2020年2月27日 (木)

【第617回】 「憧れの矢となれ」辻元 友視 (英語)

 大学時代に出会った印象的な言葉がある。「憧れの矢となれ」正確ではないかもしれないのだが、確かこのような言葉だったと記憶している。私は大学時代に教職のゼミに入っていたのだが(正確には勝手に行っていた)、そこのゼミの先生に教えていただいた言葉だったと思う。元ネタはドイツの哲学者ニーチェの言葉「君は君の友のために、自分をどんなに美しく装っても装いすぎるということはないのだ。なぜなら、君は友にとって、超人を目ざして飛ぶ一本の矢、憧れの熱意であるべきだから。」この言葉の、「憧れの熱意」という響きが気に入っている。大学時代のゼミの先生曰く、人間は何かに憧れた時にものすごいエネルギーを発揮する。生徒の皆さんには何か憧れるものや人があろうか。それが皆さんの友人であってほしい。家族であってほしい。身近にいる人であってほしい。そして願わくば皆さん自身が憧れられる存在であってほしい。皆さんは皆さんの家族や友人にとってどんな存在であろうか。家族や友人の成長を妨げるのではなく、お互いに成長できる関係が理想的だ。そこで皆さんに送りたい言葉「憧れの矢となれ」熱意をもって何かをやってみる。イメージはエネルギーに満ち溢れて跳ぶ一本の矢である。遊学生の皆さん、小さなことでもいい、この高校生活で何かを成し遂げよう。熱意を持って突き進め。

2020年2月20日 (木)

【第616回】 「生命」T. M. (英語)

 昨年の11月に娘が産まれました。

 初めてエコーを見たときは白い点にしか見えず、これが自分の子供という実感はありませんでした。休みの日には検診に付き添い、経過を一緒に見に行くようになり、白い点はだんだん人間の形になっていきました。鼻は高い、足の骨が太いなど子供のことを聞くことが次第に楽しみになっていきました。産前1か月ごろには胎動も激しくなり、足で蹴っているのがわかるようになると、お腹の中に生命があることが現実になってきました。

 出産当日、帝王切開だったので手術の時間も決まっており、その時間に病院に向かいました。手術中のランプが点灯し、医師が何人か入っていきました。予定時間になっても中から何の反応もなく次第に不安になってきました。出産時に大量出血をすることもあると聞いていて不安なことばかりが頭の中を巡り、時間が本当に長かったです。「何か聞こえた、おめでとうって言っていない?」と義母が言いました。すると中から大きな産声が聞こえ、医師から中に入るように言われました。小さな台の上に小さな赤ちゃんが大声で泣いていました。初めて見る我が子はかわいいというより一生懸命に声をあげて泣いている様子が、力強く見えました。声をかけると必死に目を開けようとしていました。母子ともに健康でそのことが何よりもよかったです。

 産まれたばかりの赤ちゃんは3パターンに分類されるといわれています。ガッツ石松タイプ。朝青龍タイプ。笑福亭鶴瓶タイプ。娘は朝青龍タイプでした。皆さんは何タイプでしたか?我が子はまだ3か月程度しかたっていませんが、首がしっかりしてきたり、あうあう言うようになったりと日々成長が楽しみです。

 学校の保健の授業で習う生命、講話などで聴く生命の大切さはその場で言われていることは理解できるものの、現実味が今まではないものでした。しかし親になって、自分の子供が産まれて、初めてその大切さや尊さに気づくことができたように感じます。

2020年2月13日 (木)

【第615回】 「期待していないから」T. M. (数学、情報)

 教員になって2回目の全国高校駅伝。7人で襷をつないだ合計タイムで競うこの競技。選手は1年の365日中、この1日のために日々の練習に励む。その成果として、一昨年の2018年の全国大会では、2:07’43”のタイムで石川県高校記録を塗り替えることができ、昨年の2019年の全国大会は、2:06’11”で前回大会の石川県高校記録をさらに更新することができた。しかし、大きな大会で自分の力を発揮することは簡単ではない。トレーニングが不十分だった時の不安、周囲からの期待とプレッシャー。その中で自分を奮い立たせ、力を発揮しなければならないのだ。駅伝の場合はそれを7人全員ができなければ戦えないのだから本当に難しい。
 私はそこである言葉を選手に言うようになった。「大丈夫、期待していないから」。これを読まれている皆さんはこの言葉を言われた時、何を思うだろうか。本来これはネガティブな発言として認知されている。しかしこれを選手に言うと、表情が和らぎ、過度のプレッシャーから解放されて良い表情をする。なぜなら、選手はその裏に隠された真意を分かっているからだ。私が言った言葉の裏には、「少しでも過度の期待から解放して、思う存分楽しんできなさい」という想いがある。石川県の子どもは他県の子どもと比べて、大人しく真面目な性格が多い気がする。競技的な傾向もあるが、自分で自分にプレッシャーを与えることがよくある。その中で監督やコーチ、保護者からの期待は過度の期待になってしまうのだ。だから、生徒には「大丈夫、期待していないから」という言葉をかけている。もちろん人間は十人十色だ。その言葉が本人にどう影響するかを熟考する必要がある。しかし、ネガティブと捉えている言葉もその裏に隠された真意を知れば、捉え方は変わるのではないだろうか。表面的な部分だけを鵜吞みにするのではなく、客観的な視野を身につけることが現代の子どもには必要なのではないだろうか。そうすれば噂や第三者から不利益な情報を聞いたとき、冷静に対処することができるかもしれない。
 保護者や指導者にとって、子どもに期待をしたくなる場面は多々あるかもしれない。しかし、過度の期待は時にプレッシャーとなり、子どもを苦しめてしまうこともある。その時、肩の荷を下ろしてあげる言葉を伝えられれば、最大限のパフォーマンスを発揮できるのではないだろうか。「期待していないから」。少しでも良い結果を残せることを現代の子どもに期待している。

