2015年7月16日 (木)

【第387回】 分かれ道川北 将人 (主事)

 人生には多くの分かれ道があります。
 例えば、あの時他の全てを捨てて、1つのことをがんばり抜く決心と努力をしたから、今、充実した日々を過ごしている。といった大きな分かれ道もあれば、メリハリのない日々を何となく過ごしていたら、行き詰まってしまった。といった小さな分かれ道の連続の場合もあると思います。
 私もこれまで多くの分かれ道の選択をしてきました。例えば大学受験では、心身ともに限界近くまで追い込んで努力し、成果を出したからこそ「やればできる」という自分を信じる心を持てるようになりましたし、その後の人生の選択の幅も広がりました。
 だからどの別れ道を選ぶかで、その後の人生は大きく変わると言えます。

 そしてみなさんがこれから迎える大きな分かれ道に進学、就職といったものがあります。この分かれ道はみんなに平等にやって来ます。選択の期日も決まっています。でしたら、その選択の時に向けてしっかりと準備しないといけませんね。

 ではそんな大切な分かれ道の選択ですが、みなさんはどうやって決めますか?
 今の自分の興味や能力から判断して決めますか?それともある程度先のやりたいことを基準にして決めますか?

 実は進学や就職などについての考え方の手順はアメリカで研究され、モデルができあがっています。そしてその選択の手助けをする職業としてキャリアカウンセラーというものがあります。キャリアカウンセリングに興味があった私は2年前にカウンセラーの資格を取得しました。カウンセリングではその人の興味、能力、価値観を明確にしていきます。これらは進学、就職等の選択において重要な判断基準となります。
 なぜ重要なのかというと、仕事は自分の興味、能力、価値観を表現するものであれば充実感を得られます。逆に興味もない、自分の能力や価値観とも合っていない仕事では退屈で無意味なものになってしまいます。だから重要なのです。進学の選択においてもこの3つを明確にすることは大切です。なぜなら進学は就職という目的を達成するための手段ですので、入学が楽だからと適当に進学しては後々大きく後悔することになるからです。進学を考える際はその先の仕事についてもある程度の方向性を見つけ出しておく必要があります。

 人は人生の中で色々な役割を果たします。子ども、親、学生、職業人、趣味を楽しむ人、市民などが代表的です。仕事が人生の全てではありません。他の役割で自分の興味、能力、価値観を満たすこともできます。ですが仕事は人生の大切な役割の1つですし、生きていく上で必ず果たさなければならない役割です。どうせやらなければならない役割なんでしたら、充実している方が良いですね。

 ではみなさんが今後の進路について考える際の手順をお示しします。
 (1)今、進路選択が必要なことを自覚する。
 (2)自分の興味、能力、価値観を明確にする。
 (3)仕事の方向性を特定する。
 (4)選択肢に関する情報を収集して、選択する。
 (5)選択した職業に就くための教育を受ける。

 人は必要性を感じない限り、何か新しい行動をおこそうとはしないと言われています。ですので、なぜ今進路選択をする必要があるのかを自分が置かれている状況や今後の人生の予測から考えてみましょう。

 そして自覚できたら、次はスタートとゴールを明確にする作業です。スタートとは今の自分のことです。ゴールとは将来自分がなりたい職業人としての理想像です。

 自分の興味や価値観について知る方法は色々とありますが、すぐにできる「ライフラインチャート」をオススメします。
 ライフラインチャートとは、以下の図のように自分の過去の出来事に点数をつけて、出来事を線でつないで作成するものです。手順としてはまず自分史を書き出します。内容は印象に残っているものであれば何でも良いです。例えば、成功体験、失敗体験、生活環境の変化、影響を受けた人、本などです。そしてそれぞれの体験に満足感についての点数をつけ、点を線で結びます。次に、出来上がった山や谷のポイントについて、自分はなぜこの時満足感が高かったのか、低かったのかについて理由を見つけ出します。そして高かった時の理由を見比べてみて共通する興味、価値観がないか探します。低い時も同じように行います。このようにして、あなたが持っている興味と価値観を明確にします。  

