2018年3月15日 (木)

【第520回】 『今年度を振り返って』尾谷 力 (地歴・公民)

 平成29年度も残すところ後僅かとなりました。

 私が担当する女子駅伝競走部の活動も3月18日に長野県で開催される駅伝大会を残すのみとなりました。

 3月1日の卒業式では、部員も6名と少なく寂しい年に入部してくれた平床杏実さんと吉田優海さんを送り出しました。
 この年は少数ではありましたが努力が実り、最大の目標である全国高校駅伝大会に石川県代表として出場する権利を得ることができました。
 この結果が転機となって翌年以降たくさんの仲間が集まるチームとなり、現在の活動に結びついたと考えています。

 今年度を振り返ると、

    4月 全日本競歩輪島大会     ジュニア女子10km競歩  優 勝
    7月 全国インターハイ      女子5000m競歩     失 格
   10月 国民体育大会        成年女子5000m競歩    8位
   11月 石川県高校女子駅伝競走大会                2位
   12月 山陽女子ロードレース    登録10km        27位
    1月 皇后杯全国女子駅伝競走大会 石川県チーム7区    区間27位
       一色ハーフマラソン     ハーフマラソン       優 勝
    2月 全日本クロスカントリー   アンダー20 6km    40位

と、うれしい結果も残念なレースもありましたが、1年間事故なくよくがんばったなと思います。

 しかし、なんといっても2秒差で惜敗した県高校女子駅伝競走大会が印象に残ります。ゴール直前まで優勝校と併走していましたが、僅かの差で全国駅伝への出場権を逃すことになりました。

 また、3月7日より卒業した、吉田さんかスイス南部のルガノで行われる、ルガノ トロフィー 2018に参加すべく女子駅伝部としては初めての海外遠征に参加させていただいています。

 今となってはあっという間に過ぎたような1年間ですが、本当に色々なことがありました。その中で時には私自身はもちろん選手のみんなも受け入れがたいこともありました。
 しかし、そんな時こそ「本当の姿が問われている」とみんなで声を掛け合って踏ん張ってきました。そのかいあって、楽しい思い出もたくさん作ることができました。

 特に2秒差での惜敗は、卒業していく二人にも、在校生にとっても、もちろん私にとっても大きな戒めとなっています。

 3月末には県内外から5名の新しい仲間がチームに加わってくれます。新たな仲間を加え、これまでの卒業生が残してくれた戒めを胸に、改めて頑張りたいと思います。

3003151_3寮食でのひとコマ『 今年は南南東 』

 

3003152_2ルガノの街を歩く吉田 優海選手(四月からは国士舘大学体育学部に進学)

2018年3月 8日 (木)

【第519回】 卒業生の活躍M. Y. (保健体育)

 2018年1月2日、本校卒業生である山本修二(東洋大3)、田中龍誠(東洋大1)がそろって箱根駅伝の往路に出場した。今年の箱根駅伝は青山学院大学が優勝候補の本命であり、決して東洋大学は下馬評が高いわけではなかった。それでも1区から先頭を走り、3区の山本修二には僅差ではあったが、22秒の差で襷が渡された。一時は10秒以内まで詰め寄られたものの最後は2位に46秒差をつけて見事区間賞を獲得した。また5区の田中龍誠は、1年生で初の箱根駅伝挑戦となった。そのプレッシャーはとてつもなく大きかったに違いない。彼は、後続との差を詰められながらも先頭でゴールし、箱根駅伝の往路優勝に貢献してくれた。
 続く2018年2月25日、本校卒業生の山本憲二(マツダ)も東京マラソンにおいて2時間8分48秒で日本人5位に入り、東京五輪最終選考レース(MGC)の出場権を獲得することができた。山本憲二は山本修二の兄であり、本校駅伝競走部の1期生である。高校時代から負けず嫌いでとにかく練習を頑張っていたその姿は今でも鮮明に思い起こされる。今回の結果は、そんな彼が目標としている東京オリンピックのマラソン出場に向け、一歩近づくことができたと思う。オリンピック出場は簡単ではないと思うが、是非、目標に向け頑張ってもらいたい。
 この2つのレースの後には、たくさんの方からお祝いのメッセージをいただいた。指導者としては非常に嬉しい瞬間である。卒業生たちの活躍に勇気をもらい、自分自身もまた、新しい気持ちで生徒たちと共に目標に向けて頑張っていきたいと思う。

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2018年3月 1日 (木)

【第518回】 冬季オリンピックを観て思ったことO. M. (国語)

