2014年12月18日 (木)

【第357回】 雪M. I. (理科)

 最近は寒い日が続き、雪も降り積もってまいりました。
 この前、授業の準備にと中学の教科書を見ているとあるコラムに目がいきました。それは雪と氷の研究をされた加賀市出身の中谷宇吉郎博士の話でした。中谷博士は美しい雪の結晶写真を見て、自然のなす技に感動し、どんな条件のときにどんな雪の結晶ができるのかを調べられ、気温と水蒸気の量の組み合わせと、雪の結晶の形との関係をまとめられました。
 私たちの身のまわりには感動したり、不思議に思うことがたくさん溢れていると思います。当たり前のことにもう一度目を向けて、「なぜ?」「どうして?」と疑問を持ち、その答えを自分なりに考えることが大切だと感じます。生徒には何かに感動し、それに対して全力で探求する精神を授業や日々のかかわりを通して伝えていけたらなと思っています。

261218ウィルソン・ベントレーによる雪の結晶の写真

2014年12月11日 (木)

【第356回】 傘寿コンサート村野 元孝 (芸術)

先日ですが横浜みなとみらいホールで傘寿コンサートの演奏会に出演してきました。横浜の駅の近くに隣接している都市型の海の見えるとてもきれいなホールです。久しぶりに私のフルートの先生とご一緒の演奏会です。練習1回、ゲネプロ本番のぶっつけの演奏会です。当日の会場は超満員であり、さらに私のフルートの師匠先生であり元東京音楽大学の学長(現在同大学名誉教授)であり、更に元NHK交響楽団のメンバーであるため、久しぶりの先生との演奏会はとても緊張した心地で行ってきました。ホールが良いせいかとても感じの良い演奏会になりホットしています。
 さて還暦・古希・米寿は知ってはいましたが、恥ずかしながら傘寿とは何か?と分からなかったので調べてみたところ、年齢が八十歳と書くところから傘の年と書くそうです。そういえば私の周りにもその年の方が何人もいました。演奏会でご一緒したフルート奏者で指揮していただいた青木先生(27年3月フルートフェスティバルに来澤)も傘寿です。大学時代お世話になったフルートの播先生も傘寿です。(先日播先生の傘寿コンサートの参加依頼もあったので)。そういえば亡くなった父親も傘寿を過ぎてたな。母親も傘寿をすぎてたな。私は節目の事や祀りごとなどは出来るだけするようにしていますが、抜けていたなと反省です。では次はなにがあるのかなと考えたら……。大事な節目珊瑚婚が来年です。今のうちに考えておかなければ。傘寿の輪から人のハーモニーの輪が広がりました。

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2014年12月 4日 (木)

【第355回】 我がクラス向江 大輔 (地歴・公民)

我がクラス、1年4組を言葉で表わすと「元気と緩急」です。

どんな意味かというと、基本元気で活発なクラスなんですが、時折その元気がアップしたりダウンしたりと緩急がつくクラスです。(笑)(良いのか悪いのか...)

そこで今回は我がクラス、1年4組のメンバーを紹介します。こんなメンバーがいます。

どんな人にも優しく男気のある人。
友人やクラスメイトを大切にしている人。
真面目で黙々と取り組む人。
精神的にかなり大きく強くなった人。
自分のペースで着実に進んでいる人。
素敵な言葉をたくさん使える人。
落ち着いていて、冷静に周りを見れる人。
みんなの事をすごく考え、気を遣ってくれる人。
皆に優しいおおらかな人。
明るく元気をくれる、花のような人。
最近、めちゃめちゃやる気が上がった人。
皆と違う視点や考えを持っている人。
感謝の心が学校生活から伝わってくる人。
信念があり、自分で成長している人。
仕事人の人。
責任感が強く、全体を第一に考えてくれる人。
これから大きく飛躍しようとしている人。
自分をみんなにさらけ出せるオープンな人。
クールで大人な人。
ジワジワ自分を成長させている人。
みんなをいつも笑わせ、笑顔にしてくれる人。
姿勢が伸びて、いろんな面で伸びている人。
やさしくて継続力がある人。
純粋な心を持っている人。
どんなときも明るくて強い人。
やるべきことは積極的にやる人。
みんなで盛り上がるのが特に好きな人。
じっくり前に進んでいる人。
弱いところを見せず、明るく振舞う強い人。
勇気を持って、少しずつ自分の道を進んでいる人。
明るく、積極的に行動する人。
機転が利いて、みんなを引っ張れる人。
学校を楽しみながら、やるべきことはやる人。
みんなから人気があり好かれる人。
おおらかで心がひろい人。
自立しはじめてきている人。
明るさと笑顔を大切にしているポジティブな人。
これから感性が発揮されそうな人。

と、こんな楽しみなメンバーが揃っています。
2学期ももうすぐ終わり、1年生も残り3分の1ほどとなります。3学期は1年の集大成となる学期。最後、充実した1年だったと、1年4組は最高のクラスだったと後で振り返られるよう、自分らしさ・1年4組らしさを伸ばせるよう顔晴っていこう!!

