2019年1月31日 (木)

【第564回】 It’s a Small World After Allマーク ヒーギス (英語)

“It’s a small world”. This is a very common phrase in America and even in Japan. For me, I think it means that even though the world is very big, wherever we go, there are similar experiences that we can share. I have lived in Japan for six and a half years now and I have seen many beautiful places. Although my hometown is 11,000 kilometers away, I feel that because of the similarities we all share, wherever I go, I am never really far from home.

One of my hobbies is to travel. I have a dream to visit all 47 prefectures. So far, I have visited 39. This winter vacation, I decided to travel to Okinawa. I saw many beautiful views and ate many delicious foods. I also had the chance to meet many nice and friendly people. The people I met were like the people I have met in Ishikawa and all over Japan. I could see the similarities we share.

Soon, the third years will be graduating. Some students will go to universities outside of Ishikawa and some will stay here. Wherever you go, whatever you decide to do with your future, think of all the similar things we share and take the next big step forward. Thus, your “small world” is about to become a “big world”.

「世界は小さい」。これはアメリカでも日本でも非常に一般的なことわざです。

私にとっては、世界が非常に大きいにもかかわらず、どこへ行っても、私たちが共有できることは同じような経験があることを意味します。

私は日本に6年半住んでいて、この美しい国ではたくさんの場所を見ました。私の故郷は11000キロメートル以上離れていますが、どこ行っても、同じような優しさに触れることができ、私は自分の故郷の近くにいるような気がします。

私の趣味は旅行することで、47都道府県すべてを訪ねる夢があります。これまでのところ、私は39県を訪れました。この冬休み、私は沖縄へ旅行しました。たくさんの美しい景色を見て、美味しい料理も食べました。私はまた多くの親切で友好的な地元の人々に会う機会がありました。出会った人たちは石川県や日本中で出会った人たちのようでした。私たちが共有する類似点を見ることができました。

すぐに、3年生は卒業するでしょう。石川以外の大学に通う学生もいれば、石川に留まる学生もいます。あなたたちがどこへ行っても、あなたたちが未来にどういう道を行くとしても、私たちは皆同じ人間だということを心に留めて、次の大きな一歩を踏み出しましょう。

そうすればこの「小さな世界」は同時に「大きな世界」になるでしょう。

2019年1月24日 (木)

【第563回】 My favorite book藤川 洋子 (英語)

皆さんは普段から本を読みますか。
私は幼いころから漫画が大好きで、本は気が向いた時にのみ読んでいたのですが、そんな学生の頃の私にも一つ一つのエピソードが短く、とても読みやすいものがあったので紹介します。

「ミラノ 朝のバールで」(宮本映子・文藝春秋刊)

イタリアはミラノに住む、日本人女性のエッセイです。
家族のこと、明るいイタリアの人たち、食べ物など現地での日常が色鮮やかに、そして少し切なく描かれています。
中でも「人生はブリオッシュだよ。ああ、美味しかった、ごちそうさま。と言ってあっという間に食べ終わってしまうブリオッシュだ。」
というフレーズがとても印象的です。
ブリオッシュというのはバターとお砂糖をたくさん使って焼いた、ころんとしたパンのようなお菓子です。バターが多いので口に入れるとふわっと口の中で溶けていくのが特徴で、イタリアやフランスなどでミルクをたっぷり加えたエスプレッソのお供に好まれています。
「人生、ブリオッシュだと思えば腹の立つこと、憎らしいこと、この世のあらゆる世俗的な事柄が、不思議に大したことでもないように思えてくる。」
というイタリア人の素敵な人生観に触れられる一冊です。

イタリアの風景を撮った写真集に魅せられ、大学中退後すぐ単身で渡伊した著者が綴る文章は、これから何か新しいことを始めようとしている人の心にもあたたかく沁みるのではないかと思います。

2019年1月17日 (木)

【第562回】 MY HOME TOWN福田 圭一 (保健体育)

 新しい年になりました。いよいよ平成が4月30日までで、5月1日から新元号となりますね。ちょうど30年前のお正月明けに昭和~平成へと成ったのが、私が高校一年生の時です。30年間に社会も大きく変化しました。勿論、自分自身のライフステージも高校卒業から、親元を離れての東京での学生生活、そして、仕事、結婚、出産、家族の形も変わってきました。両親、嫁、2人の子どもたち・・・。

 ここで、あまり今までブログの中でも登場してこなかった。妹の話をちょっとします。
 2つ下。小さい頃から大きな喧嘩も無く、まあ仲の良い兄弟だったと思います。あまりお互いを干渉することも無く、それぞれが夢に向かい、日々の生活を過ごしてきたと思っていました。

 しかし妹は私の健康面の心配や時間を費やしてきた勝負の世界での活躍、飛躍を願い応援してくれ、自分の事以上に兄の事を気にかけてくれていたようです。恩義世がましく無いので気付きませんでしたが、笑

 昨年、その妹と共通の達成させたい事案、プロジェクトが出来ました。その案件は様々な方の協力もあり、驚くべきスピードで良い方向に向かっています。自分たちのルーツに係わることでもあるので、必ずや達成されると信じて、確信しています。

