2022年5月19日 (木)

【第730回】「金沢でパイナップルを収穫」A. K. (理科)

 6年前、当時小学生だった子どもが、食べ終わったパイナップルの葉がついたクラウン部分を鉢植えにしました。確か、ゴールデンウイークが終わった今頃だったと思います。しばらくは水やりなど、かいがいしくお世話をしていましたが、そのうちに見向きもしなくなり、水やりも私が他の鉢植えと一緒にまとめて適当にやっていました。
 夏の間に、葉っぱが伸びていき、やがて秋になり寒くなってきたので、南国フルーツでもあるし、他の植物と共にリビングに移しました。冬はなかなか葉が伸びないなと思いながら、年末年始に帰省し部屋の温度は10℃以下になっていたことが1週間近くあったはずですが、枯れずに春を迎えることができました。
 春になり、また外に出すと、葉はどんどん伸びて、ご近所から咲き終わった高級ランに間違えられたこともありました。大きくなっていく葉っぱに、これからどうなっていくのか、好奇心が湧いてきて枯れるまで育て続けようと決心し、鉢も何度か大きいものに植え替え、有機肥料なども与えました。
 そして5年経った春先、まだ家の中に入れてあった鉢植えに、松ぼっくりのような実ができているのを発見、ついに実をつけたのです!葉っぱの成長は止まり、今度は実がどんどん大きくなっていきました。9月下旬、実は黄色くなり、甘い香りが漂ってきたので収穫しました。実の大きさは15cmほどでしたが、今までに食べたことのない甘さと香りで最高でした。パイナップルは、収穫後に追熟することはないと言われています。完熟するまで実をならせることができたため、このような甘さになったのだと思います。
 食べ終わった葉っぱ付きのクラウンは、また鉢植えにしました。
 5年後を、気長に楽しみに待ちたいと思っています。

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2022年5月12日 (木)

【第729回】「姿勢」A. K. (保健体育)

 女子卓球部の生徒を指導する際、「姿勢を良くしなさい!」と言うことがあります。
 このように発言するようになったのは、トロント大学心理学教授のジョーダン・ピーターソンの話を聞いてからです。この話は、姿勢を良くするだけで自分に自信が持てる!という話なので一見信じがたいかもしれないませんが、実は脳科学が関係している科学的にも信憑性が高いものと言われています。
 ジョーダン・ピーターソンは、ロブスターの例を挙げることで「姿勢を良くするだけで自分に自信が持てる!」ことを以下のように説明しています。

 ロブスターの世界には、「勝ち組ロブスター」と「負け組ロブスター」が存在している。前者は戦いに勝つことで強さを誇示し多くのメスと交配し、より安全で餌が多い場所に住むことができる。後者は全くの反対。全然モテないだけではなく、危険な場所に住むしかなくなり辛いロブスター生活を送る羽目になる。
 そして、これら勝ち組と負け組の違いはたった一つだけ、それが、セロトニンの分泌量。
 セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させストレスを軽減させる働きがある重要な物質である。セロトニンが多い生物は、いかに困難に対して立ち向かうか!と前向きに捉えることができ、セロトニンが少ない生物は、何か悪いことが起きるんじゃないか?とビクビクしてしまいストレスにさらされた状態に陥ってしまう。さらにここで重要なのが、勝つとセロトニンが増える。負けるとセロトニンが減る。ということ。
つまり、このようなサイクルになってしまう。

戦いに負けたロブスターのセロトニンは減る。

それによって自信を失う。

そのせいで次の戦いから逃げてしまう。

そしてまたセロトニンが減る。

こんな最悪のサイクルに陥ってしまう。 勝ち組はこの逆である。

 これは人間も全く同じ。人間とロブスターの脳神経の仕組みは非常に似ており、この最悪のサイクルは人間にも頻繁に起きてしまう。つまり、人間も負けるほどセロトニンは減り続け、最終的に負けることになれてしまい、そのようなマインドがつくられるようになる。では、どのようにすればセロトニンを増やすことができるのか?
その簡単な方法が、姿勢を変えること。なのである。

とジョーダン・ピーターソンは言っています。

皆さんもやってみてください。姿勢が良くなれば、自分の人生が変わるかもしれませんよ!

