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2021年12月16日 (木)

【第710回】「全国大会」水本 勝也 (英語)

 12月12日、遊学館吹奏楽部にとって3年ぶり5度目のマーチングバンド全国大会に出場した。高校野球なら甲子園、サッカーなら国立競技場、マーチングの世界では日本中のプレイヤーが目指す聖地が、大会会場のさいたまスーパーアリーナ。
一昨年は北陸大会でライバルに敗れ、昨年はほとんどの大会がコロナ禍で開催されず、ビデオ審査で敗退。2年分の悔しさと先輩たちの思いを背負い、なんとか勝ち取った全国の出場権。それまでは覇気のない練習に、本気で全国を目指す気があるのか疑問にさえ感じることも少なくなかったが、結果を聞いて涙を流しながら抱き合って喜ぶ生徒の姿が印象的だった。
 迎えた全国大会当日、出番は高校の部の全28団体のトップバッター。審査員の採点で結果が決まる競技では、1番は基準として見られるため高得点が入りにくい。100点満点中90点以上のチームに金賞が与えられるルールの中、遊学館は85点で銀賞を受賞した。個人的には非常に満足している。何より、最高の舞台で全力を出せた生徒を誇らしく思う。
 出番を終えた後も、これから出演するチームが続々と会場に入ってくる中で、もう一つ嬉しいことがあった。私は、大学に入学した年わずか12人で1期生としてマーチングバンド部を立ち上げた内の1人。あっという間に大きなバンドになり、大学日本一にまで昇り詰めた。そして引退する時に監督や仲間と交わした約束「いつか自分の指導するバンドを率いて全国大会で会おう」。今年の全国大会には指導者になった仲間が全員集結した。ようやく夢が叶い、仲間との約束が果たせた日となった。
生徒のおかげでたくさん嬉しいことがあり、仲間にも再会させてもらい、心から感謝している。来年もまた全国の舞台に立ち、互いに生徒の自慢をしあえたらと思う。