 「隣の芝生は青く見える」という言葉がありますよね。自分の周りのものがよく見えてしまい、比べては悩み、そしてねたんでしまう気持ちのことを言います。そんな風に、とかく私たちは何かと言えば、すぐに誰かと比較して、そして誰かのことを悪く言ったり、蹴落として自分だけがいい目をしたいと考えてしまいます。人間ってつくづく嫌な生き物ですよね。
 今回、冬季平昌(ピョンチャン)オリンピックを観ていて、ひとつ気づいたことがあります。それは代表の選手達がインタビューで「自分のために頑張った」・「自分に勝った」・「みんなのおかげで乗り越えることができた」と心から自分の頑張りを表現していることです。今までのように「国の代表として勝たなければならない」・「皆さんの期待に添うように何としてでもメダルを取りたい」といった必死感いっぱいの気負いのセリフがあまり聞こえてきませんでした。
 一方でマスコミは「宿敵〇▲国に勝て」とか「〇▲国との因縁の対決」とか「無念!!〇▲国に惜敗」とか言って、どこかの国と争い、どこかの国に勝ってメダルを取ることが全てで、相手を蹴落とし、ねじ伏せ勝つことが美徳とでも言わんばかりに、選手や私たちをあおり立てます。
 しかし本当のアスリートは、そんなちっぽけな勝ち負け感情よりも、自分に対してどれだけ満足できたかが問題で、「本当の敵は自分の中にあり。」と言いたいのではないでしょうか。フィギュアスケート金メダリスト羽生結弦くんの言った「自分に勝つことができた。右脚に感謝。」というセリフが何よりもそのことを物語っているのだと思います。
 これだけ情報が世界中を駆け巡り、選手も海外で練習して、ワールドカップを転戦していると、国や人種なんかは越えてしまって、個人・人間そのものの競い合いになってくるのでしょう。その中で互いを尊敬してリスペクトし合って高め合っているのです。羽生君が「みんな同じスケートリンクで滑っている仲間。」と語ったのは本当に印象的でした。
 確かに「隣の芝生は青く見える」けれど「うちの芝生も青いですよ」と言えたら、そして青くするために誰と比べるわけでもなく、自分が満足できるように芝生の手入れをして努力することができたらいいなあと思えた、オリンピック観戦でした。

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2018年2月22日 (木)

【第517回】 「冬を越えて」宇多 颯 (地歴公民)

第137回北信越地区高等学校石川県大会3回戦で北陸学院に7対6で負けてから
早くも5ヶ月が経とうとしている。
今のチームは昨年の夏から主力となっている選手が多くはっきりいって能力は高い、
しかし、その能力に甘んじて自分に厳しい課題を課すことのできない選手が多くいた。
そのため、自分に対しての不安、相手の勝利への執念に圧されてしまい
本来の力を発揮できずに終わってしまった。
遊学館野球部の練習時間は他の野球部と比べ短く、自主練習を主にしているため
悔しい思いを糧に選手ひとりひとりが、自分色の冬を過ごすことができた。
もうすぐ雪が溶けて球春がやってくる。

この冬を越えた君たちが春・そして夏、どんなプレーをするか私は楽しみにしている。

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2018年2月15日 (木)

【第516回】 「自然が教えてくれたこと」植木 大 (保健体育)

 金沢に来て22年、初めて大雪を体験しました。これまでは、県外の方から雪のことを聞かれても「金沢はたいしたことないですよ」と答えていたが、改めて自然の怖さを体験することになりました。交通機関は麻痺し、学校も数日休校になりました。特に毎日の除雪作業には心身共に疲れました。しかしながら、新しい発見もありました。ボランティアで除雪作業に励む生徒たち、雪で身動きがとれなくなった自動車を救助する人たち、小学生の通学路を確保するために深夜にわたり除雪する人たち、沢山の方々が誰かのために行動していました。
 私は部員に「自分の置かれている環境や状況が良いときは誰でもプラスの判断・行動が出来る。大切なのは自分が上手くいかないとき、逆境に経たされたときに、どう判断し行動できるかが、今後の人生やプレーに影響を及ぼす。」と伝えています。上手く行っているときは普通に振る舞えばいいと思います。肝心なのは苦しい状況に経たされたときに、どう行動できるかだと思います。苦しいときにこそ、人間力の違いが明確になるのではないでしょうか!
 大雪や震災など、時々自然は意地悪をしてきます。悲しいことや苦しいこともありますが、学ぶことも多いのでは・・・人の温かさや大切なことを教えてくれていると思います。
 卓球のナショナルチームのユニホームには「WASURENAI 3.11」とプリントされています。大雪で感じたことを忘れずに、自分も含め、生徒と共に人間力を高めていきたいと決意しました。