2022年5月 5日 (木)

【第728回】「これまでの思い。そしてこれから」渡辺 祐徳 (英語)

■とりあえず,ひとくぎり
この3月をもって,遊学館を定年退職しました。
これまで担任として,また授業でも関わった歴代の特進コース,コロナ禍で忍耐強く頑張ってくれた,一昨年の1年9組,昨年の1年8組の皆さんには,本当に感謝しています。
それ以外の皆さんとも,あいさつを交わすたびに毎日元気をもらっています。
4月から引き続き,あらたな雇用契約で勤務しています。
授業や他の業務に関しては,これまでと変わらない意気込みで取り組もうと思っています。

■私と遊学館
人類が滅亡するとノストラダムスが予言した1999年(平成11年),私は遊学館の教員になりました。
それまでは予備校で,副校長として学校全体の管理をしながら,講師としても授業や教材づくりに奮闘していました。
遊学館の進学クラスが,遊学講座で毎週土曜日に授業を受けに来ていましたので,遊学館との関係は,その頃から始まっていました。

■予備校での勤務
前職の予備校では,実質の学校責任者として,多忙な毎日を過ごしていました。
帰宅が翌朝になることもあり,健康には自信があったはずが体調を崩し,病院通いをしました。
しかしその頃の経験は,自分の大きな成長につながったと今でも思っています。
既存のテキストはありましたが,それができる講師は,良い授業をするために自前の教材を作成していました。
予備校は生徒が自分で講師や授業を選び,講師は毎回の授業アンケートで生徒の評価を受けます。
特に夏期講習などでは,人気講師の講座が真っ先に締切になります。
講師間のライバル意識(仲が悪いわけではありません)もあり,授業のプロとしての自覚を植え付けられた時期でした。

■今,高校生に伝えたいこと
私の仕事における最重要課題は,納得の行く授業をすることです。
といっても,実際なかなか納得の行く授業ができるようになりませんでした。
これは人によって,目標の高さをどこに置くかなどで変わると思いますが,私の場合,自分の授業に自信が持てるようになったのは,遊学館に来たあと,ようやく40歳になった頃のことでした。
高校生の皆さんは,「なんだ,遅いじゃないか」と思うことでしょう。
皆さんは何を目標としますか。高校卒業後の目標,進学や就職の目標。
起業しますか。結婚して幸せな家庭を作りますか。
「頑張れば必ずいいことがある」と私は口癖のように授業で言っています。
若い皆さんには可能性があります。自分が目指す「いいこと」を必ず手に入れてください。

■私のこれから
あと少し,遊学館の皆さんと過ごすつもりです。
私もこの年になって,まだまだ頑張りたいし,目標もあります。それが何かはヒミツですが。
意外に思うかもしれませんが,私は元々メンタルはあまり強くありません。
低い背を思いっきり伸ばして,背伸びをして生きてきた部分があります。
でも,強がりもやっているうちに身についてきました。
これからもせいぜい背伸びをして,強がって行こうかなぁと思っています(笑)。

2022年4月28日 (木)

【第727回】「待ちに待った、バス遠足」Y. A. (養護)

