2007年11月 7日 (水)

【第13回】北の都に秋たけて竹田 剛 (理科)

 先月25日・26日の両日にわたり、金沢市において「特色ある私学教育の創造」を研究目標に第55回全国私学教育研究集会石川大会が盛大に開催されました。

初日には、お茶の水女子大学理学部教授の藤原正彦先生より「国家の品格」と題して、記念講演が行われました。先生の著書「国家の品格」をお読みになった方も多いと思いますが、私にとって今回の講演は非常に興味深いものでした。

先生は独特の口調で、これからの日本のあり方や進むべき道を熱く語られ、著書を読ませていただいたときと同様、もやもやと心の中に思っていたことをスパッと的確に表現され、非常に爽快感が湧きました。

 昨今、教育界では「いじめ」や「規範意識の低下」などの問題が深刻化していますが、そういう点でも、藤原先生が指摘されるとおり、古来より日本人がもっていた「武士道精神」すなわち「卑怯を嫌う心や廉恥、惻隠の情」に、第一の判断基準を置くことが最も大切なように思えます。

 遊学館高校は、伝統を重んじ古いものを大切に扱う学校です。
また、挨拶などの礼儀作法ができる人間の育成を重要視する学校です。
藤原先生のお話を伺いながら、本校の教育方針である「教師と生徒がともに生活する中で、
教師の人格を生徒に伝え、教師と生徒が一体となり、高い人格と深い情操を陶冶すること」
に改めて誇りと自信を深めたのでした。
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円筒形校舎より医王山を望む

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遊学庭より見上げる円筒形校舎と榎

2007年10月31日 (水)

【第12回】道端S. Y. (理科)

 最近の出来事で、あなたが一番感動したことはなんですか?
と聞かれたら、皆さんは何と答えるでしょうか。

 一生に一度しか見ることのできない彗星を見たことと答える人、先週見た映画で泣いたと答える人、見知らぬ人に大変親切にしてもらってうれしかったと答える人、テレビで見た動物の出産シーンや昨日の夕焼け空と答える人、さまざまな答えが出てくると思います。

 実は、これはある大手企業の採用試験の面接時に問いかけられた質問だそうです。この質問には完璧な答えなどありませんが、質問の意図は日常生活の中でどれだけ平凡なことに感動を見い出せるかというものです。つまりその人の感受性の豊かさを測ろうとした質問だったわけです。

 『毎日通る道の脇に、いつもはなかったはずの小さくてきれいな花が今日は咲いていた。なんでもない日々の生活の中でありふれた風景にふと心を動かされる。』

 そのような物の見方や考え方が他人の長所を誰よりも多く見つけさせ、みんなが気付かないようなところに注目し、大ヒット商品を考案することに繋がっていくのだそうです。後者の大ヒット商品の考案は飛躍しすぎかもしれませんが、前者の他人の長所を誰よりも多く見つけるということは、社会において人間関係を円滑にする最良の方法です。

 『何となくムカつく』・『ウザい』という言葉をよく耳にします。人を嫌うことは簡単ですが、誰に対しても好意的に思うということは難しいことです。特に人口密度が高まり、対人トラブルが多くなった昨今ではなおのことです。そんな時こそ、安易に人を嫌うのではなく、自分だけが知っているその人の良い所を見つけることによって、気持ち良い日々が送れるのだと思います。

 遊学館にもいろんな分野で頑張って自分の長所を伸ばしている生徒や、目立たないことかもしれませんが良い心掛けを持ち、実践している生徒がたくさんいます。それが時には誰にも気付かれずに卒業を迎えることもあります。しかし、先生達は必ず見ています。だから、君たち生徒と向き合っていけるのです。遊学館の良さは、生徒一人一人の美点を見つけようとする先生方がたくさんいるということ、そして多くの生徒が自分自身の良さを見つけようと頑張っているところだと思います。

 皆さんもまずは明日、通い慣れた道(周囲の人)を見渡してみてください。あなたにも小さな花(自分にしか見えない、他人の良い所)が見えてくるかもしれません。

2007年10月24日 (水)

【第11回】再会S. J. (地歴・公民)

