2020年8月 6日 (木)

【第640回】 「誰かのために」向江 大輔 (地歴・公民)

現在、全国各地で高校野球の独自大会が開催中である。

この大会が始まるまでには、多くの方々のご尽力があり、そのおかげで高校球児たち、特に3年生は最後の大会に向けて闘うことができ、とても感謝の気持ちでいっぱいである。

正直、ここにくるまでチームの状態はあまり良くなかった。休校期間の影響か、やはり1番は甲子園に繋がらなくなったからだろう。士気はなかなか上がらない。

何度も何度もキャプテンがチームに訴えかけ、何度も何度も涙を流し3年生を奮い立たせてきた。一緒に泣いてくれる仲間も多くいた。

ここへきてやっとその成果が表れてきていたその矢先、準々決勝での敗退を喫してしまった。

本当は、後1週間で今年のチームがどこまで成長できるのかをこの目で見たかった。

3年生には道半ばで終わってしまった悔しさや後悔。これを忘れずにこれから進んでいってほしい。そして、次こそは野球以外のことで後悔や悔しい思いをしない人生を歩んでほしい。

野球を引退した後も野球で学んだ人間力を生かして、君たちはまだまだ成長する。
そして、「誰かのために」行動できる社会人になってほしい。
3年生のみんな、本当にありがとう。

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2020年7月30日 (木)

【第639回】 「鉛筆デッサンをうまく描くには?・・・鉛筆の種類を知ろう!」光谷 和子 (芸術)

 鉛筆デッサンをうまく描くには、いくつかのコツがあります。
まずは、光や影などの明暗を、白~灰~黒の“濃淡”を使って描き分けるというのは想像できると思います。
そして、線を網掛けのように重ねて描く“クロスハッチング”という技を使えば立体的な表現ができます。
また、モチーフ(描く対象)の接地面から発生する“影”を描けば、存在感や重量感を表現することができます。
後は、“質感”を表現できれば完成です。
質感はモチーフそれぞれが持つ物質感です。
ガラスや金属は硬い、タオルは綿は柔らかい質感であるということです。
この質感をどうやって表現するかというと、実は、鉛筆の種類を使い分けると良いのです。

 日本JISには鉛筆は全部で17種類あります。
芯が柔らかく黒が濃いほうから 6B・5B・4B・3B・2B・B・HB・F・H・2H・3H・4H・5H・6H・7H・8H・9H で、9Hがもっとも芯が固く黒が薄いです。
BはBLACK(ブラック・黒い)の略です。
HはHARD(ハード・硬い)、FはFARM(ファーム・引き締まった)という意味になります。
文字を書くにはHBか2Bが適しており、クロッキー(速写)を描くには2B~4Bあたりを使います。
 さて、これらを使ってデッサンの質感をどう表すかというと、例えばモチーフに「ガラス、新聞紙、桃」がある場合を考えてみます。硬い「ガラス」には2H~Fぐらいの鉛筆を使います。「桃」などの柔らかいモチーフには2B~3Bあたりの鉛筆を使います。その中間の固さのイメージの「新聞紙」にはHBやBを使うといった具合になります。鉛筆の種類を変えるだけで質感が出てくるのです。
 デッサン力を向上させたい人は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

2020年7月23日 (木)

【第638回】 「5分間がおしえてくれたこと」道上 ちひろ (英語)

 先日、かかりつけの病院を受診したときのことです。
いつもの看護師さんが私の手に触れ「いつもより手が冷たいですが、お変わりはないですか?」
と話しかけながら、腕から手のひらをさすり温めてくれました。
“人との距離を取りなさい” “人との接触を避けなさい” これまで経験したことのない異常とも思える環境に慣れはじめている私にとって、そのためらいのない対応に温かな気持ちがわき上がりました。

 また別の場所からは、何度も優しく
「~さん、マスクを外さないでね、そのまま診察しますからね。」そんな看護師さんの声が聞こえてきました。何度もマスクを外そうとする少し耳の遠いご老人に話しかけていたのでしょう。

 さらに看護師さん同士の会話が聞こえてきました。寒くなり風邪やインフルエンザ、そして新型コロナウイルスが同時に流行しはじめた際にどのように対応すべきなのか。いろいろな意見が交わされていました。

 世界中が新型コロナウイルス感染を恐れるなか、たった5分という時間でしたが、看護師という職業の尊さを少しだけ垣間見れたように思います。

 そのような状況を目の当たりにすると、最近よく報道されている看護師をはじめとした医療従事者への待遇などがとても悩ましく思われます。

 遊学館には、看護師や理学療法士、作業療法士など医療に関わる職業を目指し学業に励む生徒がいます。いままさに、100年に一度とも言われるこの極めて困難な状況を乗り越え、こころざしを叶えようとしています。将来、そんな彼らの置かれる環境が本当の意味で輝ける場所になっていることを願わずにはいられません。

金城大学コース(看護・医療健康コース)放課後補習

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 未来の看護師です!