2014年11月27日 (木)

【第354回】 “和”な一日道上 ちひろ (英語)

 先日、本校茶道部は21世紀美術館にある、松涛庵というお茶室での催し「茶菓と箏曲を味わう」に参加した。

 そこでは、本校の土曜講座(遊学講座)のお箏の先生である、北村愛里先生が和服姿でお箏を奏で、茶道部員は、大島宗広先生のご指導のもと、お抹茶と秋を表現したお菓子で観光客の方などをもてなしました。

 秋晴れの金沢で、目で和を感じ、耳で和を楽しみ、口で和を味わう。秋を感じさせる、紅葉やとんぼの茶器やお菓子、お抹茶の味、そしてお茶室に響くお箏の音色。金沢で生まれ育った私ではあるが、初めての経験でした。まさに日本の美を五感で感じられる一日でした。

 このようなことを言うと、私が、いかにも日本が大好きで、日本の和に詳しい金沢女性だと想像するかもしれない。しかし実はそうではない。むしろ“和”からはほど遠く、西洋のものやモダンなもののほうが、だんぜんお好みの私である…。

 そんな私が、日本文化の素晴らしさや、金沢という町の良さを純粋に感じることのできる貴重な経験となった。

 お茶会が終わったとき、生徒が「あー、楽しかったぁ」と、一言。それを聞き、この和を愛する女子高生は、将来きっと、“すてきな金沢小町”になるのだなぁ、と、ほんわかした気持ちになれる一日でした。

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2014年11月20日 (木)

【第353回】 「一生涯学習」光谷 和子 (芸術)

 私は2歳から90歳まで、幅広い世代と場所で創作活動のお手伝いを行っています。場所は幼稚園や児童館、公民館、学校、福祉施設、病院などです。
 手を動かして何かを形作るという行為は、脳にダイレクトに刺激が伝わります。脳が活性化することによって、さまざまな機能が回復することがあります。そのことを利用して医療現場にも創作活動が取り入れられているところもあり、私はそういう試みをしている病院の患者さんや、心身の回復を目的とした施設で、アート活動の講師をしていました。その時の思い出などのお話をしたいと思います。

 私が接した生徒さんの中には高齢の方が多くいらっしゃいました。例えば、脳梗塞の後遺症によって左半身まひの方もいらっしゃったのですが、その方には機能回復のリハビリで水彩画を教えました。腕を動かすこともできず、初めは筆がもてませんし、手が震えて鉛筆の線が引けません。しかしながら何度も何度も回数を重ねるごとに狙ったところに線をつなげて引けるようになり、腕が動くようになりました。同時に、麻痺していた足なども動かせるようになってきました。もちろん機能の回復は、全てが創作活動によるものではないでしょう。しかし、他の生徒さんたちとワイワイ明るい雰囲気の中でみんなで創作活動を行うという行為には心身をポジティブにする効果は確実にあったようです。
 認知症を診断された方も生徒さんにいました。その方は自己紹介で「私は脳がちょっとしびれているから、色々とごめんなさいね」と話されていました。なかなか上品で美しい言い回しだなと感心し、職員一同で「私達もボケたらそう言おう!」と和気あいあいで言い合ったものです。

 私は講師として技術を指導しに行っていましたが、生徒の皆さんは人生の大先輩方です。会話の中で人生の勉強になることが沢山ありました。その中でも印象深い言葉がいくつかありますので紹介してみますね。
「若い時はスポーツでも活躍して、仕事もバリバリこなしてさ、なんでもできると思っていたけど、それは若さゆえのおごりだった。歳をとると体が動かない、結局最後にできるのは歌か書か絵だね」「60の手習いという言葉があるように、芸術の門をたたくのに年齢制限はない。70歳の今から描き始めたけど80歳になったらプロデビューするよ」「長年、料理教室で栄養バランスを指導してきて、どんなに食に気を付けていても結局最後は病気になった。最後に残された時間は絵と祈りに」「定年退職してからやることがなくなった。趣味を見つけるために絵をはじめた。絵を描くのは高校以来だよ、先生に上手いって褒められたんだ」「長唄の先生を80歳までやってきたけれど、もうできなくなりました。足も悪いしこれからは水彩画を楽します。描いた絵を飾るために家にギャラリーも作ったの」「人の意見に聞く耳をもたんといかん。でないと自分の葬式に人が来ないよ」「絵を描いている人に悪い人はいない、みんな天国に行くよ。先生もね」などなど。面白いものもあれば、考えさせられるものもあります。

 みなさんは、高校を最後に美術と触れ合う機会がなくなる人も多いと思いますが、このように歳をとっていくと、最後のほうでまた美術と再会する場があるかもしれませんね。日々、一生涯楽しめるそれぞれの何かを模索して、人生を豊かに楽しんでください!