2022年4月 7日 (木)

【第724回】「正しい漢字使えている?」吉澤 宗馬 (国語)

 今年も寒く厳しい冬の季節が終わりを迎えました。そして春の暖かさが訪れるとともに、先週桜の開花宣言がされ、今週中には満開になると予想されています。
 以前新型コロナウィルスの「しゅうそく」が見えないご時世ですが、気分転換にお花見をするのもいいかもしれませんね。

 さて、突然ですが問題です!

 Q.新型コロナウィルスが「しゅうそくする」の「しゅうそく」は、
   「終息」と「収束」どちらが適切でしょうか?


 急に問題ってなんだよ......と思うかも知れませんが、普段何気なく使う漢字は、字によって意味が違ってきます。今回は「しゅうそく」について説明していきます。
「しゅうそく」には、「終息」や「収束」などがあります。

 「終息」は、「すっかり終わること、絶えること」を意味します。
「終」は文字どおり「終わる」を意味し、「息」は「止む」という意味があります。このように、似た意味の漢字を重ね合わせることで「完全に終わる」という意味を表します。

 「収束」は、「ある一定の状態に落ち着くこと」を意味します。
「収」は「おさめる」を意味し、「束」は「たばねる、ひとまとめにする」という意味があります。

 つまり正解は......  
A.どちらも正解!
ただし、使い方に違いがある!
     
  新型コロナウィルスが B  完全に制圧できた場合は「終息」
 
 ほぼ事態が収まってきた場合は「収束」


 このように、漢字で意味は変わります!これを機会に、普段使っていた漢字を見返してみてはいかがでしょうか?案外間違って使っていた!なんてことがあるかもしれません。

2022年3月31日 (木)

【第723回】「48年の教員生活を振り返って」山本 雅弘 (保健体育)

3月で教員生活48年を終えることになりました。
思えば大学を卒業後私立S高校に26年7か月勤務し、遊学館高校に移り21年5か月勤務して今を迎えています。この間、部活動を器械体操部、女子ソフトボール、スキー部、男子ソフトボール、中学軟式野球部、高校硬式野球部を受け持ちました。私自身の専門は陸上競技なので専門外の部活動を持ち続けたことになります。

遊学館高校に移り硬式野球部を創部したのが2001年4月。
1年生22名がグランドに集合したのが3月25日、グランドには土がなくガレ石の状態でしたが、かろうじて工事が終了していたサッカー場でキャッチボールをしたのが遊学館野球部の歴史のスタートでした。
1年生だけでの春季大会。練習試合もなく金沢市民球場で旧富来高校と対戦し7対0(7回コールド)で勝つことができました。試合前、スタンドから私に対して「軟式野球で勝っても硬式野球で勝てるわけない」など、ヤジが飛び交っていました。その中で選手たちが試合に集中しプレーしてくれたことを思い出します。
2年目の夏の大会、甲子園を目指し1・2年生だけで勝ち上がり、準々決勝を迎える頃から私の家に嫌がらせの電話が・・「県外から集めた選手を出して勝つことを許さんぞ」「わかっているだろうな・・明日負けろ」「今からお前の家に火をつけに行くぞ」などなど・・・。当時大学生の娘が電話の音に恐怖を感じていました。
決勝は金沢高校、初回に3本の本塁打で6点を失うが大逆転で優勝。
「創部1年4か月で甲子園出場」からヤジや嫌がらせの電話がなくなりました。
そのあとがむしゃらに頑張った21年。500名を超える優秀な教え子たちの頑張りで夏の甲子園に6回、春の選抜大会に1回、神宮大会に1回、国民体育大会に2回出場することができました。また、教え子たちの中で野球を始めた時からの夢を叶えたプロ野球選手が7名、勉強に切り替えて医者や弁護士になって社会に貢献している教え子たち、未来ある子供たちを指導する教育者になった教え子たちがたくさんいることが嬉しいことです。
また、全国高等学校野球連盟から「育成功労賞」、北國スポーツ賞の「育成功労賞」、いしかわ中日体育賞の「指導者賞」の表彰を受けたことが身に余る喜びです。

私は昨年の夏の大会で野球部監督を退任し中川新監督にバトンタッチしました。新スタッフには創部当時のように勢いのある強い遊学館野球部の再現を期待したいと思います。

2022年3月24日 (木)

【第722回】「この1年を振り返って」M. Y. (保健体育)

