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2014年4月17日 (木)

【第324回】 ユウガク桜牛腸 尋史 (英語)

 先日、ハードディスクにため込んでしまったテレビ番組の整理をした。昔のビデオテープの見た目で分量を実感できないため、何となく気になって録画した番組や毎週録画の設定がしてある番組があっという間にたまってしまったのである。もう旬が過ぎた番組は見ずに削除したり、大まかに内容がわかればいいものは早送りしながら見たりして、半日作業で整理した。その中で、ある番組が目に留まった。それは「ドラゴン桜」という番組だ。私が録画したものではないが、以前から気になっていた番組だった。関心を持ったきっかけは、リクルートが運営する「受験サプリ」というサイトの中にあった「ドラゴン桜直伝!大学合格の秘訣百箇条」というコーナーである。受験勉強のコツのようなものをまとめたものだが、マンガと一緒に簡潔な言葉でアドバイスしているおり、とても分かりやすいので本校の受験生にも見せたいと思い、パソコンに保存してあるのだ。そのドラマの中で、阿部寛が演じる主人公桜木建二が落ちこぼれ生徒たちに向かってぶつけるセリフのひとつに「格差や不公平が当たり前の世の中で、受験は社会を這い上がるために唯一平等に与えられた機会だ」というようなセリフがあった。私は、そのセリフを聞きながら今春に遊学館を巣立った生徒たちの顔を思い出していた。
 本校に入学する生徒の多くは、公立高校の受験に失敗して入学してくる「不本意入学者」が多くいることは事実である。特に、特進クラスに在籍する生徒たちは、そういう生徒が多い。彼らは、夜遅くまで学校に残り、休日も学校に来て勉強している。そして、その中の一人が今春、見事に合格を勝ち取って学校へ報告に来てくれた時に「僕は公立に落ちて良かった。もし、公立に受かっていたら国公立に行こうなんて考えなかっただろうし、こんなに勉強することもなかったと思う。本当に遊学館に来てよかった。」と言ってくれた。その言葉は、私たち教員にとって何よりのご褒美であり、それまでの苦労が報われた瞬間だった。彼は平等に与えられた機会を存分に活かして次のステージに進んでいったのだ。彼のように未来に向けて期待に胸を膨らませながら巣立つ生徒を一人でも多く見送ることができるように、今年頑張るゾ!