2023年10月12日 (木)

【第804回】「一日の重み」飯田 小次郎 (地歴・公民)

 私は今年で26歳となった。「ここ数年で私が実感したことは一日一日を大切に過ごす」ということである。そして「何を意識して過ごすか」も大事になってくると思う。
 これまで26年間生きてきた中で私のそばには常に野球があった。野球を通して学んだことは数えきれないほどあり、そしてこれからも更に多くのことを学ばせてくれると思う。ここで私が野球を通して今まで学ばせていただいき今もなお毎日心に刻んでいる事や言葉を少し時系列で書きたい。

 小学生時代:「日本一の練習と心」「成功するには準備をすること」
 中学生時代:「どのような状況でも信念をもって取り組む」
 高校生時代:「感謝・挑戦」
 大学生時代:「ルールを守る、ベストを尽くす、チームワークを作る、相手に敬意を持つ」

 私は以上のことを常に心に刻み、きつくて苦しくても、目の前のことが楽しくて気が抜けそうでも、どんな状況でもブレない自分を持つことを心掛けて日々仕事や私生活を送っている。また、こうやって振り返ってみると野球に直接関係することはあまりなく、自分が生きていくうえで大切なことを野球から学ばせてもらった。

 日々生活を送っていく中で大切にしている事や言葉はありますか?
もし、まだこれといったものがなければ探してみるといいと思う。迷っていればもちろん一緒に考える。同じ一日を過ごすにしても自分がどのような人間になりたいか、どのような成果を残したいかを意識して過ごすのとそうでないのとでは成長にも物事の結果にも差が出てくるはず。ぜひ生徒の皆さんにはなりたい自分に近づくため、目標を達成するために自分が大切にしたいことを一日一日意識して過ごしていってもらいたい。また、皆さんが困ったことや迷いがあれば、ともに考え成功に導ける教師となれるよう、私自身も強い意志を持ち、皆さんとの一日一日を大切に過ごしたい。

2023年10月 5日 (木)

【第803回】「自転車通勤」A. K. (理科)

 私は、晴れている日は自転車で通勤している。電動ではない、ママチャリと言われている18年も使っている自転車なので、生徒の皆さんに追い越されることもしょっちゅうだ。私だと気づいた生徒は、あいさつをしてくれたり、登り坂では「先生、がんばって!」とあたたかい声をかけてくれたりする。いつもうれしくなる。
 自転車の良いところは、運動不足解消で健康的なこと、速度が遅いため新しいお店などを発見しやすく寄り道も簡単にできること、自動車と違って金沢に多い一方通行を気にしなくてもいいところだ。スーパーを3件ハシゴしたり、週末には自分へのごほうびに毎週マフィンを買って帰っていたこともあった(残念ながら5月に閉店してしまった)。お肉屋さんが顔を覚えてくれて少しおまけしてもらったり、コンビニにお金を払いに行ってスイーツの誘惑に負けてしまうことも数知れず・・・。そんなわけで、健康的かどうかは疑問になってきたが、駐車場も気にせずに気軽に寄り道ができる点がいいな~と思っている。
 何でも合理的、時短、効率、最短で、が叫ばれる今日この頃だが、ゆっくり移動や寄り道やアナログの良さも感じている。あっ、あっちにまた新しい菓子店を発見!

2023年9月28日 (木)

【第802回】「国民体育大会」A. K. (保健体育)

 昨年の国民体育大会では、決勝戦で大阪府に0-3と完敗した。こちらが打球したボールの回転量・スピードが足りず、簡単に打ち返されてしまうような状況がたくさんあった。そこで下半身強化の必要性を感じ、今年度からトレーニングの専門家にお願いし、毎週トレーニングの指導をしてもらっている。いろいろなメニューを用意してもらい、ハードな内容もたくさんあるなかで、時には笑いあり・厳しさありと生徒は充実した時間を過ごしている。
 トレーニングを始めてから、だいたい半年近く経つ。最初は、決まった回数のメニューもできなかった生徒が今ではできるようになってきている。また、動きの速さも向上し、下半身の身体の使い方が良くなったおかげで、ボールの威力もあがってきた。
 先日、国民体育大会の組み合わせが発表され、予選リーグから厳しい試合が予想される。こちらの思うような展開になるかわからないが、今年の国民体育大会こそ、昨年よりも高いところに立って、石川県に優勝杯を持ち帰りたい。

20230928

2023年9月21日 (木)

【第801回】「挨拶再考〜最高!」渡辺 祐徳 (英語)

朝,校門に立っていると,たくさんの生徒と挨拶をします.
家庭や部活動で身についたのでしょうか,ほとんどが「おはようございます」と言ったり,会釈をしてくれます.
もちろん中には,何か考え事をしていたり,眠そうな生徒もいたりしますが…

挨拶がしっかりとできる高校生は偉いと思います.
私自身,挨拶の意味に気づいたのは大学生になってからでした.
アメリカ留学をしていた頃に驚くことがあったのです.
遅くまで図書館で調べものをして寮に帰る途中など,学生どうしがすれ違うときのことです.
そんなときは決まって,知らないどうしでも挨拶をし合っていたのです.
“What’s up?” “Not much.” (「何か変わったことは?」「特にない」)
もちろん夜道の安全確認が主な目的ですが,お互いに励まし合っているようで,温かい気持ちになれました.
この経験から,それまでなんとなく挨拶をしたりしなかったりしていたことを反省し,挨拶に対する意識を持てるようになりました.

