2016年10月 6日 (木)

【第446回】 遊学館高校第85回定期演奏会を終えて大嶋 直樹 (芸術)

去る9月23日、24日に金沢歌劇座にて第85回定期演奏会を開催させていただきました。
生徒公演も含め、合計3回の公演に本当にたくさんのお客様にご来場いただきました。

昭和6年に吹奏楽部の前身リードバンド部が創部され、間もなく開催された第一回の演奏会から回を重ね85年が経ったという事になります。おそらく県内の高校生の演奏会としては最も歴史のある行事だと思います。

この伝統ある演奏会を毎年吹奏楽部が演奏を担当させていただく事は、正直私にとっても部員にとっても大きな誇りを感じると同時に、失敗は許されないというプレッシャーもあります。構成面でも演奏や演技の質共に、最低レベルでも前年以上のものを、そして新しいアイディアを盛り込んでお客様に届けたいと準備を進めます。

性別問わず幅広い年齢層、そして吹奏楽に馴染みのある方々から初めてコンサートに来てくださるお客様全てに、会場までお越しいただき、約2時間のコンサートの時間が無駄ではなかったと感じてもらう事は簡単ではありません。

先日のコンサートでも今年のメンバーのテーマ『魅せる遊学』のスピリットが一人でも多くのお客様に届いていたら嬉しいです。

ステージに立って演奏演技するのは79名の部員と指揮者ですが、ステージの裏には舞台監督、音響スタッフ、照明スタッフ、大道具スタッフ、学校関係者、遊学館高校の先生方、卒部生、吹奏楽部保護者会の方々、合計100名以上のスタッフに支えていただきながらコンサートが行われています。

こうして本当にたくさんの方々から応援される部員たちは幸せだなと感じます。

第86回の演奏会に向けても、演奏技術の向上と遊学館カラーを最大限に表現する努力を惜しまず、部員と共に頑張っていきたいと思います。

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2016年9月29日 (木)

【第445回】 歳をとるということO. M. (国語)

 別に威張って言うことではないと思いますが、最近「納豆」が食べられるようになりました。大阪生まれ大阪育ちなので(昔から大阪の人は納豆を食べない傾向にあります。らしい・・)、周りにはほとんど納豆を食べる人がいなかったせいもあって、とにかく納豆は毛嫌いしていました。一度高校生の時にチャレンジして思わず●✕てしまったので、それからというもの「あんな腐ってるものは食べもんやない!!」と公言して何十年かが経ちました。それが去年、突然食べてみようと思い立ち、なんとあっさり食べることができたのです。しかも、美味しいとまで思ってしまったのです。これは、僕にとってまさに「青天の霹靂(へきれき)」【意味】青く晴れ渡った空に突然激しい雷鳴が起こることから、予期しない突発的な事件が起こることをいう。 そして、まるで神の啓示のごとく思える体験でした。
 そうなんです!!歳をとると、初体験なことが実は増えるのです。たとえば、今まで着たこともなかった赤やオレンジの服を着ることができたり、絶対に知り合えないと思っていた種類の人と友達になれたり(例えばミュージシャンやDJや陶芸家と言われる人達)。あまり聞いたことのなかったイタリアやアルゼンチンのジャズのCDを山のように聞いてみたり。ノンストップで10キロ走れるようになったり。それから、猫を飼うということにどっぷりとはまってみたり。
 高齢化社会が問題になり、歳をとることがまるで「悪事」のように世間では言われていますが、歳をとることは悪いことばっかりじゃないんですね、実は。もちろん身体のあちこちが痛くなってきたり、ちょっと夜更かしすると翌日にとんでもなく響いたりしますけど・・・
 というわけで、若い若い、超若い高校生の皆さん。オヤジやおばさんをなめてはいけませんよ。オヤジやおばさん達はみんな歳をとってからできるようになった初体験に心を躍らせ、陰でこっそり牙を爪を磨いて「来たるべき超高齢化社会」に備えているんですよ。
やばいよ~気をつけてね・・・

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2016年9月23日 (金)

【第444回】 山の不思議U. K. (理科)

 山歩きでのことを書こう思うが、途中の景色や高山植物の花が咲いていたという話ではない。不思議な体験をしたという話である。
 前任校にいたころ、夏休みに北アルプスの常念岳に上った時のことだ。久しぶりの山行で、一人で登山客に人気の表銀座を歩く計画を立てた。朝8時に、一の沢の登山口から登りはじめ、午後1時ころに常念小屋に到着、一休みして3時半から常念山頂に上ろうと小屋を出た。荷物もないことだし、頂上まで1時間もかからないだろう。ゴロゴロした石とハイマツのなだらかな斜面には、同じく山頂を目指す登山客も前を歩いているのが見える。だんだんと体力は落ちており、午後の登山は足にこたえてきており、前を行く登山客からどんどん引き離されていることに気が付いた。そうこうするうちに雲が出始め、山頂が見えるところまで来たときには、他の登山客はすでに下山するところだ。頂上までは自分の他には誰もいない、心細くなってきた。
 もう少しで頂上というところまでたどり着き、青息吐息で人の体くらいの岩石に手をかけた、ちょうどその時のことである。今から数万年前、銀河のはるか向こうで巨大な恒星の一つが、星の命を終えようとしていたと想像してほしい。すんなりと暗くなって衰えていく代わりに、大爆発とともにその終焉を迎えた。これが超新星爆発である。その星をなしていた物質は、ほとんどが原子のかけらとなって、超高速で宇宙に放り出された。そして今、一つのかけらが太陽系の第3惑星に届き、いき絶え絶えの中年登山客の脳髄を貫通した。彼の脳髄は何ら損傷を受けてはいない。ただし、一つの神経細胞のシナプスの小胞に影響を与えたらしい。シナプス小胞からアドレナリンが放出されて、目覚めたように彼は頭を持ち上げた。眼の前に、西に傾いた太陽の光線に照らされた、穂高連峰の雄大な景色が広がっていた。
 超新星の話は冗談ですが、山で色々な不思議な体験をしたという話は、古今たくさん本に書かれている。あたかも、ヒトがまだ野山を駆けていた時の感性が甦り、忘れていた昔を思い出すように。忙しい現代人は、遠い過去を思い出すために山に登るとも考えられる。
(一部、X染色体_男女を決めるもの_ ベインブリッジ,デイヴィッド著 を参考にした

