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2025年4月10日 (木)

【第882回】「挑戦」江向 陸 (数学)

 昨年、私は数学検定1級に合格しました。
 数学検定1級は、大学レベルの数学の知識が求められる試験で、合格率は10%程度と言われる、とても難易度の高いものです。もともと私は数学が好きで、「もっと力をつけたい」と、ちょっとした挑戦の気持ちで受験を決意しました。
 久しぶりに「受験生」として机に向かう時間は、新鮮で楽しいものでした。まずは書店に足を運び、自分に合いそうなテキストを何冊か選びました。その後、自分なりにスケジュールを立て、放課後や週末の時間を活用して、コツコツと問題演習に取り組みました。
 しかし、出題される問題はどれも難しく、最初はまったく歯が立ちませんでした。「何をどう考えればいいのかすら分からない」と感じる問題もあれば、「何分かければ解けきれるかな」と思うほどのボリュームに圧倒されることもありました。改めて大学数学のレベルの高さを実感したとともに、「高校3年生のときの受験も大変だったな」と、懐かしい気持ちにもなりました。
 実を言うと、最初の受験では不合格という結果に終わりました。「高校数学はきちんとできているし、大丈夫だろう」と、どこかで気を抜いていた自分がいたのかもしれません。不合格の文字を見たときは、やはり悔しさがこみ上げてきました。しかし、その悔しさが逆に原動力となり、「次こそは合格してやる」と気持ちを切り替え、再挑戦を決意しました。
 2回目の受験では、1回目以上にしっかりと勉強に取り組みました。理解が曖昧だった分野は基礎から見直し、過去問も繰り返し解いていく中で、少しずつ自信がついていきました。その結果、2回目の試験ではほぼ満点という、自分でも驚くような成果を収めることができました。
 皆さんもなにか自分で課題を作って挑戦してみましょう!