2009年6月24日 (水)

【第91回】第12回体育祭競技の部 赤団優勝!!中川 都 (国語)

Viewimg1_2  6月17日に行われた第12回体育祭で私が担任をする3年7組と1年7組からなる赤団が競技の部優勝という大きな賞を取りました。12回体育祭を経験しましたが、私自身優勝は初めてのことでした。「何か一つでも賞が取れればいいね」と、体育祭に向かって動き出したとき、生徒たちと話しましたが、まさか優勝するとは思ってもいませんでした。

本校の体育祭は縦割りで3年生のクラスの数だけ団ができ、今年は10団になりました。2年生が9クラスなことから、一つの団が2年生のいない1・3年2クラスの団となり、それが赤団で、2年生の出場枠を1・3年生でカバーしなければならず、不利だなと思っていました。応援合戦の応援練習を始めても、1年生は初めてのことであり、全体の盛り上がりには今ひとつ欠け、2年生のいない穴は大きいと感じました。

 体育祭当日100m競争予選から競技がスタート。赤団1年女子がトップではいってきました。男子予選3年生の2人が本選に残りました。その後の競技、借り人競争や三人四脚といったところでも、3年生は息のあったところを見せてくれ、なかなか健闘していました。

 でも、午前の部のハイライトの綱引き、1年生も一緒になって円陣を組み、勇ましく出て行ったはいいが、あっという間にオレンジ団に負けてしまい、一気にテンションが下がってしまい、私も「これは競技の部では入賞はないな。午後からの応援合戦でみんな楽しくできればいい」ぐらいで、午前の部を終わりました。

 午後のプログラム一番の応援合戦。赤団も健闘していましたが、他の団もよく工夫され見せ場も上手でした。その中で黄団の団結力、構成・パフォーマンスは素晴らしく、文句なしの第1位でした。

 そして、午後の部のハイライト、団対抗リレーが始まりました。1年女子からのスタート、速い。順調にバトンをつなげ、結果は第1位!次は男子、生徒たちが口々に男子も1位と言っていましたが、「そんなに欲張らんと」と言っていたのが、まさかの男子もトップでゴールに入ってきて、団対抗リレーは男女1位という快挙!男女合わせて12人のメンバーの力走は素晴らしく、懸命に走る姿、真剣な顔つき、走り終わった後の泣き顔、そのどれもが印象的で、感動しました。

 優勝の原動力となったのは、この団対抗リレーによるところが大きかったのですが、他にも優勝につながること、心に残るシーンがいくつもありました。100m競争予選の走者。3年男子100m本選での真剣勝負。1年女子も100m本選で優勝。三人四脚で息のあった走りであっという間にゴールに入ったり、反対に気持ちが焦るばかりに転倒したり、などなど。一人一人が自分の参加する競技に、精一杯取り組んだことが、優勝につながり、名シーンとして心に残りました。

 勝つことだけにこだわる体育祭なら意味がありませんが、団で協力し合う姿、1年生をリードする3年生の姿、競技に力いっぱい取り組む姿、そういう姿が見られ、今年の体育祭は私の中で素敵な思い出になりました。

 みんなありがとう。
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2009年6月17日 (水)

【第90回】「保健室からの風景」と「在校生の力」寺山 いずみ (養護)

 新校舎も完成し、怒涛の4月・5月が過ぎました。

 昨年は、教室確保のため、保健室は円筒3階の狭い場所に移動し、多々不便ではありました。が…中庭に面した窓からの風景はなかなか良いものでした。季節ごとの花々を見下ろし、第一学館の1階から4階の廊下が一望できました。生徒や先生、職員の方の動きがよく見え、第一学館全体を制覇した気分になれる風景でした。

 今年、保健室は第一学館に戻りました。場所は変わり、トイレの横で手洗い場もあり、とても便利のよい場所です。ただ、4月、保健室の引越しは、なかなか進まず、荷物の移動は4月8日の入学式の後でした。

野球部・バトン部・バスケット部の生徒たちが荷物を円筒3階から1階を通り、第一学館2階の保健室まで運んでくれました。重たいベッドや書籍を力強く運ぶ男子生徒、「これは、何処に置きますか?」「この部品は、ここに入れておきました」と細かい心配りをしてくれる女子生徒。

