2020年5月21日 (木)

【第629回】 「Every Cloud has a Silver Lining」マーク ヒーギス (英語)

Everyone, are you genki? Are you being responsible and staying home as much as possible? Are you completing you homework? I know these times might seem a little difficult now, but at times such as these, I often think about an English expression to help relieve some of the stress that may be present in this situation. That expression is “Every Cloud has a Silver Lining”. In English, it means that after a difficult situation, there will be happy times ahead. I want you to think of those future happy times.

Every day, all the teachers at Yugakkan are working so hard to make your homework and preparing lessons for when you return. We want you to have a happy school life. We miss the morning greetings. We miss the sounds of laughter during the breaks between classes. We miss the sounds of various club activities after school. However, we understand that your safety and health are the most important thing. Until this situation is finished, we will wait with anticipation until you all return.

When this is finished and when life returns to normal, let’s all enjoy the happy times. Let’s help the economy by traveling and enjoying many restaurants. Let’s enjoy the four seasons. Let’s make new memories with our friends. Most importantly, let’s enjoy school life. Let’s greet all our friends and teachers with a bright, happy greeting. Let’s work hard in our studies and club activities. Let’s talk and play with our friends during the breaks.
Let’s enjoy life again! Let’s look for the rainbow after the storm!

皆さん、お元気ですか?責任を持ち、できる限り家にいますか?宿題と勉強は順調に進んでいますか?こういう状態は今少し難しいように見えるかもしれませんが、私がストレスの解消のために、とある英語のことわざをよく思い出します。「Every Cloud has a Silver Lining」という表現です。日本語で不幸中にも幸いがある。つまり、困難の状況の後、幸せの時が来るでしょうという意味です。私は皆にあの幸せの時について考えてほしいと思っています。

毎日遊学館の先生方が皆さんの宿題とか補習とかいろいろな準備に一生懸命励んでいます。私たちは皆さんが学校に戻るのを待っています。楽しい学校の生活を送ってほしいです。私たちは皆さんの朝の挨拶が恋しくて、授業の休憩時間の廊下での皆さんの笑い声が恋しくて、放課後に様々な部活の音が恋しいです。しかし、私たちは皆さんの安全と健康が最も重要なことを理解しています。こういう状況が収束するまで、私たちは我慢して待っています。

収束したら、幸せな時を楽しみましょう。旅行して、多くのレストランで食べて、買い物を思い切りして、経済を助けましょう。日本の四季を楽しみましょう。友達と新しい思い出を作りましょう。最も重要なことは学校の生活を楽しみましょう。仲間と先生方に素敵な挨拶をしましょう。勉強と部活動も頑張りましょう。休憩時間に先生方とクラスメイトと話しかけましょう。また自分の人生を楽しみましょう!

After the storm, let’s look for a rainbow!

2020年5月14日 (木)

【第628回】 「友だち」と「自立」H. Y. (英語)

 4月から休校が続き、自宅で過ごす時間が多くなりました。今は携帯電話やインターネットがありますので、離れていても電話だけでなく、顔を見ながらお友達とチャットするなど情報交換の手段に困ることはなくなりました。私も先日、大阪や東京に住むかつての学友とビデオ通話で語りあい、かつて務めていた会社の元上司や元同僚とメールやLINEで連絡を取り合い、そしてWhatsAppで海を超えた元同僚と無事を確認しあいました。何をもって友人と定義するかですが、私にとって彼らは「友人」というよりは人生の「師」であり「戦友」でした。今は年に1~数回、「これは」と思う出来事があったときに連絡を取りあう程度の付き合いです。人数も多くはありません。

 「君に友だちはいらない」(瀧本 哲史(著) 講談社)の(故)瀧本氏や、タモリさんを始めとして「友達なんかいなくていい」という著名人の言葉を目にすることがよくあります。私はこの言葉を『他人に依存するな』と自立を促している言葉と捉えています。瀧本氏の上記著書には『夢を語りあうだけの「友だち」はあなたにはいらない。あなたに今必要なのは、ともに試練を乗り越え、ひとつの目的に向かって突き進んでいく「仲間」だ。』と書かれています。必要なのは「自立」した人間が集まり、それぞれが互いに補完できるスキルを持ち合い、共通の目的とその達成に責任を持って、問題解決のためのアプローチを取り、メンバー相互が責任を取り合う、という仲間です。

 冒頭で挙げた私の「戦友」はそんな「仲間」でした。学生時代に厳しい先生(中でも東京理科大からの客員講師の先生がとても厳しかった!)の試験を猛勉強して共に潜り抜けて一緒に卒業した仲間、仕事で夜中のシステム切り替えをタイムリミットと闘い胃をキリキリさせながら一緒にやり遂げた仲間、お客様からの承認や次の契約を得るためにアイデアを絞りあってプレゼンテーション資料を作った仲間、など共通のゴールに向けて一緒に闘ってきた仲間なのです。互いに刺激し合い、良い意味でのwin-win関係でした。

