2020年4月16日 (木)

【第624回】 「2020年に思うこと」N. H. (保健体育)

 新学期が始まりました。411名の新入生を迎え、新鮮な気持ちで新年度に取り組んでいこうと思いますが、新入生だけではなく、新2・3年生もまた我々教職員や保護者の皆様も個々に期する思いがあると思います。

 しかし、2020年の幕開けとともに新型コロナウイルス感染症が中国から全世界に拡大し、現在もなお猛威を振るっております。日本も内閣総理大臣が緊急事態宣言を発出したにもかかわらず東京都を中心に感染者が増え続けています。石川県も少しずつ感染者が増加しており、いつ生活環境が汚染されるのか不安はありますが、不要不急の外出や日頃から意識しない手洗いなど出来ることをしていくしかないのかなと感じております。

 今回の感染症に限らず、常日頃から“自分には関係ないから”“自分は大丈夫だろう”などその根拠のない自信はどこから湧いてくるのだろうと不思議でなりませんが、他人事や無責任な行動を慎むことを改めて考えさせられました。

 いつかは終息が来ると思いますが、日常の生活が送れるようになることを祈っています。

 暗いニュースばかりで気持ちが滅入りますが、この状況を皆で乗り切り、できるだけ良いスタートができるように準備を入念にしていきましょう!

2020年4月 9日 (木)

【第623回】 「遊学の桜」松田 淳 (地歴・公民)

202004091_2教頭の松田淳です。
新型コロナウイルス感染症対策のために、
本校は4月10日(金)~5月2日(土)まで
休校措置を取ります。
学校の中は臨機応変に対応しつつも、
日々てんやわんやです。
今回はお忙しい先生方のピンチヒッターとしての登場です。(笑)

4月8日(水)午後1:30、これから入学式が始まります。
2日前に急きょ、保護者の方のご参列をお控えいただく旨のご案内を
ホームページから差し上げました。
保護者の皆様には大変申し訳ありません。
本校は県内全域、県外は全国各地から新入生が入学してくれています。
そして毎年、県内外から多くの保護者の方に式典にお集まりいただいています。
結果、学校として感染リスクを減らすために、「密集」の数を
少しでも減らすことからのお願いとなりました。
何卒ご理解お願いいたします。

私たちが右往左往する中で今年もまた「遊学の桜」は綺麗に咲き誇っています。
遊学館高校の敷地内のいたるところに桜の木があります。
自然は永遠に、その生命を静かにひたすら静かに繰り返しているのですね。
毎日の通勤途上の兼六園の様子も、春夏秋冬、
日々鮮やかな風景を観ることができます。
私は、やはり春の兼六園、桜の兼六園が好きです。

今年は新型コロナウイルス感染のため、児童・生徒の学校生活に
大きな影響が出ています。
延期、中止、とりやめなど、今まで節目節目に味わえた学校行事や
学校生活の思い出がコロナウイルス一色になってしまう哀しさがあります。
しかし、私自身、教師になって35年…
今まで生徒たちを見続けて思うことがあります。
生徒たちは私たち大人が思う以上に強さと、しなやかさを持っています。
自らベクトルを次に(前に)切り替えできる対応力を持っています。
たくましいです。
私はその若者の力を信じています。
信じるからこそ、この教師という仕事が大好きなのです。

今、「遊学の桜」の中のひとつ、体育館前の桜が登校してくる新入生たちに、
“たとえ何が起っても、その瞬間できることにベストを尽くしなさいよ…”と、
優しく励ましてくれるかのように桜吹雪で包み込みながら迎えてくれています。
その真新しい制服の肩や黒髪には桜の花びらが贈られています。
生徒諸君、保護者の皆様、ともに頑張りましょう。
この状況の中でも楽しさや充実感、
そして、やりがいはところどころにちりばめられています。
心の持ち様で見方や考え方、歩み方も変わります。
日々、「何事も前向きに!何事も感謝の気持ちを持って!」…ですね。ファイト!

202004092

2020年4月 2日 (木)

【第622回】 「祈り」中川 都 (国語)

 令和2年度が始まります。今年度の新任の先生の中に本校の卒業生がいます。私は彼の2年生・3年生の時の担任でした。彼は在学中野球部に所属し文武両道を実践し、高校生らしい正義感の持ち主でした。主将としての責任と仲間に真正面から向き合い、誰よりも真剣に練習をし、甲子園出場を果たしました。野球部を引退してからは、大学合格に向けて一生懸命に勉強に取り組みながら、クラスの友人たちと親しみ、学校行事を楽しみ、充実した毎日、高校生活というのは、こんなに素晴らしい時代なのかと彼達を見て思いました。本校で学校生活を送る生徒達を見ると、高校時代というのは、何とエネルギーに満ち、密度が濃く、キラキラ輝くことのできる時代なのかと思います。
 今世界は、新型コロナウイルスの猛威にさらされ、感染拡大を防ごうと、東京オリンピックの延期、春の高校野球選抜大会の中止、様々なイベント・大会が延期や中止になっていますが、収束の見通しは立っていません。学校生活がまた、大きく制限されることが起きるかもしれません。そうならないように、高校生達がこの素晴らしい時期を、キラキラ輝きながら過ごすことのできる日々になるように祈っています。

