【第736回】「今、思うこと」O. M. (国語)
マスクをはずした君の顔が見たい
みんながみんな 今日もマスク はずしたくてもはずせない 現実
それは感染症対策? それは他人の目? それは自分自身の心のバリアー?
そんな暮らしがもう2年半も続いている
マスクをはずした君の反応が知りたい
教室では 今日も深くかぶった前髪とマスクの間から じっとみつめるまなざし
君は笑ってるの? 君は怒ってるの? 君は嘆いているの? 君は・・・?
君の反応が分からない
今のそんなにおもしろくなかった? 今のそんなにわからなかった? 声に出して教えてほしい
無反応の応答 声に出さない感動 授業中の憂鬱
日本の小学校6年生の女の子 約半数は 自分の素顔を人に見せることは今さらできないらしい
アメリカの研究 幼少期の子供は人の口角の動きで感情を読む練習をするので
今のままでは知能の低下があるとかないとか
ネット上を駆け巡る 情報 見失う 方向 もっと早く気づくべきだった この悪影響
3密の回避 消毒液 変異株 ワクチン ファイザー モデルナ 副反応 そしてコロナ禍
独り歩きする薄気味悪い言葉達
新しい生活様式ってなんだ 僕らの生活は昔から変わらない
食べて 飲んで 笑いあって 話し合って 誰かを大切に思って そして眠る
どの時代も 僕らの生活は僕らのもの どこかの誰かに決して奪われたりしない
マスクをはずした君の本当の声が聞きたい
今は「まだ」なのかもしれないけれど こんな毎日を当たり前に思ってしまうのが怖い
黙食 黙浴 無反応 次は何を無くせばいい?
僕らは全力で毎日を生きる おかしなことにおかしいと思えることが 正気を保てるささやかな抵抗
マスクだらけの現実をおかしいと言える だから今はまだ我慢できる
サムデイ いつの日かきっと
マスクをはずして笑い合いたい
マスクをはずして叫び合いたい
マスクをはずして歌い合いたい
マスクをはずして もっと大きな声で
君の未来のために
夜明け前 誰もいない 初夏の海岸 マスクをした少年
君は誰のために
頑張っているのか・・・