 そんな私は子供の頃、特に高校生の始めの頃はお昼休みのお弁当を一緒に食べたり、いつも一緒に行動したりする距離感の近い付き合いが少し苦手でした。かといってのけ者になるのもいやで、自分をあまり出さずに相手に合わせようとしていました。よく同級生はこんな魅力のない私に付き合ってくれたものです(感謝)。当時の私の問題は自立していない自分にあり、自分で解決するしかないものだったのです。
 皆さんのクラブ活動においても自分がチームに貢献できないと気づいた時は、嘆くよりまず人に頼ることを止めて、自分を磨かねばなりませんね。

 休校が続いている今、これからの「仲間」を見つけるためにも、まずは自分を高める目標に向けてどう時間を使うかを考え、「計画」しましょう。他方、「愚者は暇(時間)をどう潰すかと考える」のだそうです。あなたはどちらの道を選びますか。もし、過去に生きた賢人から人生の指針を得たいと思われたなら、私からは以下の3冊を勧めます。

「学問のすすめ 現代語訳」 (ちくま新書) 福澤 諭吉 (著), 斎藤 孝 (翻訳)
「武器としての決断思考」 (星海社新書) 瀧本 哲史 (著)
「君に友だちはいらない」 (講談社)   瀧本 哲史 (著)

今を充実して過ごすことがあなたを未来の「仲間」に導いてくれると思います。

2020年5月 7日 (木)

【第627回】 「“Stay home”の達人をめざして」西村 美恵子 (英語)

 新型コロナウィルスによる肺炎の流行により、4月には緊急事態宣言が出され、休校はもちろんのこと会社などではテレワークが推奨され、種々の業種への休業要請まで出されました。自身が感染するかもしれない、また周囲に感染させてしまうかもしれない恐怖、またそれがいつ沈静化するのか、終息するのか、先のわからない不安、日本の経済状況が日一日悪化しているらしいという心配等々今の私たちを取り巻いている状況はまさしくこのような不安や心配ばかりです。新型コロナウィルスがどのようなものなのか、病状がどんな風に推移していくのかという研究がもっともっと進展し、治療法が確立し、ワクチンや治療薬等々が作られない限りはこのような不安が解消することはないでしょう。まだ時間が必要なのだろうし、世界中の医療関係の人々がウィルスと闘いながら協力し合って研究を推し進めているところであり、私たちはただ待つことしかできないわけです。
 そしてこれからのゴールデンウィーク、日本国中の合い言葉は、”Stay home”.
さあ、どんな風に過ごしましょうか。
 これまでも外出自粛してきたうえに、ますます不安ばかりが募る中、種々のお店や映画館、劇場なども閉まっていて、また一年で一番お天気がよくなるこの時期に、家にいなければならなくて、ますますストレスばかり高めてはいませんか。先が見えない今だから、心の平静をしっかり保って暮らし、そんな日々を楽しく過ごすこと、それが免疫力を高めることにつながるそうです。今できないことを並べ立てて不平不満を言うのではなく、こんな時だから、今だからこそできることは何なのか考えてみるべきだと思います。まずは自分に向き合ってみましょう。
 では質問です。考えてみてください。
「あなたは自分の好きなことをいくつ言えますか?」
「これまでにしたことはないけれども、少し興味があることはありませんか?」
「ずっとしてみたくて、でもなかなか一歩踏み出せずにいたことはありませんか?」
「これからの自分にとって確実に必要となることは何だと思いますか?」
「将来の自分の姿を思い描いて、できたら素敵だなと思えることは何ですか?」
そして今一番の課題は
「それらの事柄の中で、家にいて一人でできることは何ですか?」
とは言っても、現代の通信機器の進歩のおかげで家にいながら様々な催しに参加したり、多くの情報を得ることもできるし、オンラインエクササイズもあります。インターネットによって家にいて一人でいてもほかの人々とつながったり、一緒に何かをしたりすることも可能になりました。ただ、便利なばかりではなく危険もはらんでいる道具であることを肝に銘じましょう。
 さあ、したいことがいくつ見つかりましたか。単に時間つぶしではなく、自身に実のなるようなことがよいですね。是非それらの事柄をStay home期間中に実行してください。そして毎日を楽しんでください。そしてそんな中から一生続く趣味・特技ができることを願っています。
それともう一つ、幸せな気分で過ごすための簡単な秘訣をお教えしましょう。”ポリアンナ”という名の少女の物語に出てきたことなのですが、「毎朝起きてから一日小さな幸せ探しをする」というもの。大したことでなくていいのです。今日もみんな元気だとか、よいお天気だとか、夕焼けがきれいだとか。これまでの日常生活の中で気づきもしなかった様々なことが今こんな状況になるとどれほどありがたい幸せなことであったかを実感できます。
 今私たちがしなければならないことの第一は自らの、そして周囲の命を守るための行動に務めること。そして同時に心身ともに健やかに過ごし続けること、そのためにも規則正しい生活をして、運動不足にならないように心がけることです。そしてその次に有意義に時間を使うこと、こんな状況でも人に与えられた時間は同じなのですから、無為に過ごさないように、楽しくいろいろなことに精を出しましょう。私としてはその中に是非とも読書を入れてほしいです。読書は人生の道連れになる一番身近な親友のようなものですから。そしてみんなで”Stay home”の達人をめざし、このコロナ禍をじっと我慢して乗り切って行きましょう。

