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2021年6月24日 (木)

【第686回】 「当たり前があること」髙橋 李句 (国語)

 6月15日、初夏の暑さを感じる中、いしかわ総合スポーツセンターで「体育祭」が開催されました。遊学生の日頃からの感染予防や我慢、先生方の徹底した感染症対策、いしかわ総合スポーツセンター職員の皆様のご協力、保護者の方々のご理解とご協力のおかげもあり、大成功に終わったように感じました。
 体育祭に参加した遊学生の心からの笑顔、悔しがる表情、仲間との深い絆、後輩を引っ張る先輩の姿、先輩の背中を見つめる後輩の姿を見たことで、コロナ禍であることを一瞬だけ忘れさせてくれました。あんな素敵な姿を見せてくれたことに、心から「ありがとう」と伝えたいです。
 体育祭を観戦する中で、ふと高校時代に交わした言葉を思い出しました。

「体育祭楽しかったね!次は学園祭だね、何しようか?」
「喫茶店とか良くない?」

「学園祭楽しかったなー。今度、修学旅行あるじゃん?実は、あの子に告白しようと思うんだ。」
「え?まじ?お前すげーなー!俺は気になる子と同じ班になるだけで精一杯だよ・・・。」

 世の中の現状を考えたら、この会話はとても幸せなものだったと気づかされました。今の生徒達には、私が高校生の頃に当たり前に存在していた「次」「今度」「来年」が約束されていません。(私の時代も100%ではありませんでしたが。)
 私が今の時代を生きる高校生ならば、不満や不安、ぶつけようのない怒りなど様々な感情が心を支配してしまうはずです。心の底から行事を楽しむことができるかと言われたら、首を縦に振るのは難しいでしょう。
 しかし、こんな状況でも遊学生は強いです。頑張ることができます。かっこいいです。素敵です。優しいです。前向きです。でも、時々失敗したり、怒られたりもします。文句も言うし、間違ったこともします。だけど、それをしっかり受け入れたうえで、人を前向きにさせるパワーを持っています。こんな遊学生たちの良い所も弱い所もたくさんの人が見てくれる、声をかけてくれる、そんな世の中に早く戻ってほしいです。

ケガや病気なく今年度も過ごせますように。
「次」「今度」「来年」が当たり前になりますように。
皆さんが主人公になる大会や行事が無事開催されますように。
大会の応援や行事に保護者の方々も参加できますように。
マスク無しでみなさんの笑顔が見られる日々が戻りますように。
たくさんの人が皆さんを見てくれるそんな日々が戻ってくれますように。
私が高校生の時にしていたような下らない会話が、当たり前になりますように。