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2021年11月18日 (木)

【第706回】 「伝統を繋ぐ」干場 光将 (保健体育)

2021年11月7日(日)この日は遊学館駅伝競走部にとって大切な日です。毎年、京都府で行われる『全国高等学校駅伝競走大会』の代表校がこの日に決まります。駅伝部は、今年で13年連続14回目の優勝。全国高校駅伝の挑戦権を勝ち取ることができました。石川県内では、駅伝の強い高校として認知がありますが、そんな遊学館男子駅伝競走部が1度だけ負けたことがあります。


14年前。私は遊学館高校の1年生でした。
当時駅伝部は、創部2年目でした。監督の森賀先生からのスカウトで遊学館に進学し、駅伝の強いチームを目標に日々の練習に励んでいました。前年は、駅伝部が創部1年目ということもあり、周りからの注目度は高い中でのレースでしたが、優勝する選手の姿に憧れを持ちました。

しかし、創部2年目の11月。その憧れは打ち砕かれます。
わずか27秒差で全国高校駅伝への挑戦権が絶たれました。敗因は、エースに頼りすぎたということでした。当時のエースは1年生。1年生ながら、めきめきと力をつけ、チーム内でも上位のタイムを出し、当時の1年生全国ランキングでトップの実力がありました。どんな大会でも自己ベスト更新をするエースに私たちの期待も膨らみました。しかし、この日初めて1年生エースは失敗を経験します。1区から1年生エースが3番で帰ってきたと情報が入ると、チームに悪い雰囲気が流れました。なんとか1位との差を詰めることができましたが、追い抜くことはできず、2位という結果に終わりました。何とも言えない虚無感と悔しさがこみ上げたのを覚えています。
14年が経ち、今は男子駅伝競走部のコーチとして活動しています。ほとんどの選手は、強い遊学館駅伝競走部しか知りません。しかし私は、この負けたことがある経験を今の選手にも伝えています。
『勝つことは当たり前のことではない。そして勝つための準備を怠ってはならない。この伝統を繋げていくのは君たちしかいない』

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もうすぐ12月がやってきます。
全国高校駅伝まであとわずかですが、先輩たちの伝統を繋げ、越えられるような走りを楽しみにしながら日々の練習に励んでいきます。