2016年5月26日 (木)

【第427回】 新M. M. (英語)

年度が始まり、はや2ヶ月が過ぎようとしている。
入生にとっては、しい環境での学校生活や、起床時刻、通学方法、帰宅時間など生活面でも様々な変化があるが、もう慣れてきただろうか。
1年生を見ていると、お互いに出身中学を尋ね合ったり、いっしょにお弁当を食べたりと、クラスや部活動のしい仲間たちとずいぶん打ち解けている様子だ。
また1年生と接していると、小・中学校やご家庭での良い習慣が身についていると感心することがいくつも見られる。
授業中に配付物を渡すと必ず「ありがとうございます」と軽く頭を下げて受け取る、集めたノートを返却しようとすると「手伝います!」と2,3人がすすんで出てくる、授業が終わると「ノートのとり方はこれでいいですか?」と確認にくる、休み時間に当番生徒が黒板を消しているとその友だちが反対側から黒板消しを手伝う...すてきな光景だ。
1年生には、これまでの良い生活習慣・学習習慣を保ちつつ、この高校3年間で先生や先輩、仲間、家族から多くを学び、さらにしい習慣を身につけてほしい。
ところで、現在1学期中間考査の真っ最中である。
1年生からは、初めての試験に緊張しつつも、目標点数を決めたり、学習方法を尋ねてきたりと意気込みが感じられた。
私は採点用のしい赤ペンを準備し、期待しながらみんなの答案を待っているところだ。
がんばれ遊学1年生!

2016年5月19日 (木)

【第426回】 教育実習M. Y. (保健体育)

 6月6日(月)から2~4週間にわたって本校でも教育実習が6名の学生によって行われる。教育実習とは、教員になるための免許状を取得するために必要な実習のことである。私自身も20数年前、母校で教育実習を受けて教員に対する思いをより強めることとなった。

 今回の実習に私が顧問をしている男子駅伝競走部の卒業生が来ることになった。彼は、金沢市の出身で中学校時代は決して県のトップクラスの選手ではなかった。1年生の頃は練習も十分にこなせなかったし、寝坊で朝練習に遅刻してくることも多かった。しかし、誰よりも自分が強くなりたいという気持ちを持っていた生徒であった。その後、力をつけエースとして、また主将としてチームを引っ張り、全国高校駅伝にも出場させてくれた。
さらに大学に進学し、1年生で箱根駅伝の山下り6区を走り、チームに貢献してくれた。箱根駅伝を1年生で走るということは非常に難しく、これは来年、再来年と走ってくれるという期待を抱かせてくれた。しかし、この2年間は怪我で走る事ができずに苦しい思いをする結果となった。それでもどんなに苦しくても諦めることなく厳しいリハビリを耐えてきた。この走れなかった2年間は彼を成長させてくれたに違いない。

 そんな彼が教育実習に来るのは本当に楽しみである。先日の打ち合わせの際も職員室で多くの先生方に声をかけてもらっていた。実習中は大学で学んだことを本校の生徒、そして駅伝競走部の後輩たちにもぜひ伝えてもらいたいと思っている。

280519

2016年5月12日 (木)

【第425回】 5月10日本 茂通 (地歴・公民、福祉)

今日は遠足の予定・・・でも雨模様
この日の遠足は中止となった
この日に向けていろいろと準備をしてきたはずだが
なかなか思い通りにはならないものだ

・・・思い通りにはならない・・・

どれだけ準備をしても思い通りにならないことは
人生にはたくさんある
私も思い返してみると
思い通りになっていないことのほうが多いかもしれない

19日からは中間考査が行われる
1年生は高校生になって初めての定期考査
しっかりと準備をして
思い通りの結果を出せる生徒はどれだけいるだろうか
私だけかもしれないが
今からとっても楽しみだ

 

自身を見ると
「四十にして惑わず」というが、
思い通りにはいかずこの言葉のようにはなっていない
これが現実・・・

2016年5月 5日 (木)

【第424回】 勝負の不思議向江 大輔 (地歴・公民)

 現在高校野球では、第134回北信越地区高等学校野球石川県大会が開催されている。そして約2ヵ月後には第98回全国高等学校野球選手権石川大会が開催される。いわゆる夏の甲子園をかけた熱い戦いが繰り広げられることとなる。毎年感じることであるが、夏まで「あっというま」である。

 『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』という言葉がある。

 勝つ時というのは、例えばいい当たりではなくてもヒットになったり大事なところで相手がエラーをしてくれたりと、なぜか不思議についてる現象が起こり勝つという試合がある。

 逆に負ける時というのはヒット性のいい当たりを打つが野手の正面でアウトになったり、ミスをして欲しい場面で相手にきっちりと仕事をされて負ける。
 まさに負けるべくして負ける。そして、どうしても負けられない大事な試合であればあるほど、この傾向が強くでてくる。

 では、この差は何なのか?