2016年9月15日 (木)

【第443回】 SNS植木 大 (保健体育)

 「SNS」とはソーシャル・ネットワーク・サービスのことです。簡単に言えば、フェイスブック・ツイッター・ラインなどのソーシャルメディアを構成する具体的なサービスのことです。
 高校生の多くが「SNS」を利用していることでしょう。私も便利なので利用しています。 ただ、「SNS」は常に危険と隣り合わせだと言うことを忘れないでください。Jリーガーやプロ野球選手、芸能人など「SNS」で人生が変わってしまった人は少なくありません。少しの書き込みや、写真の掲載で家族まで迷惑をかけてしまうことも・・・
 「自分は有名じゃないから大丈夫!」と思っていませんか?そんなことはありません。誰でも失敗する可能性がありますし、誰かに狙われていることもあります。後で後悔してからでは遅いので、しっかりした知識と使い方に気をつけましょう。
 今からすること!過去の情報を確認し、まずいなと思ったらすぐに削除しましょう。
 例えば、友達の写真やプライベートに関する書き込み、違法行為、ふしだらな画像、配慮に欠けた情報発信、人への誹謗中傷などはすぐに削除してください。また、友達の投稿にも自分のことが書かれている場合もあります。削除して欲しい内容は削除依頼しましょう。
 これから上手に「SNS」と付き合うには、送信する前に内容を確認しましょう。人は興奮した状態や落ち込んだときなど、感情が高ぶったときに失敗しがちです。後悔しない内容であるか、誤解をまねく内容でないかを確認しましょう。自分はそんな気持ちで書き込んだつもりでなくても、他人からみたら、自慢や妬みになってしまうこともあります。
 プライベートに関する書き込みや写真の掲載には気をつけてください。「SNS」は全世界に情報を発信します。プライベートを全世界の人に教えることになります。今が良くても大人になってから傷つくことも・・・
 後で後悔しないためにも、送信前に冷静になって確認しましょう。
 「SNS」は上手に付き合えば、無限の可能性をもっています。ただし、使い方を間違えると人生を台無しにする可能性もあります。そのことを常に頭に入れておいてください。
 ある講習会で聞いた言葉です。参考までに!

【マザーテレサの言葉】

・思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
・言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
・行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
・習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
・性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

・送信ボタンに気をつけなさい、それはいつか価値になるから。

2016年9月 8日 (木)

【第442回】 「イチローが嫌いだ」I. I. (国語)

 「イチローが嫌いだ」は、リオジャネイロオリンピック期間中、テレビで流れていたある企業のCMです。
 それに関するあるブログを引用してみたいと思います。

42歳という年齢ながら、未だ躍動感あふれるプレーを見せるイチロー選手。

日本のみならず、アメリカでも多くの人から愛され、尊敬を集めるイチロー選手を、公に「嫌いだ」と語る4人のアスリートが出演する動画が注目を集めています。

動画に登場するのは国際大会でも活躍する、競泳の一ノ瀬メイ選手、車イステニスの三木拓也選手、走り幅跳びの芦田創選手、そして棒高跳びの山本聖途選手の4人。

「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、限界という言葉が言い訳みたいに聞こえるから」一ノ瀬メイ選手

「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、自分にウソがつけなくなるから」三木拓也選手

「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、努力すら楽しまなきゃいけない気がするから」芦田創選手

「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、どんな逆風もチャンスに見えてくるから」山本聖途選手

素晴らしい結果を残し続けているにも関わらず、まだ上を目指し続けるイチロー選手を尊敬しているからこそ、あえて「嫌いだ」と語る4人の選手たち。

そして、動画はこう続きます。

でも、同じ人間のはずだ。

「イチロー選手にできるのだから、自分にできない理由はない」という強い意志を感じる言葉。

そして、それはそのまま私たち一般の人たちにも当てはまる言葉なのかもしれません。

「どんな状況やどんな環境、さらにはどんな年齢になったとしても上を目指し、努力し続けることでしか何かを成し遂げることはできない」

胸に突き刺さるトップアスリートからのメッセージです。

 僕のように平凡でたいした努力をしていない人間には悲しくなるくらい素敵な話です。
 でも遊学館には、イチローのように高い志を掲げて、努力している生徒がたくさんいます。
 イチローのようになれなくても、イチローのように努力することができるはずだと信じて頑張っている生徒がたくさんいます。
 そんな生徒を応援するのが僕ら遊学館教員の仕事です。

 頑張れ、遊学生!