生徒たちの手際のよい作業で、荷物移動は終了。本当に助かりました。ありがとう。ダンボール箱に囲まれ新学期スタートです。検診をしながら、保健室の片付けもします。目の回る忙しい毎日…。

 そんな4月のある土曜日に「先生、何か手伝いますか?部活紹介まで時間があるので」と、一人の体の大きな男子生徒…。ひたすら、荷物と格闘していた私に神様からの贈り物です。山になっていた空のダンボールをまとめて、何回も往復し捨ててくれました。
ダンボールが片付いてうれしいのはもちろん、思いがけないやさしさに感動し励まされ、無事に4月を乗り越えました。ありがとう。

 そして今、保健室の廊下越しの窓からは、円筒校舎はなくなり、駐輪場になる途中です。県工とその向こうの緑が見えます。去年、一年間円筒校舎で過ごしたので、思い出がいっぱいでき、もう、寂しくはありません。

 おかげさまで、保健室は心地よい空間になりました。
やさしく、力持ちの生徒たちに感謝します。ありがとう。

2009年6月10日 (水)

【第89回】急ぐべからず。及ばざるは過ぎたるより勝れり。竹田 剛 (理科)

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研修旅行で行きました。どこのお城でしょうか?

 世は今、ゲームソフトの影響もあって、戦国武将ブームだそうです。かく言う私の小4の息子も、こと戦国時代の武将や出来事に関しては、もうすでに親の知識量を超え、マニアかと思うくらい非常に詳しくなっています。

 NHKの大河ドラマでいえば、「天地人」の直江兼続、上杉謙信、「風林火山」の武田信玄、山本勘助、「独眼竜政宗」の伊達政宗、片倉小十郎、「真田太平記」の真田昌幸・幸村親子、その他、毛利元就、北条氏康、織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、前田利家、石田三成、徳川家康など、枚挙にいとまがありません。そして、多くの戦国武将たちがその生き様を通して、我々に“人生とは”、“歴史とは”といった教訓を与えてくれています。

 私は、これら多くの武将たちが残した言葉の中でも、徳川家康の遺訓とされる、「人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし、心に望み起らば困窮したるときを思い出すべし。堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え、勝つことばかり知りて、負けることを知らざれば、害その身に至る。己を責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるより勝れり。」という言葉が好きです。現代を生きていく上で非常に示唆に富んだ言葉だと考えているからです。

 人とは、幾つになっても完成されるということがない生き物のようです。故に、完成された人間を目指し、日々努力していくのが人間の務めだと思います。

 生徒諸君は、今、「勉強」、「勉強」と大変かもわかりませんが、この世に生を受けた以上、誰もが幾つになっても勉強していかなければならないものなのです。その中で、困難に打ち勝ったときに達成感を味わったり、自分なりの楽しみや安らぎを見つけていくことが人生だと思います。

2009年6月 3日 (水)

【第88回】親になって思うことS. Y. (理科)

 先月、待望の第1子が誕生した。
 その日は里帰り出産に立ち会うため、前日の夜に石川県を出発し、7時間以上かけて車で向かった。朝7時に着き、産声をあげたのが8時40分。「おめでとうございます、元気な男の子です」と助産師の方が声をかけてくる。

 そんな風に想像していたのだが、
現実にはなかなか産声をあげず、分娩室の前でただただ不安だけが募る。数十分して分娩室から出てきた我が子を一目見せられると、すぐに保育器の中へ入ってしまった。病院の先生からは「少し呼吸しづらいようなので保育器に入れて様子を見ます」と言われ、妻に会うため分娩室の中に入ると泣きながら「保育器の中に入ってしまった、ごめん」

 大きな不安に押しつぶされそうになりながら、
一番不安な思いをしている妻には平静を装って「ちょっと呼吸しにくいだけだろ、大丈夫」と強がったものの、どうなるのだろうというのが本音だった。

 このとき遊学館の生徒の顔が浮かんだ。彼らは16年、17年、18年と周囲の人たちに見守られ、自分たちで危険を回避しながらその命を今日まで繋げてきた。そして、勉強や部活動に自分の人生の時間を費やしている。

