2021年12月 9日 (木)

【第709回】「流行語大賞」M. K. (数学、情報)

 2021年のユーキャン流行語大賞グランプリは「リアル二刀流/ショータイム」に決定した。他にはAdoの「うっせぇわ」やコロナ関係の流行語など多々あったようであるが、やはり今年1年を振り返ると、大谷翔平選手の活躍は日本人が誰にもできないと言われるプレーをし、実績を残してくれたことが感動を呼び、受賞となったのでないかと思う。今はコロナの第六波がいつ訪れるかわからない中で、暗い話題を明るい話題に変えてくれたことが老若男女問わず支持を得たのでないか。

 私にとっての2021年流行語大賞は「山のてっぺんから見下ろす景色もいいけども、谷底から見上げる景色もいいもんだぞ。」である。

 この言葉は、NHK相撲解説者の舞の海秀平さんが現役力士時代に当時の師匠であった出羽の海親方(元横綱佐田の山)から掛けられた一言だったと今年の大相撲解説において説明していました。それは幕内に上がって連敗が続いていた時、この言葉だけを残してその場から立ち去ったそうです。その後は練習にも実が入り、勝ち星を積み上げていったということでした。

 言葉は、時には人を喜ばせ、時には人を傷つける魔法を持っているといわれている。

 今後も良い言葉があれば、1年を通じて私にとっての流行語として記録を残してみるのも面白いと思うこの頃である。

2021年12月 2日 (木)

【第708回】「マスクの下の素顔」M. H. (英語)

 11/30から期末試験が始まった。私が担当している科目が初めの方に集中していること、熱心な2年生の選抜クラスを担当していることなど、様々な事情が重なって、試験直前は生徒の下校時間ギリギリまで勉強に付き合う日々であった。世間より一足先に師走に突入した感がある。

 さて、4月から勤務することになった私は、1年生はもちろん、全ての人と、マスクをつけた姿で出会うという特殊な出会い方をした。つまり、鼻から下の姿が分からない状態からスタートした。時が経つにつれて、休憩時間の飲食などで顔全体が見える機会が出てきた。文字通り素顔が明らかになる瞬間である。実は口には出したことはないが、思っていたのと違うという印象を抱くことがしばしばあり、勝手なイメージを作っていたのだと気付かされる。
 私も生徒からマスクを外した姿を見たいと言われることもある。残念ながらそのリクエストに応えられる日は遠そうだが、私が職員室でお茶を飲んだりご飯を食べたりしているところを目撃した、と自慢げに話す生徒もいる。また、ある女子生徒は試験勉強がひと段落した時にカロリーメイトを食べようとしたが、食べている姿を私に見られたくないという理由で顔を背けて食べ始めた。乙女の恥じらいなのかもしれないが、こういう出来事も素顔を知らないからこその出来事のように思える。このように、マスクをつけているという状態は感染予防以外にも色々な彩りを日常に添えてくれている。

 素顔という言葉は、平時であれば内面を指すために使われる。同じように「化けの皮がはがれる」「猫をかぶっている」という言葉も、文字通り皮膚がめくれたり、さかなクンのようにかぶりものをかぶったりしているわけではなく、内面のある部分が現れたり現れなかったりする時に使う表現である。さらに言えば、性格を意味する英単語personalityの語源はラテン語のpersona(仮面)である。このように、人の内面を表す言葉には、物理的な側面から表現されているものがある。そして、これまでの経験からいうとただの喩えや言葉遊びではなく、外面を知ることと内面を知ることは本当につながっているように感じる。

 今年もそろそろ終わりが見えてきた。残り少ない期間であるが、これから生徒たちはどんな「素顔」を見せてくれるだろうか。

2021年11月25日 (木)

【第707回】 「Your Own Backyard」マーク ヒーギス (英語)

 私にとって、旅の一番の魅力はその新しい経験にある。この時期、新型のコロナウイルスの影響で感染予防のために県外旅行を控えることにしました。旅行が大好きですが、石川に滞在したかったので、この県のいくつか美しい場所を見ることにしました。とりあえず、能登半島から始めました。最近、毎週日曜日に、天気が良ければ、今まで見たことのない新しい場所に行きたいと思っています。私も歌うのが好きなので、ドライブ中に一人で歌う良い機会で、まるでひとカラのように思われる。一石二鳥ですよ。☺

 この数ヶ月の間に、たくさんの美しい場所を見てきました。能登最北端から白山・富山近郊の山々、加賀の南部まで、これは私が石川に住むのが好きになった理由の一つです。都市活動も自然活動を楽しむことができます。もちろん、コロナ禍が静まったら、日本の47都道府県のすべてを見たいですが、でも、それまでは石川の県魅力的なところを見るのはとても大満足しています。 英語で「There is plenty to see in your own backyard.」ということわざがあります。自分のバックヤードで経験をするものが沢山あるという意味です。つまり、県内でまだ行ったことのないところが多いです。

