2021年5月 6日 (木)

【第679回】 「春の日」清水 汐音 (国語)

 先日、お休みの日に能登まで桜を観に行きました。金沢の桜が葉桜に変わっていく中で、能登ではちょうど満開の時期だったのです。あるお友達に誘われて、「能登さくら駅」とも言われている能登鹿島駅まで行きました。少し風が冷たかったけれど、日光がやわらかく暖かい、そんな春らしいお天気でした。この駅からは海も見えます。満開の桜と海とを一緒に見ることができるなんて想像もしていなかったので、そんな景色をみて、私は一瞬で「来てよかった」と思いました。

 実は、この日、目的がもう一つありました。海に行ってシーグラスを拾うことです。二人とも、宝さがしでもするかのように真剣に集めました。そんな中友達が、ふとこんな内容の言葉を独り言のようにつぶやきました。

「私よりも真剣に探してくれるところが、あなたの素敵なところだよね」

 確かにシーグラスを拾いたいと言ったのは、友達のほうでした。ですが、私も海が好きで、同じように思っていたし、こんな風に伝えられることは驚きでした。この言葉に対して、私がどんな風に返したのかは、全く覚えていません。とにかく嬉しくて、こうまっすぐに伝えられる友達のいいところを再確認できたし、「この子に出会えてよかったな」と改めて実感しました。

 この友達は、遊学館で一緒に高校生活を過ごした友達です。三年間、一緒に日本一を目指した仲間です。遊学館で過ごした三年間の思い出は、卒業後、私に頑張る力をたくさんくれました。だからこそ私は今、こうして先生として遊学館にいることができています。

 高校生活がまだ始まったばかりの1年生、折り返し地点にいる2年生、最後の一年を過ごす3年生。みなさんが、本当に大切に思える友達に出会い、自分の力になってくれる時間を、遊学館で過ごせたらいいな…と思っています。

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2021年4月29日 (木)

【第678回】 「START☞」S. Y. (保健体育)

サッカー部には新たに31名の新1年生を迎え、今シーズンもスタートを切りました。
まず、最初の合宿で、「他己紹介」というものを行いました。本人が自分の自己紹介をするのではなく、他の選手が自分を紹介するというものです。ただ紹介するでは普通なので、必ず共通点を3つもりこみ紹介することがルールです。10分間の準備タイムを設けいざスタート。個性あふれる紹介がどんどん飛び出します。二人の共通点は「イケメンなところです!」「好きな女の子のタイプが一緒です!」など大盛り上がり。まだまだお互いのことが分からない中、自分の紹介をするのではなく相手をいかに分かりやすくみんなに伝えるか。まだまだ恥ずかしくてうまく伝えられないところもありますが、少しはお互いを理解できたのでは?

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まだまだこれからの1年生。
この先苦しいこと、辛いことも待ち構えています。
その分、最高に楽しいことも山ほど待ち構えています。
可能性は無限。本気がみんなを強くする!!!

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2021年4月22日 (木)

【第677回】 「声の記憶」嶋田 司 (数学)

 人の声や話し方が記憶と強く結び付いていると思った出来事が二つある。
 一つは会議のためある公立高校に行ったときの出来事である。会場となった高校の校長先生の挨拶を聞いた瞬間,高校3年生の現代文の授業風景が頭に浮かんだ。校長先生は私が高校時代に習った国語の先生だった。男性ながら優しい声で,話し方にも特徴があり大変聴きやすい授業だった。校長先生の挨拶を聞きながら20年以上も前の授業を思い返していた。
 もう一つは逆に気付いてもらった出来事である。あるお店のカウンターで食事を済ませ会計をしようとしたとき,店主から「S先生ですよね。」と声を掛けられた。残念ながら,店主の顔を見てもまったく思い出せなかった。話を聞くと,私が初めて非常勤講師として勤めた公立高校で教えた生徒であることが分かった。30年以上も前の週4時間ほどの数学の非常勤講師をよく覚えていたなと驚いたが,声で分かったそうだ。
 自分が意識していない聴覚情報が脳内にまだまだ埋もれていそうです。

2021年4月15日 (木)

【第676回】 「軽音同好会、はじめました。」S. R. (国語)

<軽音同好会の活動目標>
①軽音同好会での活動を通して、遊学館にきてよかったと思えるような特別な思い出をつくること
②軽音同好会での活動を通して、生涯楽しめる趣味や仲間を見つけること
 

030415↑オマンジュウカフェで行った新入生歓迎ライブの様子
 

一人では出会うことができないような素敵な音楽との出会い、素敵な大人との出会いが皆さんの人生を豊かにすると信じて活動していきます。



興味がある人は第一職員室の佐野のところまできてください!

2021年4月 8日 (木)

【第675回】 「難しいを過去形に」S. T. (数学)

 数学の授業で新しい単元や分野を扱うと「難しい」「意味分からん」といった声が上がる。
今まで扱ったことのない数式や概念なのだから当然と言えば当然だろう。
 しかし、小学校2年生で習った九九でさえ最初は「難しい」「意味不明」なものだったのではないか。

 最初は、その「難しい」九九を毎日家に帰って暗唱を繰り返すことによって「簡単」なものに変えていったのではないだろうか。それ以外にも今では簡単に計算することができるであろう3桁の掛け算や、足し算における繰り上げ、引き算の借り受けなどそのすべてが当初は難しかったはずである。
 では何故、九九や、それらよりも難しい高校数学を家で勉強しないのか。
高校数学は難しい。だからこそ九九よりも勉強しなければ決して習得することはできない。

 ただ逆を言えば、難しい九九を簡単なものにすることができたのだから、努力さえすれば高校数学も「難しかった」と過去形にすることができるはずである。

 数学以外も同じだろう。

 簡単なことだけやっていてもそこに成長は無いし感動も無く、いずれ飽きるだろう。高校で難しい事に積極的に挑戦し、簡単な解法を見つけ出して欲しいと思う。