 中には秀でた才能で素晴らしい成績を残す生徒も遊学館にはたくさんいることだろう。
また、結果を残せずに悔しい思いをする生徒もたくさんいることだろう。しかし、普段多くの時間を共にしているそんな身近な生徒たちが、急に私には羨ましく思えた。自分の息子もうち(遊学館)の生徒のようになってほしいと純粋にそう思ったのである。

 親の願いや期待は子供たちが成長すればするほど、大きく重く本人たちにのしかかる。
しかし、何かあったら最後には「生きててくれてよかった」と親は思う。

  遊学館の生徒たちへ
    せっかく生きているなら人生を一生懸命歩んでほしい。
    せっかく遊学館で高校生活を送っているなら、
    勉強にも部活動にも全力を出してほしい。
    もうすぐ総体・総文が始まる…
    せっかく出場するのなら、勝ってこい!遊学館!

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2009年5月27日 (水)

【第87回】前に進むための満足S. J. (地歴・公民)

 先日、テレビ番組を見ていたら、イチロー選手が次のような発言をしていました。

「何か課題や目標を定めて、達成したら大いに満足をするべき。そうでないと人間は気持ちがもたない。満足するのも自己評価。僕はむしろ満足人間です。満足の先には必ず次の満足に向かう課題が現れるもの。その時は、また全力でそれを目指せばいい。

 イチロー選手といえば、すばらしい結果を出しても決して満足しない人という印象が強かったので、意外でした。でも、彼もやっぱり人間。自分で自分のことをほめてあげてたんだなぁ、と思いました。そういえば、最近よくテレビに出ている脳を研究している博士も、

「できないことができるようになったとか、知識を得て疑問が解消したとか、どんな小さなことでもいいから喜びを感じる経験を積み重ねることが脳を活性化させる。

と言っていました。ただ、2人の発言で重要なのは、あくまでも

「次に進むために満足する。」

ということ。満足したところで、立ち止まっていては意味がないのです。
イチロー選手は次のようにも言っていました。

「自分の信じるやり方を貫くには、自己評価が一番厳しくなければならない。自分の可能性を広げるには、自分で自分を高いレベルで妥協なく教育するしかない。

博士も言っています。

「やる前は無理かもしれないと思っていたけれど、やったらできた」という意外性ほど、脳を活性化させるものはない。」

そう、最初は簡単なことでもいいから自分をほめてあげる。でも、超えるべきハードルが低すぎても、脳は喜びません。次に超えるべきハードルを高くしていくことが、大きなゴールにつながっているのです。

そのために必要なのが、師の力です。授業なら教科担任、部活動なら顧問の先生方の話をしっかりと聞いて理解する。ハードルを超えるための技術をしっかりと伝授してもらうことです。勉強もスポーツも上手になることが楽しむ第一条件。あるスポーツ選手が言っていました。

「遊びも、勉強も、スポーツも、仕事も、真剣にやるから面白い。小さいころ、鬼ごっこに夢中になったでしょ。あれは絶対に鬼になりたくないって真剣にやってたから。そこから、よけ方やつかまらない逃げ方を学んでいく。真剣にやるから上手くなる。上手くなるから面白い。何事も楽しみたかったら上手になればいい。

日々の授業で、できないと思っていた問題が解けた、ノートをしっかりととれた、恥ずかしがらずに質問できたなど、まずは小さなことでもいいから、脳を喜ばせてあげましょう。部活動では、昨日できなかった技が出来たとき、昨日5点しか取れなかった相手に6点取れたとき(たった1点と言わずに!)、仲間とともに気持ちの入った練習が出来たとき、自分をほめてあげればいい。そして、先生がたのアドバイスを聞いて、勉強も、スポーツも、芸術も、清掃も上手な方法を学んでいく。

 そして、次の日また、昨日の自分を越えたときに満足し、次の課題を見つける。あるいは、師が超えるべき課題を与えてくれるでしょう。そうやって自分を高めていき、2年後の自分の可能性を広めていって欲しいと思います。