卒業後,会社勤めをして社員研修というものをたくさん受けました.
挨拶や自己紹介,お客様との接し方にとどまらず,多くのことを学びました.
社内には「おはようございます」とオフィスに入ると,自然と振り向いて同じ言葉を返す雰囲気がありました.
「これが社会人というものなんだ」と勝手に感動していたのを覚えています.
実際,一人でも商談の際に挨拶ができないと,会社や店の印象が悪くなり,売り上げが落ち込むことがあります.挨拶には,それほど重要な面もあるのです.
厳しい言い方をすれば,会社にマイナスになる人に費用をかけて雇い続けるほど,甘くはありません.

「おはよう」の挨拶をしない生徒については,私は特に気になりません.
友達とのおしゃべりに夢中になっているか,朝の時間帯に急いでいるからなのかも知れません.
もしくはかつての私のように,挨拶に対する意識が育つのが,まだこれからなのかも知れません.
でも友達どうしや先生に対してでも,何気ない挨拶があると,お互いの関係がスムーズに行くきっかけになるのではないでしょうか.

高校生の皆さんに,一つの提案をします.学生時代を,社会に出る前の準備期間ととらえましょう.
確かに大人にも「おはよう」と言えない人々が存在します。
しかし皆さんは,毎日の学校生活や周囲との関わりの中で,挨拶だけでなく,人との接し方について学ぶ絶好の機会にいます。

コミュニケーションが上手な人には,自分からよく発言する人,相手の話をよく聞いて言葉を添える人など様々なタイプがいると思います.
学生のうちに自分の得意なコミュニケーション方法が見つけられるといいですね.
挨拶は最も簡単に会話のきっかけを作り,他人との関係を築くのに大いに役立つでしょう.

ぜひ挨拶を習慣化してください.
一日を朝の「おはよう」から気持ちよくスタートしましょう.
きっといい日になるでしょう!

2023年9月14日 (木)

【第800回】「覆すストーリーメイキング」和田 康一郎 (国語) 

 2年「国語表現」の授業で、芥川龍之介の短編「魔術」の続きを書くという、夏休み課題が出ました。完成した短編の続きを考えるのは、難しかった生徒もいることでしょう。ちなみに課題の発案者は私ではなく、本ブログ執筆時点で生徒の宿題作品を読んでもいません。
 「無茶ぶり課題でこそ発想力が磨かれる」と考えて、前向きに取り組んでほしいと思っています。今回も突破方法が幾とおりかあるでしょう。「魔術」本文は、「青空文庫」等でブログ読者に確かめていただきたいです。「私」が魔術を教わろうとして雨の夜にミスラ君を訪問する、前後半に分かれた、プロット(筋立て)がはっきりした短編です。終わったと見える物語の先を続けるには、これまでできあがっている流れを覆す新たな展開が必要です。作中の展開・登場人物を伏線にすることも可能です。
 「覆す」展開の例を、題を失念しましたが、A・A・フェア(米)の法廷ミステリーから挙げます。①~③の弁護士の主張が、陪審員(ばいしんいん。刑事裁判に参加して有罪か否か決める存在)の④により覆されます。
 ① 「皆さんは被告を殺人者だとおっしゃるが、死体は発見されていません。殺害
  されたとされる人は存命で、今日にでも姿を現すかもしれません。」
 ② 「あっ、入口を見てください。被害者とされた人の姿が!」
 ③ 「今のは虚言ですが、皆さんも心のどこかで殺人を信じ切っていなくて、被害
  者が生きていればいいと期待しているから、私の声に反応して入口を注視された
  のではないでしょうか。状況証拠だけで被告に罪を着せないことを、弁護側は希
  望します。」
 ④陪審員A「いや、やっぱりこの人が犯人だ。この法廷でただ1人、入口を見なか
  った人がいる。当事者は死んだと知っている人だ。それが被告なんだよ。」――
 「魔術」には、銀座のクラブの骨牌(カルタ)仲間や、ミスラ君の女中のお婆さんが登場します。その人たちを登場させて、展開プロット案を3例提示します。ストーリーを考える際の、ご参考までに。
1、魔術を教えるのを断ると聞いて、がっかりして私は玄関へ出た。他の部屋から、
 落胆した様子の友人たちも、玄関に向って歩いてきた。
 「なんだ、君たちも来ていたのか。」
 「ああ、欲が捨てられない人物には、魔術を教えられないと言われたよ。」
2、(ミスラ君を欲張りにする。)
  ミスラ君にたしなめられて、がっかりして帰ろうとすると、女中のお婆さんがあ
 わてた様子で、部屋に駆け込んできて、言った。
 「旦那さま、大変です! 先日の男にすすめられて買った株が大暴落しました! ち
 くしょう! あの男の口車に乗ったせいで、旦那さまは大損しましたぜ!」
3、(他の作品の結末展開を付け加える。)
  玄関に来た私は、「俺が引剥ぎをしようと恨むまいな!」と言うと、老婆の着物を
 奪い 取った。足にしがみつこうとした老婆を蹴り倒すと、着物をわきに抱えて、
 外へ駆け出した。外は雨が降っていて、黒洞々たる夜があるばかりである。
 老婆「『羅生門』かよ!」