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 そして仕事を調べる手段としては、WEBサイトの「13歳のハローワーク」や「リクナビ進学」がオススメです。これらのWEBサイトでは色んな仕事の魅力などについて知ることができます。

 以上のことを通してスタートとゴールを明確にできたなら、あとはゴールに向けて努力するだけです。ゴールするために必要な手段を選び、行動しましょう。大学進学が必要なら大学へ、就職して実践的技能を磨く必要があるなら就職しましょう。

 まだまだお伝えしたいことはありますが、すでにかなり長くなってしまっていますので今回はここまでで失礼します。  みなさんが充実した人生を歩まれることを願っています。

2015年7月 9日 (木)

【第386回】 Every Child Has a Beautiful NameK. S. (英語)

 皆さんは自分の名前を気に入っていますか。
 私は小さい頃、「織」の字を書くのがとても難しく、あまり好きではありませんでした。習字の作品の左端に名前を入れる際には、「織」の字がちゃんと収まらないのではないかと、いつもドキドキしながら書いていた記憶があります。
 しかし、ある日、生まれた頃のアルバムを開くと、そこには私の名前の由来が書いてありました。七夕の前日に生まれたので、織姫から一字とったのだと。また、「沙」と「織」のそれぞれの漢字の意味も載せてありました。
 これを見て私は一気に自分の名前が好きになりました。自分の名前にはちゃんと意味が込められていたということが分かり、すごく嬉しかったのです。
 私は名簿を見るのが好きで、先日の期末試験中も皆さんの名前を見て、「Aくんは夏生まれかな」「平仮名の優しい雰囲気がBさんの今の性格を表しているな」「Cさんの名前もかっこいい」なんて、勝手に考えながら試験監督をしていました。とにかく、どれも素敵な名前なのです。
 もしかしたら自分の名前を気に入っていない人もいるかも知れません。でも、必ずその名前には意味や由来があり、名付けた人の気持ちがこもっているのだということを忘れないでほしいと思います。
 次の自分の誕生日に、保護者の方に生まれたときのことや名前の由来を聞いてみてはどうでしょうか。きっと何か素敵なエピソードがあるはずです。

2015年7月 2日 (木)

【第385回】 生 徒 諸 君 。K. K. (英語)

そこの君,期末試験中なのにこんなものを読んでいてはいけません。お勉強しましょう!
試験が終わって,気が向いたらまた開けて下さい。

私の授業をうけているみんなへ,ありがとう。
机間巡視‐早い話が予習チェックで教室を回るときです‐の際,後ろの席まで行きたいと思うと,生徒達は「ちょっとはダイエットしろよ!」といった本音は噯にも出さず,机と机の間をゆっくりと広げ,まるで私は映画『十戒』のモーゼのような気分で歩くことができるのです。 また,持ち込む教材が多く,疲れて階段の踊り場の付近で小休止していると,「大丈夫ですか。」とか,「持っていきましょうか。」と声をかけてくれます。 本当に心優しい生徒達です。

今月12日に行われた野球部3年生の引退試合(対金沢学院東戦)を観戦しに行きました。
その時に,見事なトンネルを見せてくれたK君、気にすることはありません。君達の先輩である1期生・2期生も,派手なトンネルやエラーを県大会や北信越大会の公式戦でやっちゃっていました。 応援部隊さえ結成できなくて,応援席には保護者と一部の高校野球ファンだけ。 試合途中のグラウンド整備では,ベンチ入りしたメンバーもトンボを使ってならしていた野球部創成期の頃をふと思い出しました。 夏の県大会予選まであと少し。 ガンバレ。

5月の中間試験の1日目が終わったあと,Dデパートに行きました。 エレベーターに乗っていると,途中から,遊学館高校生のカップルが入ってきました。 男子生徒の方は目を携帯電話からそらすことなく,ゲームをしていました。 そこで私は,「こんな所でゲームをするのはやめなさい。」と注意をしました。 男子生徒の方は何やらぶつくさと言っていましたが,女子生徒の方が「すみません。」と謝っていました。 あとになって,あの時私はこう言うべきだったと反省しました。「大切なデートの時に自分だけゲームをして,彼女をほったらかしにするな!」職員室にいきなり入ってきて,「誰もおらん。」と言うのは止めてください。他の先生方もいらっしゃるし,ただ単にあなたが用事のある先生が席をはずされているか帰宅されたかということで, No one is here. ではありません。