 毎年、4月末になると楽しみにしている行事が“遠足”です。コロナ禍となってからは、バス遠足に変わり、県外になかなか行けない中、ちょっとした県外旅行を味わえる貴重な機会となりました。
 私は、2年生の白川郷・高山市の遠足に同行しました。集合時間が早いにも関わらず、多くの生徒が集まっており、嬉しそうな生徒やまだ眠そうな生徒、めんどくさそうな表情の生徒など様々な表情が見受けられました。
 バスに乗り込み、白川郷へ。滞在時間は30分程度でしたが、川やまだ雪が積もっている山々の景色が美しく、生徒たちも楽しそうに写真を撮っている姿が印象的でした。生徒に白川郷が世界遺産に登録されていることを伝えると、目を丸くしてびっくりしており、「なぜ世界遺産なのか?」と興味をもった様子に、学内の学びだけでは経験できない学びがこのような学外行事にはあるのだと痛感しました。
 白川郷を散策した後は、高山市内へバスで移動。少しわき道を進むとお店屋さんが並んでおり、小京都のような風情のある雰囲気で散策しているだけでも楽しめました。生徒たちはご当地グルメの高山ラーメンやお団子や飛騨牛の串焼きなどを食べ、楽しんでいました。また、多くの生徒がお土産を買っており、家族のためにお土産を吟味し、満足のいくものを購入して誇らしげな生徒の姿を見て、微笑ましい気持ちになりました。
 帰りのバスでは疲れているのか行きよりも静かになっていましたが、大きな体調不良者もなく、無事帰路につけたため、ほっとしました。バス遠足を楽しめた生徒、学校行事が苦手で疲れてしまった生徒など様々な思いの生徒がいたと思いますが、一つの思い出として心に残ったのではないでしょうか。
 続くコロナ禍で遠足、修学旅行、学園祭などの学校行事が中止や制限されてしまうことが多く出てくると思います。しかし、少しでも多く生徒の思い出となる行事ができるように養護教諭として日頃の感染対策の重要性を発信していきたいと思います。
 最後に、コロナが収束しマスクなしの日常生活が取り戻せるよう祈って、高山市内で撮影した疫病除けのご利益のある“さるぼぼ”の写真を掲載します。生徒やその家族、教職員の皆さまが健康に過ごせますように…。

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2022年4月21日 (木)

【第726回】「18歳新成人が失敗しないために」和田 康一郎 (国語) 

 4月から成年年齢が18歳となりました。成人すれば、保護者の同意を得ずに、さまざまなことが可能になります。しかし、そこにつけこんで新成人をだまそうと牙をむいてくる人も、世の中にはいます。知識を得て、注意してください。今回は借金契約について。
 まずは、計算してみてください。中学生の知識があれば、できます。

問: ある人が毎月25万円ずつ、25年かかって7500万円を返済しました。年利を40%とすると、元の借金額はいくらでしょう。
 元の借金額をxとして、解いてみましょう。
 年利40%は、0.4と数値化できます。0.4x×25年が元の借金額に加わっています。
 ですから、x+0.4x×25=7500(万、以下省略)となります。
 すると、x+10x(=11x)=7500 となるので、
  x < 700となります。 元の借金額は、700万円に満たないのです。

 「700万円も借りてないのに、7500万円返さなければならないなんて、そんな馬鹿な! 誰のしわざだ」と叫んでも、事前に計算もしないで契約を結んだ「責任ある」成人のしわざでしょう。借金総額は借りた金額と同額ではなく、契約金利と返済能力(今回は25万円×12ケ月=年300万)で決まるのです。女優の杉田かおるが、24歳の時に借金が1億円あったと以前語っていましたが、20代の女性に1億円貸す人はいないでしょう。契約金利と彼女の返済能力では、借金が1億までふくらんだということで、実際に借りた金額はおそらく、けたが一つか二つ少ないだろうと思われます。
 年300万円も返すのだから、3年ぐらいで返せるだろうと勘違いしやすい例です。実際には25年も借金に苦しむことになります。
 「借金は取り戻せる」という宣伝を聞いて、借金が無効にできると勘違いしている人も世の中にはいます。実際は「払い過ぎ」の金額のうち、弁護士事務所の報酬分を差し引いた額が戻るだけです。現在、金利の法定上限は100万円以上で15%ですから、年利40%の契約では、25%分は過払い分です。法律事務所がもうかるので、盛んに宣伝されているわけです。最初から、巨額の借金をこしらえないように注意しましょう。
 お金の契約は、借金に限らず、事前によく計算して慎重に。心すべきことにこそ。