【第670回】 「準備」小坂 英洋 (情報)
令和3年3月1日(月)、第25回卒業証書授与式が挙行されました。
コロナ禍での2回目の卒業式でした。前回(令和2年度、私は3年学年主任でした・・・)は、こんな世の中になるとは思いもせず、何もかもが中止ムードの中、慌ただしく行った感がありましたが、今回は、しっかりと準備をし、簡易的ながら最大限の式ができたのではないかと思います。私も音響の係として3年生を送り出すことができました。
私はインターアクト部の顧問を担っています。インターアクト部は、ロータリークラブの提唱を受けた、地域奉仕と国際交流を柱とするクラブです。毎年、募金活動や地域の福祉施設のお手伝い、海外研修への参加など、多くの活動を行っています。
しかし今年度は、インターアクトの活動が全くと言っていいほどできませんでした。ボランティアにせよ、国際交流にせよ、相手が存在することで成り立つことが多く、活動を自粛または中止せざるを得ませんでした。
それでも、インターアクトの生徒たちは「自分たちに今何ができるか」を考え、準備をしていたことに感心しました。3年生は、部員を増やし、部活動を活性化するために尽力してくれました。この3年生が、本日卒業しました。コロナ禍で、悔いの残る高校生活だったかもしれませんが、これからの彼女たちの前途を祝したいと思います。
インターアクト部だけでなく、遊学館の3年生は、様々な準備をしていたにもかかわらず、体育祭や学園祭、修学旅行などが次々と中止や代替・縮小となり、残念な思いが残ったかも知れません。しかしこの準備は、無駄なことではなかったのです。
「努力は人を裏切らない」という言葉がありますが、私は「準備は人を裏切らない」という言葉にして、心に持っています。
人生には、残念なことや悔しいことは、成功したことや嬉しいことよりも多いかもしれません。しかし、これらの残念な経験は、それまで自分が行ってきた準備や努力が次に活かされることの「サイン」なのです。
卒業生のみなさん、みなさんがこれまで遊学館高等学校で行ってきた、勉強や部活動、先生や友人との交流は、これからの人生で経験することの「準備」でした。遊学館の3年間で準備してきたことは、絶対に無駄ではなかったと、いずれ思うこととなるでしょう。臆することなかれ、何でも挑戦してください。失敗したっていい。次は必ず成功します。
そして、成功の暁には、遊学館に報告しに来てください。もちろん、失敗して慰めてほしい時も来てくださいね。先生方一同、待っています。
卒業おめでとう。