一般に黒っぽい服を着ると痩せてみえるといいます。 私の好きな色は青や黄色ですが,着るのはやはり黒とか茶色が多いと思います。 でも,白は必ず太って見える,とは限りません。 女子の夏服のセーラー服は紺のアクセントカラーが効いており,カッティングもフィットするようにしているので,すっきり見えます。それなのにわざわざ太って見えるモコモコしたセーターをその上から着るのが不思議です。 特に3年生。
コスプレでもしない限り,セーラー服が着られるのは期間限定,今だけですよ。

2015年6月25日 (木)

【第384回】 今日の空はどんな空?梶本 朋子 (情報アシスタント)

空を眺めるのが好きです。
家の窓から、車の窓から、外を歩きながら、学校の廊下を歩きながら・・・
いつでもどこでも気付けば空を眺めているような気がします。

入道雲、いわし雲、ひつじ雲、かすみ雲、すじ雲、波状雲、雨雲、飛行機雲...
朝焼け、夕焼け、「天使のはしご」と呼ばれる光のカーテンなど、毎日いろいろな表情を見せてくれる空は本当に見ていて飽きません。
私にとって、空を眺めるのは究極の癒しなのだと思います。

遊学館の中庭からの眺めもなかなか良いものです。
真っ青な空と、真っ白な雲と、鮮やかな緑の木。
皆さんも勉強に疲れたら、何も考えずにボーっと空を見上げてみてはいかがですか?
いい気分転換になると思いますよ。

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2015年6月18日 (木)

【第383回】 山登りK. T. (理科)

日本は山だらけの国です。海無し県はあっても山無し県はありません。でも高山(こうざん)となると話は別です。高山帯というのは標高が高く、背の高い樹木がない場所のことをいいます。石川県には白山という立派な高山があります。白山は日本列島の高山帯の西限に位置する重要な山で、日本に5か所ある高山生態系モニタリングサイトのひとつに選ばれています。

私はかつて北海道の大雪山という山で高山性の植物や昆虫の生態を調べていました。春から秋まで山の上にテントを張って生活し、シャツやズボンはもちろん下着から靴下まで1週間以上着替えることなく全身から悪臭を放ちながら調査をしていました。

大雪山はとても山深い場所なので下界の音が全く届きません。聞こえるのは鳥のさえずりとナキウサギの鳴き声、そして風の音だけです。夕方調査を終えてテントに戻り研究メンバーたちと晩御飯を作って食べ、そして満天に広がる今にも降り注いできそうな星々をしばし眺めて就寝。まさに天国生活でした。

そんな私も最近は山に登る機会がめっきり減ってしまいましたが、白山にはちょこちょこと登り続けています。白山は金沢から日帰り可能で、早起きして車を登山口まで走らせて早朝から登り始めれば朝食の時間には標高2千メートルを越えてしまいます。花や虫を観察しながらだらだら登ってもお昼前には山頂付近にたどり着けます。弁当を食べてからぐるっとお花畑を歩いて、それからゆっくり下山しても明るいうちに登山口に戻ることができます。

いろいろな山に登りたい気持ちもあるのですが、私はなぜか白山ばかりに登り続けてしまいます。数日間隔で登っても、植物も虫も鳥もそして全体の空気感もどんどん変わっていくので、毎回必ず何かしらの季節的変化を味わうことができます。ですから何度登っても飽きることがないのです。

白山は「登ったぞー」と感じることのできる登りがいのある山だし、面積は狭いですが高山帯のお花畑も十分に楽しむことができます。こんな素晴らしい山が石川県にあることはとても幸せなことです。これからも白山には何度でも登り続けていきたいものです。