2020年7月16日 (木)

【第637回】 「おもしろく生きる」水本 勝也 (英語)

 私は普段、生活の中でいつも「面白い何か」を探しています。通勤中に見かける歩行者の行動や、スーパーに買い物に行ったとき聞こえてくる周囲の人たちの会話など、気にしなければ何でもないことでも、注意しているとその中に面白いことが転がっています。

 以前、ある海沿いの道を、日本海を横目に車で走っていると、信号機に地名が「内寄」と書かれていて、1人心の中で「いや、いちばん外側やろ」とツッコんだことがあります。

 昔から何でも観察することが好きな性格で、そんな風に視界に入っている景色の中で何かが起きないかと常に考えていました。その内、普段の自分の生活で起こる出来事をどう話せば面白く伝えられるかを考えるようになると、何か起きるのを待つ“受け身”の状態でいることがなくなりました。そうしてなんでも「面白い」にしてしまうことで、イライラしたこともストレスとして自分の中に蓄積されることが減ったのです。

 例えば些細なことで妻とケンカした後「このケンカを人に愚痴るよりも、面白く話して笑いにしてしまおう」と思うようになってから、ケンカの後のイライラがすぐに無くなるようになりました。

 おそらく誰でも生きていて「面白い」方がいいですよね。それは単に「笑える」ことに限らず、興味深いものが見つかったり、夢中で好きなことに没頭したり、「面白い」の種類は人によっても状況によっても異なります。ただ、面白いと感じることが少ない人は受け身の人じゃないでしょうか。「仕事が面白くない」と言う人は、自分から仕事を面白いものにしようとしていないだけだと私は思っています。それは学校生活や家での生活、人間関係など、色々なことに言えるはずです。

 最近何をしていてもあまり面白くない。と思っているそこのあなた。どうすれば面白くなるか、考えることから始めましょう。小さなことでもそうして考えていると、何でも面白くなってきます。

 何か一つでも普通のことを面白くしようと思いながら毎日を過ごしているので、私は自分の人生が面白くてたまらないのです。

2020年7月 9日 (木)

【第636回】 「やっと元に戻った」M. K. (数学、情報)

 コロナ禍により2月の末から緊急事態宣言が発令されて、3月から5月にかけて学校は休校を余儀なくされ、校舎は正直単なる箱にしかなかったように見えた。
 従来のように、沢山の生徒達がそろい、授業を受け、休み時間は生徒たちが元気よく騒いでいる姿は訪れるのだろうかという一抹の寂しさがあった。そして放課後の課外活動に励むことができるのか心配だった。テレビを見るとコロナ対策の番組が多く、リモート出演の番組がやたら目立っていた。
 いよいよ迎えた6月1日。分散登校とは言っても、学校に活気がみなぎったのは確かであった。学校は生徒がいないと成り立たないことを改めて感じさせられた瞬間だった。そしてそこには何か新鮮さが心の中にあった。
 6月15日。それは分散登校が終了し、全員が登校することになった日。やっと元の姿に戻れ、生徒も教職員も以前と同じ姿に戻り、小さな平和が訪れている気がしてならなかった。
 1年生にとっては高校生活の始まりで、授業においてはどこかたどたどしく、落ち着かない感じがしたが、‘宝の持ち腐れ’になることなく、自分の持ってる力を発揮してもらいたい。
 2年生は1年間を通して、長所・短所を見直し地に足をつけて、自分のやるべき道へ向かって行動してほしい。
 3年生は修学旅行がなくなり、部活動に励んでいる生徒は、高校総体・総合文化祭が中止になるなど何かぽっかりと穴が開いてしまったように感じるが、目指す進路を考えたら油断禁物である。3年生の中には空き教室で勉強している生徒もちらほら見受けられる。これからはちらほらでなく、沢山の生徒であってほしい。そうなれば学校は活性化する。自分を見失わず、目的に向かって頑張ってほしい。来年の卒業式こそ晴れやかな表情で迎えられることを願っています。
 やっと元に戻った学校がコロナ禍によってプラスに転じたと思えるように私も頑張っていかねばならない。