2020年3月26日 (木)

【第621回】 「敬礼」中川 光雄 (保健体育)

 私が顧問をしている野球部から今年度32名の部員が巣立っていった。この中に、私が将来なりたかった職業のひとつである[警察官]を目指した部員が3人もいた。彼らは甲子園で活躍することを目標に、野球の練習に打ち込んでいたが、残念ながら3人ともレギュラーには一度もなれず、公式戦でプレーすることはできなかった。しかし、チームの勝利の為にレギュラー陣と競争する傍ら、これからの野球部を背負っていく新入生の練習を手伝ってくれる心優しい誠実な部員であった。
 彼らが進路実現のための本格的な勉強を始めたのは、3年の夏、星稜に敗れて高校野球が終わってからだろう。この時の学力では、「警察官採用試験」の合格は正直厳しいと思っていた。3人にも不合格だった時のことも考えておきなさいと何度も話をしていた。ところがこの3人は、私の予想を大きく覆す素晴らしい結果を残すまでに力をつけていった。夏休みは起きている時間のほとんどを勉強に費やした。2学期に入ると学校では勉強、放課後は体力試験のためにトレーニングを続けた。野球部の朝礼で毎日顔を合わせていたが、日に日に顔つきが凛々しく変わっていくのがわかった。採用試験合格という目標に向かって勉強に打ち込む姿の中に、野球の練習の中で培った粘り強さと不屈の精神が表れていた。しかし、合格のために勉強しているのは彼らだけでなく、警察官になりたい全国の人たちも同じことである。合格発表前日までは3人のうち1人だけでも受かってくれたらと願っていた。合格発表の日、私は期待より不安が多く、不合格だった時のフォローの言葉ばかり考えていた。

 結果はなんと3人全員合格だった。

 私は卒業式の日、これからそれぞれの場所での活躍を祈念し、部員全員にかたい握手をさせてもらった。この3人にも力をこめて握手した。

 〔敬礼〕とは「相手に敬意を表明するために礼をすること」という意味で、下位の者が上位の者に対して行うのが一般的だそうだ。これから3人は警察学校へ入学し、約1年間の研修期間に入る。3人がこれまでと同様に真摯に取り組む姿が想像できる。1年後、社会に出て警察官になる彼らに出会った時は握手でなく、〔敬礼〕させていただく。

 世のため、人のために働く卒業生へ〔敬礼〕。

2020年3月19日 (木)

【第620回】 「見守り隊。見守られ隊?」~お父ちゃん!生存確認~寺山 いずみ (養護)

 令和2年3月6日(金)、通勤する私の視野から、中学生・小学生が消えた。少し前に高校生も消えた。コロナウイルス感染対策のため、学校が臨時休校となったためです。お父ちゃんの生存確認が、出来ない・・・・。
 実家の父は、私の母校の犀桜小学校(旧 新竪町小学校)の小学生の登・下校時に「見守り隊」をしています。毎朝、鱗町交差点の地下道の傍に立っているので、私は通勤時に、車の窓を開けて手を振り、父の姿を確認するのが日課になっています。
 父は、20年以上「見守り隊」を続けています。父の活動を何気なく見てきましたが、最近、同級生に「お父さんには、子どもたちがお世話になったの」とか、実家の近所で「お父さん、お元気?息子は中学生になりました」とか、犀桜小学校出身の本校の生徒に「えっ!娘さん?お父さんによろしく!」とか言われて、父が毎日続けてきたことを、周囲の人から聞くことがあり、うれしく思っています。
 そんな父も89歳です。見守り隊?どっちが?いいや!見守られ隊?とも思います。が、今年度になって、父が「朝、遊学館の生徒が、お父さんに挨拶するんだよ!」と、嬉しそうに話をします。本校の男子卓球部の生徒が朝の見守り隊に加わりました。生徒たちも始めの頃はぎこちない様子でしたが、今は、見守り隊の方と話をしたり、小学生とタッチをしたり朝の和やかな様子が見られます。犀桜小学校から、「見守りをありがとう。」「元気なあいさつをありがとう。」と、素敵なお礼の言葉の寄せ書きが遊学館に届いていました。
 見守り隊のお年寄りと小学生の朝に、高校生が加わり、見守られ隊?の家族としては心強いかぎりです。ありがとうございます。朝、卓球部の生徒と共に、小学生と父を温かく見守って下さる、本校の先生方にも感謝です。
 4月!新学期には、コロナウイルスも終息し、元気に地域の日常が戻ってくることを心から祈ります。そして、朝、お父ちゃんの生存確認をし、男子卓球部の生徒たちの爽やかな姿を見ながら元気に登校したいと思います。

20200319