 それは『普段』である。

 いつもの練習でもグラウンド以外のところでも、普段やっていることが一番大事なときに出る。自分の言動や姿勢が『不思議な勝ち』に繫がる言動かどうか。

 今から夏まで「あっというま」である。「あれをやってたから勝てたんだな。あれをしといて良かったな。」と後で振り返れることを積み重ね、まずは『連覇』そして、その先の『日本一』を全員の力で達成したい。

2016年4月28日 (木)

【第423回】 愛してるぜ、遊学!Mi. Y. (英語)

 「愛してるぜ、遊学!」これはサッカーの試合中に、その試合には選手として出場が叶わなかった部員たちが、ピッチで戦っている仲間の選手たちに向かって歌う応援歌の一節です。今回、私はこの言葉、「愛している」について話したいと思います。私は以下の話を、生徒たちとりわけ年度初めの新しい生徒たちに対して話すことがあります。日本語・英語・フランス語の共通点や相違点に目を向けさせ、言語学に対する興味を持ってもらいたいからです。
 はじめに、上記3ヶ国語(日・英・仏語)でほぼ同じ内容(言語学の用語で所記)を表している表現(言語学の用語で能記)を見てください。

 日本語   : 私はマリーを愛しています。   S+O+V
 英語    : I love Mary.           S+V+O
 フランス語 : J’aime Marie.          S+V +O

 右側に示した文の3要素から、2つのことがわかります。まず3ヶ国語とも主語(S)が文頭に在るという共通点です。次に目的語(O)と動詞(V)の関係が日本語と他の2ヶ国語では異なるという相違点です。この相違点については私の英語の授業でもよく強調するところです。大部分の生徒たちは、何もあらためて言われることでもない、と言いたげな表情をして聞いています。
 さて次に、前述の3つの文中の固有名詞を代名詞に置き換えてみましょう。

 日本語   : 私は彼女を愛しています。   S+O+V
 英語    : I love her.           S+V+O
 フランス語 : Je l’aime.           S+O +V
   ここでl’ は女性名詞 Marie を受ける女性代名詞の目的格 la が、次に続く動詞 aime が母音で始まっているためla の a が省略されたものです。

 右側の文の3要素の関係から興味深いことが明らかになります。固有名詞での場合とは違って日本語とフランス語ではOとVの前後関係が一致しているのです。すなわちこの2つの言語では目的語の代名詞は動詞の前に置かれるのです。一方英語においては3つの要素の文中での位置関係を見ると、固有名詞の場合と同様に目的語の代名詞は動詞の後に置かれます。
 以上の点から文の構造と言う点においては3ヶ国語の中で英語が最も安定していると言えるでしょう。フランス語では固有名詞と代名詞では動詞との位置関係が異なるという複雑さがある点で、特にフランス語の学習では難しい障害になります。
 ところでこの小文の表題です。「愛してるぜ、遊学!」ですが、ここには主語は表現されていません。しかも目的語(=遊学)は動詞の後に置かれています。つまり文の3要素であらわすとすれば、 ゼロ+V+O となります。これらは私がここまで述べてきたことと全く矛盾しています。そしてこのように規則性の無いこと、あるいはあってもごく限られていることが日本語の最大の特徴と言えます。日本語は通常、助詞の助けが無ければ正しい情報を伝達することは困難です。日本人が英語を勉強する際には英語の規則性を理解しなければいつまでたっても「猿まね英語」しか身に付かないだろうと考えられます。
 私は英語を教える者として、「これは試験に出るから覚えなさい。」と言って生徒に丸暗記させるようなことはしたくありません。理論的に正しい英文を組み立てられる力を付けて欲しいと考えています。現実にはなかなか難しくて苦労の連続ですが、生徒たちがやがてはわかってくれるだろうと信じています。