2008年12月24日 (水)

【第69回】誇りM. M. (英語)

 先日、金城大学コースに在籍する1年生と福祉コース・美術コースに在籍する2年生対象の金城大学交流授業の引率をした時のことである。

 生徒は、福祉、幼児教養、ビジネス、美術など、それぞれの希望する分野における講義や実習を体験した。私も各活動の様子を順に見学して回った。

 美術学科の教室に入ると、生徒たちは先生のお話を聞き、鉛筆デッサンを始めるとこだった。たくさんの画材や作品が置かれた広い教室では、数人の学生たちが、作品制作にとりかかっていた。その時、ふとひとりの男子学生と目が合った。3年前に本校美術コースから金城大学短期大学部美術学科に入学した卒業生であった。彼が高校2年のときに担任をしていたということもあり、思いもよらぬ再会にとても懐かしさを感じ、話に花が咲いた。

 彼は現在、研究生として3年目の学生生活を営んでいる。彼との会話の中で、遊学館高校美術コースの卒業生でOB会を発足し、いつか作品展を開きたいという思いを語ってくれた。というのも、美術コースという名称のコースは、現3年生と2年生で終わるのだ。しかし、彼は美術コースに在籍していたことにとても誇りを持っており、現在の2年生が卒業したあと、すなわち最後の美術コースの生徒が卒業したら、いよいよこのプロジェクトを実行したいと話している。

 卒業生のこんなにも熱い想いを知り、ほんとうにたのもしく、そして嬉しく感じた。実現する日がとても楽しみだ。

 今年度、私は3年生福祉コース・美術コースの混合クラスの担任をしている。昨日2学期終業式を終え、冬期休暇初日の今日も、美術コースの2人が登校し、2月の卒展に向けての作品制作に励んでいる。彼女たちの背中を見ながら、卒業してからも先輩たちのように、いつも誇りと夢を持って自分のやりたいことに全力で取り組む人でいてほしい、そう思った。

2008年12月10日 (水)

【第67回】挑戦M. Y. (保健体育)

 本校の男子駅伝競走部は、昨年4月に創部され厳しい県予選を勝ち抜き、創部1年目で、全国高校駅伝大会に出場することができた。

創部2年目の今年、昨年の力のあった3年生が卒業し、非常に厳しい戦いが予想されましたが、春のトラックシーズンから予想していた以上に、苦戦をしてきた。県高校総体で入賞し、北信越大会に出場したのはわずかに3名という厳しい結果だった。

春のトラックシーズンが終わり、いよいよ駅伝に向けての練習が始まり、夏の厳しい練習を乗り越え春に比べると見違えるような力をつけてくれた。

そして、ついに全国高等学校駅伝競走大会石川県予選が行われる、11月2日がやってきた。出場メンバーは、3年生3名、2年生1名、1年生3名という下級生主体のオーダー、しかも、1区、2区が1年生というオーダー、レースの前半で流れを作ることができず、常に前を追っていくという、厳しい展開だったが、最後まであきらめず走ってくれた。結果は46秒差の2位、2年連続全国高校駅伝出場という目標は、達成できなかった。

この瞬間から、来年へ向けての挑戦が始まっている。今まで以上に厳しい練習を乗り越え、来年こそは、やってやるという強い気持ちを持って来年は挑戦者として勝負を挑んでいきたい。

そして、応援して下さる方々のためにも、もう一度、京都という舞台にもどってきたいと思う。

2008年11月26日 (水)

【第65回】寒い時期でも本 茂通 (地歴・公民、福祉)

11月19日 窓の外 秋の穏やかな季節が冬の装いに一変
生徒は寒そうに登校している

寒さを急に感じるようになり これからは登校するにも大変になってくる
そんな寒さの中でも 生徒の心はあつい

そう感じるのは
今は個人面談週間で 今後の進路や学習状況を中心に 担任と面談をしている
私が担当している学年は 第2学年
まだまだ自分の進路が見えていない生徒がいると言われがちな時期だが
私はそうは感じない
一人一人いろいろなことを考え行動し 今の自分と比べる
そんな生徒が多いと感じるからだ

面談をしていると 生徒の思いが また自分の心を動かす
何が良いのか 何をしなければいけないのか 生徒にとって自分はどうあるべきか
を また見つめなおす

第3学年では自分の目標を達成するようにまた生徒は頑張っていく
そんな生徒を見守っていけることは とてもうれしい

寒い時期にはなっても 生徒の思いは“あつい”
そう感じた今週だった

2008年11月19日 (水)