 私立学校の良いところの1つに、基本的には先生方の転勤がないところがあげられます。ですから、卒業して何年たってからでも遊学館に来れば、高校時代に教わった先生方と再び逢うことができるのです。高校生の気持ちに戻って恩師と語り合うことができるのです。

 今年度も多くの卒業生が、職員室に遊びに来てくれています。

大学へ進学して垢ぬけた人
就職して大人っぽくなった人
赤ちゃんをつれてきてびっくりさせる人

 そして、多くの卒業生が、「高校時代はめちゃくちゃ楽しかった。」「遊学館でよかった。」などと言ってくれます。

 しかし、もっと嬉しいのは、「先生に相談して選んだ、今の大学を選んで良かったです。」「就職して、資格取得に向けて頑張っています。」「子育て大変やけど、しっかりやっとるわ。」などと、「今」を充実させて生きている言葉を聞いたときに大きな喜びを感じます。

 さらに、「あのとき先生に言われたこと、高校時代にはわからなかったけど、働くようになってから、親になってからすごくわかるようになりました。」などといわれたときには、教師という職業は、学生時代だけではなく、一人の人間の未来にも大きく関わっていることを実感します。

 遊学館には、生徒からの様々な相談に、親身になって聞いてくださる先生方が多くいらっしゃいます。ですから、多くの卒業生がうれしかったこと、悲しかったこと、いろいろなことを職員室に報告しに来るのだと思います。

 中学生のみなさんも、最高の進路を選択できるよう頑張ってください。そこには、新しい友人や先生との素晴らしい出会いが待っていると思います。できれば、それが遊学館であることを願っています。

2007年10月17日 (水)

【第10回】「鈍感力」?嶋田 司 (数学)

私が小学5年生だった頃(28年前?!)の算数の問題です。

【問題】
 校庭の砂場の半分を6年生が使い、残りの1/3を5年生が使います。
 5年生が使う砂場は全体の何分のいくつでしょう。
 (答え)1/2 × 1/3 = 1/6

 私は最後まで分らず、放課後も残されましたが、やっぱり分らず。
先生の説明を聞いても、なぜ掛けるのか、まったく理解できませんでした。
結局、この疑問が解決できたのは、高校生になってからです。
分数の掛け算の意味が分らなくても、なんとかなるものです。

 理解できないことでも、時間がたって分かるようになることはよくあることです。1つのつまずきで、嫌いになってしまうのはもったいない! 
 遊学館の中には、分らないということに過敏になり過ぎて、数学を避けてしまっている生徒がいます。中学校時代、数学が分らなくても、そのことはとりあえず横に置いて、勉強を続けよう。そうすれば、中学校の数学も含めて分かる日がきっと来るはず。

2007年10月10日 (水)

【第9回】喜怒哀楽植木 大 (保健体育)

 男子卓球部の監督になって、早12年です。

今年のインターハイ(全国高校総体)も終わりました。
準々決勝で優勝した青森山田高校と対戦し3-2で負けてしまい5位でした。
国民体育大会でも、青森県に負けてしまい3位でした。
負けはしましたが、生徒達の頑張りに感動しました。

 同時に「何で勝たせてあげられないのだろう」と涙しました。
日々、反省の毎日です。

 私は試合の緊張感が大好きです。
生徒と共に感じる空気は言葉では表せません。
写真は一番好きな瞬間です。ゴリラと間違わないでください(笑)

遊学館には、生徒と一緒になって喜怒哀楽を共にする先生方が沢山います。
例えばコブクロの歌詞にある「共に歩き、共に探し、共に笑い、~(後略)」
…そんな先生・仲間が沢山います。

 遊学館で一緒に喜怒哀楽を楽しみませんか?
 色々な日々を描いて見ませんか?

 今は新メンバーと来年の夏へ向け、汗を流しています。

来年はどんな夏になるのでしょう?
一番高い表彰台に立っているのでしょうか?

そんな事を描きながら、これからも喜怒哀楽の激しい監督でいたいと思います。

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一番好きな瞬間  <「月刊 卓球王国」より提供>Viewimg_15
インターハイで活躍する選手  <「月刊 卓球王国」より提供>