2021年1月21日 (木)

【第664回】 「「掲示板」を掲示します。」尾谷 力 (地歴・公民)

 世界中がコロナ禍の中ではありますが、本格的な受験のシーズンをむかえています。本校でも推薦制入試を終え、月末には一般入試を控えています。受験シーズンだからというわけではありませんが、本校の掲示板を少し紹介し、遊学館をアピールしたいと思います。

 今回は学年会主催のスペースと、併設校である金城大学・短期大学部を案内している金城Cafeというコーナーを紹介します。

 バスケットコート前の3年生のスペースではすでに終了した推薦制入試において国立大学を含め難関大学に合格した生徒が紹介されています。今年度は従来のセンター試験から大学入学共通テストにかわるなど入試制度に変更があった中、早くも素晴らしい結果を収めてくれています。

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3年学年会のスペース


 私が所属する1年学年会のスペースでは、今年の先生方の抱負があげられています。3月末に新入生を迎える準備をする中で学年目標として掲げた「社会で力を発揮し、求められる人」の育成と、重点課題「自主自立・礼儀礼節・自他尊重」を踏まえ、1年生の総仕上げに向けた先生方の決意が語られています。

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1年学年会のスペース(今年の干支、丑年にちなんで、牛のひな型です。)


 第2学館の入り口に設けられた金城大学・短期大学部を紹介する金城Cafeでも、すでに終えた学校長推薦入試を受験し合格した生徒たちの高校卒業後の抱負や目標が飾られています。本校には金城大学コースがあり、入試指導だけでなく大学や短大で学ぶ内容を体験したり、先取りして深める授業があるなど、併設校を生かしたカリキュラムが組まれています。看護師や療法士、福祉士や幼稚園教諭などを目指す場合、本校から金城大学というのもいい選択かもしれません。もちろん、幅広く学び様々な資格試験に挑戦できる短期大学部のビジネス実務学科も短大卒業後の進路選択の幅が広がり、おすすめです。

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金城Cafe(パンフレットなども自由に持ち帰ることができます。)


 これらの掲示板は、在校生の皆さんにとって他の学年会がどんなことに取り組んでいるのかを知る意味で有効です。ましてや今回のような進路関連の情報は、これから受験をむかえる1,2年生の皆さんにとっては刺激を受けるだけでなく励みにもなるはずです。

 さて、最後に本校一般入試を受験する中学生のみなさん。受験会場に入室する前にちょっと足を止めて掲示板に目をむけてみてください。もしかしたら、少し緊張が和らぐかもしれませんよ。

2021年1月14日 (木)

【第663回】 「ここはいっちょ景気よく、推薦入試の志望理由書や面接なんて「屁でもないわ」と強がっても大丈夫。とあえて言っておこう。」O. M. (国語)

 今年も大学や短大・専門学校の推薦入試の時期が終わりました。遊学館高校に来て7年目ですが、いつものように本年度も数多くの3年生の志望理由書や小論文・面接の練習にお付き合いさせてもらい、少しは皆さんの役に立てかなと思っています。特に今年はRITU大学のAO入試で、見事国際経営学科に合格したTさんとは、9月から約2ヶ月間2人3脚で志望理由書を考えて、その後英語科のオールスターの先生方に協力して頂き、英語の面接練習と、それに耐えられる英語思考での答えを考えていく作業は本当に楽しかったです。合格してくれてありがとうという気持ちと、こんな楽しいことにみんなで協力できる機会を与えてくれて、ありがとうという気持ちでいっぱいです。
 さて、今年の共通テスト(新センター試験)は、スタート元年からコロナの影響でつまずいてしまいましたが、出題される予定だった問題には「読解力」と「表現力」が極めて重視されています。ということは、世の中の大学生に求められている能力が、「読解力・表現力」なので、おそらくどの大学も今年の推薦入試やAO入試では、今までよりももっと「読解力・表現力」にこだわった問題が出題されるだろうし、志望理由書なんかも、もっと凝って考えて書かないといけないということなんでしょうね、ヤレヤレですね。

 でもね、志望理由書や小論文なんてたいしたことないんだなぁ~、実は・・・。
何て言うのか、方法というか「型」みたいなのがあって、それに当てはめて自分の本音(本気の想い)を書けば、必ず大学や専門学校の先生の心に「バキューン」と届く文章になるんですよ。

 さて、その方法はと言うと、まず考え方の基本を、スマホのアプリのように自分の頭の中にダウンロードしないといけない、そしてそのためには世の中のことに強い関心を持って、自分の考えを持たないとダウンロードはできません。来年の3年生諸君、今日からでも、たくさんの情報を仕入れて、自分の頭を大人使用に切り換えて、今年の入試に備えましょう。
 訪ねてきてくれたら、一緒にその方法を勉強していきましょう。授業持って無くても大丈夫なので、一度相談に来てくださいね。

 最後に宇宙戦艦ヤマトの終わりのナレーションみたいですが(知らないかな~)。
 「2021年推薦入試まで、あと300日・・・」

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2021年1月 7日 (木)

【第662回】 「大変だからこそ」大嶋 直樹 (芸術)