2020年2月 6日 (木)

【第614回】 「音楽が好き」髙橋 李句 (国語)

 「音楽を聴いたら元気になれる」「生活していく中で音楽は欠かせない」などの言葉をよく耳にします。嬉しい気持ちの時にはこんな曲、寂しい気持ちの時はこんな曲という風に、音楽は私達に寄り添ってくれるものでもあります。
 タイトルを見てお分かりだとは思いますが、僕は音楽が好きです。特に、バンドが好きです。CDも買うし、ライブにも行きます。ストリーミングやダウンロードが今は主流ですが、絶対にCDを買います。その方がアーティストに貢献できている気がするからです。(自己満足ですが…)ライブに関しては、「何が良いの?」「CDで良くない?」「DVD買えば良いのに。」とよく言われますが、僕は「1回行けば分かるから。」としか答えたことがありません。「2時間から3時間の時間に対してお金を払い、音楽を楽しむ」これに勝るものはないと思います!
 さらに金沢という場所には、エイトホール、AZ、VANVANなどのライブハウス、歌劇座、本多の森ホール、文化ホールなどのホールがあります。それらの施設に、たくさんのアーティストが毎年訪れています。それだけ音楽に触れる環境があり、チャンスがあるのです。僕は新潟の田舎出身なので、この環境に感動したことを今でも覚えています。そして、金沢という場所がもっと好きになりました。
 音楽は、心を豊かにして、生活にアクセントを加えてくれる物だと思います。みなさんも、たくさんの音楽に触れてみてはどうでしょうか?思いも寄らない出会いや発見がそこに待っているかもしれません。僕は、音楽に助けられながら生きてきましたし、いろんな人と出会いました。これからも、音楽を好きであり続けたいと思います。

 最後に、オススメのアーティストを紹介するので機会があれば聴いて下さい!!

 ○ flumpool→『君に届け』『証』『素晴らしき嘘』(ドラマ主題歌)
 ○ Mrs. GREEN APPLE→『WanteD!WanteD!』『青と夏』『StaRt』
 ○ SUPER BEAVER→『予感』『らしさ』『ありがとう』
 ○ MY FIRST STORY→『ALONE』『不可逆リプレイス』『花-0714』
 ○ THE ORAL CIGARETTES→『カンタンナコト』『狂乱 Hey Kids!!』
              『STARGET』
 ○ 酸欠少女さユり→『フラレガイガール』『ミカヅキ』『航海の唄』
 ○ 長渕剛→『HOLD YOUR LAST CHANCE』『Myself』『乾杯』

 コレサワ、back number、春茶、BIGMAMA、ポルカドットスティングレイ、
 Aimer、never young beach、SiM、BiSH、ONE OK ROCK、NEWS、嵐など

2020年1月30日 (木)

【第613回】 「笑顔の集大成」T. Y. (英語)

 先日、本校バトントワリング部の演技発表会がありました。毎日昼休みも放課後もいっしょうけんめい練習する様子を見ていたのでどんな演技をしてくれるのだろうと楽しみにしていました。メンバーの皆さんが見せてくれた演技は躍動感にあふれたすばらしいもので、ふだんは見られない姿にびっくりしました。練習に疲れて眠たい日もあっただろうに、それでも授業中きちんとノートをとり、テストもしっかりがんばっていた3年生部員のみなさん、3年間お疲れ様でした。そして、とてもすてきな演技を見せてくれてありがとうございました。ところで、私の目をひいたのは演技だけではありません。部員の皆さんが着ていた素敵な衣装の数々です。これだけきれいな衣装を作るのはどれだけ大変だろうと感心せずにはいられませんでした。朝早くに子どもを学校に送り出し、仕事や家事に追われながら衣装を作ってくださったおうちの方の手厚いサポートがあったことでしょう。そして家族のサポートへ寄せた3年生の感謝のメッセージには目頭が熱くなりました。

 私の息子も去年高校野球を引退し、私の手元には彼が小5の頃から日記がわりに付けていたスコアブックの山が残りました。朝早く起きてお弁当の他にたくさんのおにぎりを作り、朝練のために早く息子を送り出すという生活から解放されて楽になりましたが、もうこのスコアブックに記録が刻まれることはないと思うと今も心にぽっかり穴が開いたようです。でもこのスコアブックを見ると、強風の中で大変だった試合や負けてくやしい思いをした試合、勝ち越しヒットを打って喜んだ試合、いろんな思い出がよみがえってきて、息子も自分もよく10年間がんばってきたなあという達成感を感じることができます。なにか1つのことをやり続けるということは大変なことです。最後の試合が終わって「やりきった」と言った息子の言葉に、ずっと応援してきてよかったと感じました。

 演技発表会の後のバトン部の皆さんの笑顔はきらきら輝いていました。この遊学館高校にはバトン部以外にも1つのことをずっと続けている人はたくさんいますね。社会に出てからはなにかひとつのことに打ち込む時間はなかなか取ることができません。部活でも勉強でもなにかひとつ打ち込めることを見つけて、高校を卒業するときに「やりきった」と笑顔の集大成を迎えることができるように、1日1日を大切に過ごしてください。もちろん周りからのサポートへの感謝は忘れずに。