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2015年1月22日 (木)

【第362回】 強く生きるM. M. (英語)

 1月17日、阪神大震災から20年が経ったことがテレビや新聞等で報道され、当時の被災地の様子や現在の様子が伝えられました。この震災は多くの犠牲者を出し、街は変わり果てた姿になりました。震災当初は、「復旧(壊れたものなどが、もとの状態に戻ること。)」という言葉がよく使われていましたが、徐々に「復興(一度衰えたものが、再び盛んな状態に戻ること。)」という言葉を用いるようになりました。この震災で、人々がつらく、悲しく、恐ろしい思いをしたにもかかわらず、「教訓」として、防災や耐震、隣人とのかかわり方など多くのことを学び、前向きに考え、懸命に生きる人間の強さを感じさせます。
 十数年前に卒業した生徒たち数人と年末に会うのが恒例になっています。彼らの大学生活や仕事の話、苦労話などを聞かせてもらっていましたが、最近は父親、母親になった彼らからの新しい話題が増えて、ますます毎年会って話を聞くのが楽しみです。同時に、悩みや心配事を抱えながらも自分や家族のために一生懸命に生きている彼らの姿も印象的です。この数人の卒業生のひとりは、もともと神戸に住んでおり、阪神大震災のあと避災して金沢で生活していました。彼女は卒業後、家族で神戸に戻り、生まれ育った町で暮らしています。そのため、彼女とは毎年会うことはできませんが、会ったときには明るい笑顔で元気に頑張っている姿を見せてくれます。彼女もまた、自分のやりたいことを見つけ、家族や兄弟の世話をしながら懸命に生きています。
 高校3年間の学校生活をともに送り、卒業後はひとりひとりがそれぞれの道に歩みだしています。在校生のみなさんにもこの遊学館高校での出会いや経験をいつまでも大切にして、自分の歩むべき道を見つけ、困難を乗り越えて前進し、強くたくましく生きてほしいと願っています。