 昨年4月、本校は352名の新入生を迎えた。中学校から高校へ進学するにあたり、多くの夢や希望、不安を持って入学してきたことだと思う。しかし、依然新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず学校生活にも多くの制限がでてきている。
 その中でも体育祭、学園祭、遠足、球技大会など感染対策を十分にし工夫しながら多くの学校行事を行ってきた。自分たちの思い描いていたような高校生活ではないかもしれないが、その中でも楽しみを探し取り組んでいたように思う。
 高校に入学して初めての体育祭では、3年生を中心に縦割りの各団での応援合戦、ダンスを覚えるのに苦労しながらもみんなで協力して完成させることができ、充実した体育祭になった。
 遠足は、4月当初に予定されていたが10月に延期された。のとじま水族館、そして千里浜海岸へと向かった。学校行事もなかなかできない時期が続いていたので生徒たちは、クラスの友だちと楽しい時間を過ごしていた。
 また、12月、3月にはクラス対抗で球技大会が行われた。体育の授業で球技大会の練習をし、準備してきた。クラスのみんなで協力し、楽しい思い出ができた。
 生徒たちにもホームールームで、この1年を振り返ってもらったが、今年1年間は、我慢することが多かった。来年度は、みんなが楽しく過ごしていける1年間にしたいと思う。そのために学年の先生方と協力して学校行事の運営をしていきたいと思う。

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2022年3月17日 (木)

【第721回】「成長を感じることのできる日常」Y. M. (地歴・公民)

 3月1日、私が担任を受け持った40名の生徒が本校を卒業していきました。
 卒業式後は、コロナ渦ということもあり、あまり時間をかけずに終わらせようと考えていたので、自分自身がこの40名に一番伝えたいことを頭の中で考えていました。
 伝えた言葉は、「とにかく、この日を迎えられてよかった。この日というのは、みんなが卒業式を迎えることができたこと、卒業後のそれぞれの進むべき道が決まっていること。これまでの日常もそのことを常に思い描きながら私はみんなと接していました。毎日のようにいろいろな指導もしてきましたし、時には厳しい要求もしてきました。しかし、振り返ってみると一つ一つが楽しい時間でした。楽しい時間というのは、どのようなことかというと、みんなが成長していく姿を身近で接することが楽しい時間だった。」という内容でした。
 3月というのは、卒業式に限らず1年が終わる時期でもあります。4月からの新しい生活を迎える準備の時期でもあります。私は、今年度の1年間を振り返った時に卒業した生徒だけでなく、様々な成長に触れる機会に恵まれました。
 朝の見守り活動では、挨拶ができなかった小学生や本校生徒が挨拶をしてくれるようになったこと、これまで挨拶はしてくれていたが、自ら挨拶ができるようになった生徒。学校内においては、指導を何度もされていた生徒が、「最近、あの生徒は授業も集中しているし、顔つきもよくなった」と多くの先生方から声をかけてもらえるようになったこと。同僚の先生方においても、新しい業務を任されて慣れない中でも周りの方と協力して、生徒の学校生活に良い影響をどんどんもたらしてくれたこと。学校でのことだけでなく、子を持つ親として我が子の成長ももちろん感じることができた1年でした。日常の何気ない一つ一つのことに興味関心を持つことと、そのことを振り返った時に、こんなにも変化(成長)を感じとることができるのだと今まで以上に強く感じました。
 来年度は、今以上に視野を広げて今年度以上の「成長」に遭遇できるように心がけていきたいです。そして、その成長をただ見届けるだけでなく、相手にも伝えてさらに成長スピードを上げるサポートが少しでもできればいいかなと思います。これからの1年が楽しみです。そして、振り返る1年後も。

2022年3月10日 (木)

【第720回】「校歌に触れる」M. M. (英語)

学校行事の延期や休校、感染予防対策による制限の多い学校生活でしたが、それでも体育祭や学園祭、遠足、球技大会など、工夫しながら多くの行事を実施することができ、生徒たちは高校生としての1年間を過ごすことができました。とくに行事では、喜んだり楽しんだり悔しがったり、ふだんとは違った一面を目にすることができました。

ただ心残りなことは、生徒たちが「校歌」を歌う機会がなかったことです。始業式や終業式などの学期の節目には全校が集まり、校歌を歌うことが慣例です。このごろは、全校生徒が集う場面もほとんどなく、当然校歌を聞いたり、ましてや声に出して校歌を歌う機会さえありません。

先日1年生のホームルームで、校歌に触れる時間を設けました。入学式のときに校歌の動画が上映され、それ以降校歌を聞くことさえなかった生徒も少なくありませんでした。
「植ゑけむ人もなつかしや…」
春夏秋冬の季節の移り変わりとともに、生徒たちの成長や学業の習得、良き人格の形成を願う美しい歌詞の意味を知り、改めて校歌を視聴しました。はやく全校揃って校歌を歌える日がくればいいのにと思いながら。

今月1日に「卒業式」が挙行されました。ここでもまた制限があり、式次第には「校歌斉唱」ではなく「校歌演奏」とありました。しかし卒業生たちは3年間の高校生活を思い出しながら、心の中で校歌を斉唱していたことでしょう。

限られた参列者と簡略化された式典でしたが、そのぶん在校生送辞と卒業生答辞がとても印象的でした。先輩への感謝の気持ちを述べた送辞と、涙で言葉を詰まらせながら喜びや悔しさ、そして後輩へのメッセージを伝えた答辞は大変感慨深く、この式典を引き立たせたものになっていました。

別れと出逢いの季節でもある春がやってきました。新年度に向けて胸が高鳴る時期です。みなさんにとって良い新年度となりますように。

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