 3年生の皆さん、数ヶ月で卒業し、人生の次の第一歩を踏み出します。これからの次の数ヶ月は皆の高校生活のラストスパートです。石川に滞在する場合でも、県外に行く場合でも、新しい体験や新しい人生が始まるでしょう。皆さんが自分の魅力的なことを見つけられることを願っています。

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 珠洲岬 珠洲市   千枚田 輪島市
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 いかの駅 九十九湾 能登島    コスモス

2021年11月18日 (木)

【第706回】 「伝統を繋ぐ」干場 光将 (保健体育)

2021年11月7日(日)この日は遊学館駅伝競走部にとって大切な日です。毎年、京都府で行われる『全国高等学校駅伝競走大会』の代表校がこの日に決まります。駅伝部は、今年で13年連続14回目の優勝。全国高校駅伝の挑戦権を勝ち取ることができました。石川県内では、駅伝の強い高校として認知がありますが、そんな遊学館男子駅伝競走部が1度だけ負けたことがあります。


14年前。私は遊学館高校の1年生でした。
当時駅伝部は、創部2年目でした。監督の森賀先生からのスカウトで遊学館に進学し、駅伝の強いチームを目標に日々の練習に励んでいました。前年は、駅伝部が創部1年目ということもあり、周りからの注目度は高い中でのレースでしたが、優勝する選手の姿に憧れを持ちました。

しかし、創部2年目の11月。その憧れは打ち砕かれます。
わずか27秒差で全国高校駅伝への挑戦権が絶たれました。敗因は、エースに頼りすぎたということでした。当時のエースは1年生。1年生ながら、めきめきと力をつけ、チーム内でも上位のタイムを出し、当時の1年生全国ランキングでトップの実力がありました。どんな大会でも自己ベスト更新をするエースに私たちの期待も膨らみました。しかし、この日初めて1年生エースは失敗を経験します。1区から1年生エースが3番で帰ってきたと情報が入ると、チームに悪い雰囲気が流れました。なんとか1位との差を詰めることができましたが、追い抜くことはできず、2位という結果に終わりました。何とも言えない虚無感と悔しさがこみ上げたのを覚えています。
14年が経ち、今は男子駅伝競走部のコーチとして活動しています。ほとんどの選手は、強い遊学館駅伝競走部しか知りません。しかし私は、この負けたことがある経験を今の選手にも伝えています。
『勝つことは当たり前のことではない。そして勝つための準備を怠ってはならない。この伝統を繋げていくのは君たちしかいない』

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もうすぐ12月がやってきます。
全国高校駅伝まであとわずかですが、先輩たちの伝統を繋げ、越えられるような走りを楽しみにしながら日々の練習に励んでいきます。

2021年11月11日 (木)

【第705回】 「時間」星  郁恵 (理科)

 石川県に移り住んで、もうすぐ2年が経とうとしています。金沢市に住み始めた時点で、すでにコロナによる自粛規制により、観光客の姿も少なく、金沢駅~香林坊周辺は人通りの少ないイメージでした。後日、他の先生から、本来なら外国人観光客で溢れていると聞き、やはり石川県はみどころの沢山ある観光地である事を再認識しました。
 引っ越しと同時期に遊学館高校に勤務することになったので、この学校で過ごす時間も、もうすぐ2年が経とうとしています。自分にとって、今まで4月の分散登校からスタートし、あっという間の2年間でした。みなさんは、高校生になって、過ぎていく時間の進み方が速いと感じますか?人間は、年齢を重ねるにつれ、時間の経つのがどんどん速く感じるそうです。確かに、小学生の頃の夏休みと高校生の夏休みを比較すると、同じ1カ月だとしても、現在の方がとても短く思えるのはなぜでしょう。考えられる理由として、年齢の違いによる時間の感じ方が違うのも理由の1つだと思います。小学生の頃は、行動範囲が限られています。その分世界が狭く、何等かのノルマに追われるような事も少ないので、時間がゆっくり流れています。それに比べて、高校生のみなさんは行動範囲も広くなり、部活や勉強、趣味などに使う時間が奪われ、気がつくと時間に追われる日々を過ごしていませんか?
 確かに、今の高校生はやるべき事が多く、それをこなすために多少の犠牲を払っているのも現実だと思います。でも、忙しいからこそ、その中でみいだせる事もあります。
 みなさんは、高校を卒業して、さらに行動範囲が広くなり、社会に出て、さらに時間が足りないと思うかもしれません。でも、それは自分の世界が広くなり、柔軟に対応しようと努力している結果であり、決して時間を無駄にしているのではありません。時間が足りないと思う時こそ、自分を大切にし、心に余裕をもって対応できるようにしましょう。