)

【第86回】新校舎嶋田 司 (数学)

 ゴールデンウィーク前後になると、今年3月卒業したばかりの生徒たちが学校に遊びにやってくる。今年の場合は、近況報告というよりも、新校舎の見学といったところか。

昨年度、彼らは新校舎の工事のため、狭い校舎での学校生活を送り、自分たちが卒業すると同時に新校舎ができあがるということで、事ある度に恨み節を聞かされた。実際に、可哀想な思いをさせたと思っている。

 新校舎を見学し、さぞや文句を言われると覚悟していたが、案外そうでもないようである。口では「新校舎いいなぁ」とは言うが、羨ましくてしかたがないという感じではない。高校生活は、校舎が新しいか古いかでなく、多くの友人と時間・場所を共有し、3年間ともに過ごしてきたこと自体が何よりも大切だということだろう。そう思うと、シンボル的な存在であった円筒校舎が取り壊されたことは、多くの卒業生の方が寂しい思いをされていると思うと同時に、第1学館にも多くの卒業生の思い出が詰まっていることを忘れず、大切にしていきたいと思う。

 さて、新校舎で高校生活を送る生徒諸君、新校舎を思い出深いものにするのは、君たち自身である。勉強・部活動に励み、様々な活動を通して、かけがえのない時間を多くの友人と過ごしてほしい。

2009年5月13日 (水)

【第85回】Not for today, but for tomorrow牛腸 尋史 (英語)

Viewimg0 朝6時20分、金沢駅では、登校する高校生たちの姿をたくさん見ることができる。その中には、もちろん遊学館高校の生徒もいる。バトントワリング部、サッカー部、女子バレーボール部など、運動部の生徒が電車を降りて自転車やバスで学校に向かおうとしている。

そして、6時44分に金沢駅を出発し幸町に向かうバスには、運動部員だけでなく、ゼロ限目(毎朝8時に始まる特別進学コースの授業)を受ける生徒も乗っている。生徒たちは、7時前には学校に到着し、それぞれの目標に向けた地道な努力に取りかかるのだ。

 6時50分、女子駅伝競走部はすでに学校周辺を走り、サッカー部の朝練習が始まっている。7時にはバトントワリング部と女子バレー部の生徒が部室の鍵をもらうために、職員室にやってくる。7時過ぎには男子卓球部の練習が始まり、女子卓球部が特別活動棟前を掃除する姿も見られる。この姿は、1年間、春夏秋冬を通して変わることはない。

 午後3時30分、終礼が終わると図書室と新しくできた進路指導室のガギを開けることが今年の4月から私の日課になった。平日は夜8時まで、土曜日は夕方5時まで開放して学習室として利用できるようにしている。終礼後すぐにやっている生徒もいれば、7限目や補習を終えて5時過ぎにやって来る生徒、そして部活動を終えて夜7時にやってくる生徒もいる。それぞれが自分の時間を工夫しながら勉強に取り組んでいる。そして、4月から現在まで、8時前に図書室の電気が消える日は1日もない。

 8時を過ぎても、卓球場からはカーテン越しに明かりがこぼれ、男子卓球部の生徒たちが練習する声がまだ聞こえている。部活動ではチャンピオンを目指し、勉強では進路実現を目標に、生徒たちはそれぞれが自分のステージで必死に戦っている。成果は、大会や受験で結果として示される日が必ずやってくる。しかし、その結果は時として、それぞれにとって不本意な時もあるはずだ。でも、彼らのひた向きな努力は、その先に続く人生の中で、きっと大きな財産となり、様々なかたちで成果となって活かされる場が必ずあると確信している。

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2009年4月29日 (水)

【第84回】 意義ある活動小坂 英洋 (情報)

 今年度から生徒会とインターアクトクラブ、応援部の顧問をしています。今回は、インターアクトクラブの活動について紹介したいと思います。

 インターアクトクラブは、高校3年間に在学中の生徒たちのために、地元のロータリークラブが発起後援している国際理解と社会奉仕を目標としたクラブです。我が遊学館高等学校インターアクトクラブは、昭和61年6月に金沢ロータリークラブによって提唱された、金沢市でも歴史のあるクラブです。

 先日、1年生の新入部員を迎え、新年度最初の活動として、犀川河川敷の清掃活動に出かけました。肌寒い風の吹く中、好天に恵まれ、楽しく活動できました。この活動で感じたことは、犀川までの街中にはほとんどゴミが落ちていないことでした。河川敷には川の流れに運ばれたゴミが多少あるものの、全体としてはきれいでした。