 例年であれば初詣に参り、親戚家族がワイワイ集まる季節だけど、今年の年越しはこれまで味わったことのない雰囲気の中で2021年の幕が明けた。昨年を振り返ってみても、こういうことができた!というエピソードより、これもできなかったと思ってしまうのは、自分だけではなく世界中の人々が感じたことであろう。ただ、失ったことばかりではなく、改めてこれまでの日常が当たり前ではないと感じることができたのは、これからの一人一人の長い人生を支えてくれる大きな柱となったと信じている。
 感染第三波のピークがまだ見えない状況で、不安や緊張が続いているが、昨年と違うことはしっかり一人一人の心構えができていることである。正しい情報を読み取り、思いやりを持ち、強い気持ちでたくさんの事に挑戦する気持ちが2021年を笑顔で過ごす秘訣に感じる。

 「大変」という字は
 「大きく変わる」と書く
 今、大変な時期だとしたら、
 それは今こそ大きく変わるチャンスってこと。
 大変な今をみんなで笑顔で乗り越えよう。

2020年12月31日 (木)

【第661回】 「2021年へ」植木 大 (保健体育)

 2020年、皆さんにとってどのような年でしたか?思い返すと、新型コロナウイルス感染症による臨時休校に始まり、東京オリンピックの延期、各大会やイベントの中止など、誰もが予想もしなかった事態への対応に追われた1年でした。その中でもインターハイの中止は、3年生の気持ちを考えると涙が止まらないくらい悲しい出来事でした。多くの人たちが、同じように悲痛な思いをしたことだと思います。
 普段から選手には「人間力が試されるのは、色々な困難や苦境に立たされた時にどのような振る舞いや言動をするかだ!」と伝えています。きっと正しい行動・言動をし、人間力向上のためにも頑張ってくれることでしょう。
 12月には嬉しい出来事が二つありました。一つは、北信越高等学校選抜卓球大会が開催され、男子卓球部は19年連続20回目の優勝をし、全国高等学校選抜卓球大会への出場権を獲得しました。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、大会を開催していただいたことに感謝します。

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 二つ目は2019年5月から実施している小学生の見守りボランティアで、クリスマスにサンタさんに仮装し、小学生に喜んでいただいたことです。
 これは3年生からの提案で、コロナで世の中に元気がないので、少しでも笑顔になってほしいと実施しました。小学生どころか大人の方々にも喜んでいただき大好評でした。彼らの行動力と成長に感動しました。

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 2021年、皆さんにとって素晴らしい年であることを祈念しながら、私自身も選手とともに人間力アップしていきたいです。

2020年12月24日 (木)

【第660回】 「人を理解するということ」I. I. (国語)

 大阪大学総長などを歴任した、鷲田清一先生は、僕の尊敬する哲学者です。
 鷲田先生の言を借りれば、「理解」という語には、「意味、内容をのみこむこと」という意味のほかに「相手の気持ちや立場に立って思いやること」という意味があると述べておられます。

 つまり、人を「理解」するというのは、感情や意見の一致を見るということではなく、あの人はこんなふうに感じているのかと、人と自分との違いを思い知るということです。
 だから、人の理解においては、その人と同じ想いになることではなくて、自分には理解できなくても、その人の想いを、否定するのではなく理解しようと想うこと、わかろうとする姿勢が大事だということです。
 相手には、その姿勢こそが伝わり、言葉を受け取ってくれたという感触のほうが、主張を受け入れてくれることよりも意味が大きいと、先生はおっしゃっています。

 ストレスフルな現代社会において、子供たちは、多くの悩みを抱えています。
 われわれ教師は、授業を通して、学問を教授するだけではなく、子供たちの悩みに対して、「理解」を示し、対応しなければなりません。
 子供たちの悩みに答えを与えることは、至難の業です。
 ただ、その悩みに寄り添って、一緒になって考える。苦しみ、悲しみを分かち合うことしかできません。
 でも、その姿勢がとても大切なんだと思います。

 先日、授業で「論語(ろんご)」を教えました。

 「論語」は約2500年前の中国で、主に孔子の言葉を集めた本で、日本でも長く親しまれてきました。
 漢文の嫌いな生徒が少なからずいますが、私は、訓読読解の授業の後に、時を超えて今でも残っている、孔子の理念を生徒に伝えています。

 例えば、孔子の大切にしている言葉に「(じょ)」があります。

 子貢(しこう)問いて曰く「一言にして以て終身これを行うべきものありや」
 子曰く「それ恕か。己の欲せざる所は人に施すなかれ」

 孔子の弟子である子貢は先生(孔子)に聞きました「生涯守るべき事とは一言で言うと何なのでしょうか?」
 孔子は答えました「それは恕だ。自分が好まないものは他人にも押しつけてはならない」

 これを受けて、福沢諭吉も著書『福翁百話』で「己れの欲せざる所を人に施す勿れとは之を恕の道と云ふ」と書き残しています。

 「(じょ)」とは、思いやること、思いやり、同情、寛大さ、優しさ。
 そして、私は、「恕」とは、「理解すること」「寄り添うこと」だと信じています。

 人間にとって最も大切なこと。
 それは「人を理解するということ」ではないでしょうか。私は、そう思います。

 人生を通して、学び、体験し、仕事をし、生活をし、強くたくましくなって、そうして「人を理解するということ」を実践できるといいですね。