【第95回】収穫の喜び中村 裕行 (地歴・公民)
「本校グラウンド(金沢市錦町)に隣接した土地を購入したので、実習園として利用しないか?」という話が、自主講座(土曜日に年間24回開かれる選択講座)担当の私に持ちかけられたのは今年初めだったと思います。
土いじりに無縁の私は戸惑うばかりでしたが、快く協力を引き受けてくださった近隣の農家に何度か足を運び、「菜園づくり」という新しい講座が誕生しました。
「農業実習」ではきついイメージがあるため、「菜園づくり」と名付けたわけですが、果たして生徒が集まるのか不安でした。
ところが、フタを開けてみると、20名もの生徒が希望してきたのです
(1年生:男子2名・女子6名、2年生:女子7名、3年生:男子2名・女子3名)。
当初の流れから、私も引率として参加することになり、「菜園づくり」講座がスタートしました。
文字通り、土おこし、畝づくりから始めたわけですが、私を含め生徒達は、シャベルや桑といった農具を持ったことすら、ほとんどありません。協力農家の指導のもと、まさに見よう見まねの実習となりました。
実習の様子
菜園らしきものが出来上がると、ジャガイモ、サトイモ、枝豆、サツマイモの種まき・苗付けをしました。地表に芽が出て伸び始めると、これまでの労働が目に見える形で報われるようになったため、生徒達の間にも活気が出てきました。
ただ、それ以上に雑草達も伸び始め、日差しも強くなる中で、汗だくになっての除草作業などが続きました。
そして、先日7月18日の土曜日午後、初めての収穫となりました。
この日は午前に終業式が行われ、午後から夏休みスタートとなったわけですが、
「菜園づくり」の受講生徒達は、畑に集まってくれました。
次々と掘り起こされるジャガイモに驚き・歓声をあげながら、ジャガイモの山はどんどん大きくなり、最終的には20kg入りの肥料袋10袋分ほどになりました。
収穫の喜び
収穫されたジャガイモは、生徒達の各家庭へ持ち帰られた他、オレンジハウス(学生寮)や教職員にも分けられ、ここ数日は「ジャガバターにして食べたら美味しかった!」、
「うちはカレーライス!」、「うちはコロッケ!」、
とジャガイモ話に花が咲いています。(学生寮では味噌汁に入るそうです!)
学生寮に届けられたジャガイモ
この「菜園づくり」の講座を通して、生徒達は普段の教室では学べないことをたくさん得たと思います。不思議なもので、最近は私も通りすがりの畑や、「地産地消」という言葉に、目をとられるようになりました。
こつこつと作物を育てる経験が、各自の成長にもつながってくれればと願っています。