 生徒たちは熱心にゴミを拾い集め、ゴミ袋3つが1時間程度でいっぱいになりました。

 この活動は、天気の許す限り、毎週続けていこうと思っています。また、6月には金沢市の他のインターアクトクラブと共同で、クリーンキャンペーンを行い、金沢市中のゴミ拾いを行います。

 また、一昨年度には3月にオーストラリアへ国際交流研修に出かけ、現地のロータリークラブならびに高校生との交流を行いました。国際交流事業は、毎年行われている行事です。

 このように、遊学館高等学校インターアクトクラブは、地道ではありますが、活動を続けています。私もこの伝統あるインターアクトクラブの顧問として、生徒とともに活動を守り続けたいと思っています。

2009年4月22日 (水)

【第83回】外へ出よう。ボールを蹴ろう!K. R. (地歴・公民)

 皆さん。人間の神経発達、特に運動神経の発達はなんと6歳までに大人の約90%にまで達するということをご存知ですか?

 そして、6歳から10歳くらいの年代に様々な運動、走る・跳ぶ・転がる、そして蹴るこういった動きを経験することが子供の発達にものすごく重要だそうです。

 今年度から金城幼稚園で週1回「サッカー教室」を開催することになりました。園児がお友達と一緒になって大きな声を出しながらボールを蹴り、体を動かす中で、「体を動かすって楽しい!ボールを蹴るっておもしろい!パスがつながるって嬉しい!」と感じてもらえるようなひと時にしたいと考えています。

テーマは…
 (1)動き作り系(走る・跳ぶ・投げる・転がる・蹴る)
           で超一流の運動神経?を目指します(笑)
 (2)おにごっこ系(こどもたちの「遊び」の原点)
 (3)ボールフィーリング系(ボールは友達、当たっても痛くない、楽しく大きく)
 (4)ゲーム系(男の子はこれが楽しみかな?女の子も頑張って)

 この4つのテーマをベースに「楽しい・面白い・嬉しい」が目標です。
 金城幼稚園のお友達のみんな、お楽しみに!

2009年4月 8日 (水)

【第82回】君のハートに金メダルを尾谷 力 (地歴・公民)

 先日帰宅すると、五歳になる娘の様子がなんだかおかしい。いつもはわけもなくはしゃぐ子なのになんとなく元気がない。

 妻の顔を見て、「どうしたの、何かあったの?」と声に出すことなく聞いてみた。妻も私の言いたいことが分かったらしく、そっと「後でね」とのこと。

 しかし、その直後原因が分かりました。娘が『私、縄跳びきらい』と半分泣きそうな顔で話しかけてきたのです。

 娘:『○○君は14回も跳べる』
 私:『佳保(娘の名前)は何回跳んだの?』
 娘:『…』(また泣きそうな顔)
 妻:『また練習しようね』
 娘:『何回やってもできんもん。もうせん、絶対せん』(逆に怒った顔)
 私:『もう一回だけ、パパに見せて』
 娘:『エ~』(しぶしぶ縄跳びの準備を始める)

 その後、妻が説明してくれました。
 この間から幼稚園で縄跳びの練習が始まったこと。娘曰く、何回練習しても2回しかとべないこと。クラスのお友達は多い子では10回をこえて跳べ、○○ちゃん(うちの子の仲良し=ライバル?)も6回跳べること。跳んだ回数によって先生にシールを貼ってもらう競争をしていること(うちの子のシール1つ。つまりなんとか1回は跳べただけのシールしか持っていない)。

 娘は準備が終わって私達が見ているかどうかの確認もなく猛然と縄跳びを始めました。嫌だと言いながらやはり悔しいのでしょう。しかしその様子は「ドタバタ、ドタバタ」。
なんとか跳ぼうと頑張っているんだけど、素人の私が見てもちょっと回数を跳ぶのは難しい感じです。妻も困った様子で『どうしたらいい?ちょっと見てやって』と言っています。

 その日から、娘と私の特訓の日々が始まりました。

 数日後、『パパ、見て見て!』と娘が飛んできました。娘の胸には誇らしく先生お手製の金メダルがかかっています。裏側には114回と縄跳びを跳んだ回数と今日の日付が記されています。スタートの凹みが大きかった分喜びも大きいのでしょう。金メダルをいつまでも離しませんでした。

 私達両親としては、今回の経験をこれからの彼女の人生に活かしてほしいです。

 と親ばかはさておいて、

 今回もまた娘に教えられました。大切なことは諦めないこと。卒業生を送り出した後また新しい年度が始まります。

 今年は、授業も部活動も…。いや、今年こそは…かな。
 今年こそ、「やればできる」、そんな経験をクラスの生徒や部員達と共にしたいな。

 少しだけ暖かくなった三月の風に吹かれながらそんなことを考えたある日のことでした。