2020年4月30日 (木)

【第626回】 「春の心」中村 ゆかり (国語)

 年号も改まって令和初の4月も終わりに近づき、1年の限られた期間、日本中が淡く幸せな色に包まれる季節が過ぎ去ろうとしている。ちまたでは時ならぬウイルスにより、緊張を強いられる日々が依然として続いていて、毎年花見客のマナーが取り沙汰されるニュースも、今回ばかりは様相が一変していた。
    世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
    (もし世の中に桜がまったくなかったなら、春を過ごす人の心は
     どんなにのどかであることでしょう)
世の中に桜がまったくなかったなら、人々は桜の開花を待ち望んで「咲いた、咲いた」と騒いだり、桜が満開を過ぎたら「散った、散った」と騒いだりすることなく、心穏やかに春を過ごすことができると業平は平安の人々の「桜」に対する心情をこのように うた った。一見、春の平穏を望んでいるかのようにとれるが、業平自身の桜に対する強い思いが伝わってくる。貴賤を問わず、当時の人々に桜が与えていた感動は大きく、その心は1000年の時を経た現代の私たちにも通じている。世の中が穏やかだからこそ花の移ろいに一喜一憂できるのであり、古人も現代人も桜に心を乱されている状況がどれほど平和であるか、その有り難みが痛感させられる。
 春は学校、企業…様々なことが動き出す始まりのときでもある。そう考えると肝心なスタートがスムーズに切れないことに一抹の不安を感じさせられる。本校もこの春411名の新入生を迎えた。意欲に満ちて、これからの高校生活に期待を抱いていた新入生たちも出鼻をくじかれた思いであろう。1年365日、数日を除いて生徒の声が絶えることのない学舎が静まりかえっていることはなんとも寂しい限りである。心なしか中庭の創設者像の表情も曇っているように見受けられる。伝えたいこと、たくさんの経験を積んでほしいこと、人として大きく成長してほしいこと、泣いて笑って悩んで…一緒に学びたいことは山ほどあって、10代の輝かしい貴重なこの時を少しも無駄にさせたくはない。
 桜もとうに見頃を過ぎ、間もなく目に眩しい新緑の時が巡ってくる。1000年前の古人が桜に心を乱されていた春のように、穏やかに季節の移り変わりを送くる日常が戻ることを心待ちにしている。

2020年4月23日 (木)

【第625回】 「4年目の遊学」中村 裕行 (地歴・公民)

 私事ですが、3月に通信制大学院の修士課程を終えることができました。

 通信制ということで、インターネットを活用した学習システムを通してレポートの添削指導などを受けます。最初の1年は、このシステムすらよく理解できず、ペースもつかめなかったため、ほとんど無駄に過ごしてしまいました。しかし、東京の大学キャンパスで行われたスクーリングは、久しぶりの学生気分を味わえたり、違う職業の方々や現役の大学生とも交流できたり、とても新鮮で有意義な時間となって、学習も軌道に乗り始めました。中でも、同じ先生に修士論文の指導を受けるゼミ友4人の皆さんとは、LINEのグループで連絡を取り合い、現状報告や情報交換を重ねました。うち1人はトルコにお住まいの方だったので、SNSに不慣れな私は、海外と気軽に連絡が取れることに改めて感動しました。

 この3年間、特に最後の1年は2万字以上で修士論文をまとめねばならず、特進の受験生に負けないくらい家庭学習を重ねました。この3年間の学びは、まさに異郷での学び、異次元・異空間の学び、遊学の学びでした。さらに、4月からは研究生として研究を続けることとなりました。これからも自らが学び続けることにより、生徒達に学ぶ姿勢や学ぶ喜びを伝えていければと思います。学びは成長につながり、世界も広がります。感染症対策で通常の授業が行えない今こそ、様々な形での学び、主体的に学ぶ姿勢が問われています。学びは、教室や学校の外にもたくさんあります。遊学館の生徒達には、今だからこそできる学びを積み重ねてほしいと思っています。

 * このホームページ上の「遊学生徒会だより」に、生徒会役員の高井さんがオンライン授業についてふれた文章を寄せています。たいへん興味深く読みました。

 

20200423

<4月17日(金)第2学館屋上から…世の騒ぎを忘れるような清々しい朝です。
まさか、「沈黙の春」(本来は環境破壊による生態系の異変を
警告した本の書名)がこのような形で人間社会に訪れるとは…>