【第64回】日々思うこと村野 元孝 (芸術)

 なにげない話ですが、日々思ったことを書きます。

 「お勝手」という場所があります。これは皆さんが良く知っている台所のことです。私の家もそうですが、最近は、お勝手だけが独立して存在する家が少なくなりました。田舎の実家もつい先日お勝手をリフォームしました。いままではプロパンガスで煮炊きをしていましたが、コンロもIHに置き換え、壁掛けのテレビをつけ内装も白い壁にして明るくなりました。父が年をとり、足も少し不自由になったため、今まで食事していた場所もたたみに座ることをせず、イスとテーブルにもなりました。ずいぶんと近代化されたような気がします。

この「お勝手」を私は母が動きやすいからそう呼ばれていると思っていましたが、語源を探ると弓道からこの呼び名がきているそうです。弓の世界では左手を押し手、右手を勝手と呼んでいるそうです。押し手は弓をしっかり支える手、勝手は比較的自由に使う事が出来る手という意味だそうです。

昔は女性が家の中で小さくなっていた時代だったので、女性が自由に使える意味で「お勝手」と呼ぶようになったそうですが、実家の母は家にじっとしていません。きれいになった台所から飛び出して、お花のお稽古と大正琴の演奏会、お琴の演奏会や旅行と忙しく動いています。

うちの奥さんもその通りです。保育の仕事や独立した娘のところや息子のところに忙しく動き回っています。

学校の生徒も同様です。部活(吹奏楽部)の生徒は女子だけですが彼女達もそうです。今まで問題を投げかけてもなかなか腰があがりませんでしたが、最近は自分達で話し合い、皆で行動して解決しています。頼もしい限りです。

私の家の台所はリビングの横に少しだけあります。それでいいわけですね。

2008年11月12日 (水)

【第63回】雁(がん)の群れの秘密向江 大輔 (地歴・公民)

雁という鳥を知っていますか?

雁の大きさは、鴨(かも)より大きく白鳥(はくちょう)よりも小さく
現在では、日本で急速な減少から保護鳥の対象となり北海道の宮島沼や
宮城県の伊豆沼などに渡り鳥として飛来するそうです。

その雁たちは“群れ”をなして飛んでいくのですが、
なんと雁たちは、その“群れ”をなすことによって

一羽で飛ぶよりも、7割も遠くまで飛んでいけるんだそうです。

前の雁が飛び立つと、後ろの雁のために上昇気流を
作り出し、後ろの雁たちが楽に飛ぶことができます。

その群れから外れそうになっても、一羽で飛ぶと抵抗が大きく体力が
すぐに消耗してしまうので、すぐに群れに戻ってきます。

後ろの雁は、ガーガー鳴いて前の雁を励まし、
先頭の雁は、疲れると最後尾に回って別の雁と交代します。

群れの一羽が、ケガや病気で脱落すると二羽の雁が
その一羽を助けるために付き添って地上に降りてきます。
この二羽は、脱落した雁が回復するか死ぬまで一緒にいて

その後の新しい群れに加わるか、独自の群れを作って、
元の群れに追いついていきます。

…すごいね。雁って。

仲間同士“助け合って”飛ぶことによって“大きな力”
を作り出し、一羽では考えられないくらい遠くまで
飛ぶことができるんです。

人間と同じで、

同じ志を持ち、同じ目標に向かって一緒に進む人が
いると、“信じられない”くらいの“パワー”を発揮
することができるんです。

“1+1”が“5”にも“10”にもなるんです。
雁って『チーム一雁(丸)』(笑)の大切さを知っているんですね。

そして、この雁の群れは、ある型の編隊を組んで飛ぶんですが、

その編隊とは  
(ここからは、まず深呼吸をして、すこ~しずつ、ゆ~っくり下に進んでください)








その編隊とは…













なんと、
『V字型編隊』だそうです。

しかも勝利の『V』ですよ。



雁って、『チーム一丸』が勝利の『V』に

つながることも知っているんですね。


というわけで、遊学館の生徒諸君、雁を見習って勝利の『V』をつかもう!!
(ちなみに、女子駅伝競走部は11月2日に行われた全国高等学校駅伝競走
石川県予選で『V』をつかみました。おめでとう!!)