 新しい元号、そして、いのしし年を“エイヤーッ”と進んで行きたいと思います。

2019年1月10日 (木)

【第561回】 「好奇心」深代 真一 (数学)

 私事ですが、昨年第一子が誕生し子育ての大変さを実感している毎日です。お腹がすいたら泣いて、オムツを替えてほしくて泣いて、抱っこしてほしくて泣いて…。言葉に出来ないので、全力でアピールをしてきます。伝えたい想いがあって、それを何とかして分かってもらおうとする所は大人と同じですね。
 さて、赤ちゃんという生き物はどんなものにも興味を示します。毛布、お箸、雑誌、新聞、音が出るおもちゃ、昔話、童謡、葉っぱ、パーカーの紐など目に見えたもの、耳に聞こえたもの、手で触ったものすべてが気になるようです。すべてのものが新鮮で、機嫌が悪いときを除いて、目を輝かせて毎日を過ごしています。
 大人になるにつれて、いろいろなことを教えられます。自分にとって興味のあることだけでなく、一見無意味に思われるようなことまで。その教育の過程の中で、「これは自分には関係ない」「これは自分にはできないからやらない」と自分で世界を狭めている状況を時折目にします。自分の見える範囲、出来る範囲の世界しか知らなくて本当にいいのかと、とても残念で仕方がありません。すでに時代はSNSの発達により、全世界とのつながりを持つような仕組みになっています。彼らが想像しているよりも世界は広がっているのです。“目に見える範囲”に興味のあることが無いのかもしれない、“今知っている範囲”に面白いものが無いのかもしれない。広い世界のどこかには、彼らを魅了する何かがきっとあるのだと思います。知らずして諦めるなど、とてももったいないですね。
 赤ちゃんのときは新しいものを周りの人から提供され、どんどん世界が広がっていきます。それがとても楽しいのでしょう。あの頃の感覚を思い出すことは不可能です。しかし、想像してみてください。知らなかったことを学び、出来ることが一つずつ増えていくあの喜びを。きっとワクワクしてくるはずです。世界がいままでとはまったく違うものに感じるはずです。新しい一年が始まります。学び多き年になることを願っています。

2018年12月27日 (木)

【第560回】 What makes you special?H. Y. (英語)

 2007年頃、TVのコマーシャルに某IT会社のCMのフレーズ ”What makes you special?” が流れていました。この言葉の意味について考えてみたいと思います。
 生徒の皆さんの多くは既に希望進路を決めているかもしれません。しかしながら希望する学校や職場に進むには需要と供給の条件がマッチしていることが必要で、皆が皆、希望する道に進めるわけではありません。3年生でAO入試などで面接を経験した生徒は認識していると思いますが、入学許可を受け取るには、履歴書を書き、面接で自己アピールして、相手にとって自分が魅力的であることを訴えなければなりません。「私は他の誰とも違う。特別(special)だ。」と。つまり、それは競争であり、戦いです。「戦いに勝ち抜くためには他の人と同じではいけない。ではどうすれば特別な存在になれるのか?」が、冒頭のCMのメッセージです。
 学校や家族というこれまで自分を守ってくれていた場所から巣立って先の見えない人生を一人で戦っていくには「武器」が必要です。それも複数必要でしょう。
 私事で恐縮ですが、私は大学卒業後、この学校で働くまでの間、外資系IT企業の何社かで働いてきました。転職活動の度にCV(Curriculum Vitae)と呼ばれる英文履歴書・職務経歴書を携えて面接に臨み、相手が望む人材であることをアピールしてきました。また、会社の中にいても、やりたい仕事につくために能力を磨いている必要がありました。高パフォーマンス、高稼働率を求める外資系IT企業では悪い評価が2年続いたり、1つのプロジェクトが終わったあとの空き状態(ベンチ、または”idle”(”idol”ではありません)と呼ばれていました)が3カ月続いたりすると肩たたき、つまり退職勧告がやってきます。 それを逃れるには、自分は何を武器(強味)とすべきかを意識し、そして、時々それらを棚卸して見直していかなければなりませんでした。
 貴方は何を武器としますか? まだ何も思い浮かばない時は、まずは勉強による基礎学力や基礎知識力、部活等による人間力を培っておくことをお勧めします。基礎となる土台があることによって、やがて進みたい道が見つかったとき、すぐにスタートラインに立つことができます。しかし、何も準備していない場合は、門前払いに遭うなどして、皆と同じスタートラインに立つことすらかないません。今、何も考えず、何もしないということは未来の自分の可能性を摘み取っているということに気づいてください。好むと好まざるに関わらず、急速にグローバル化やAI化が進み、日本国内にいても、「国」という境界を越えて、限られた仕事の争奪戦が始まっています。逆にチャンスと捉えて、必要十分な武器を携えて国際的な人材市場に乗り込んでいくくらいの気概でいて欲しいと願います。
 最後に、自分の将来を気にかけているであろう高校生の皆さんに「10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」(藤原和博)をお勧めします。