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2018年12月27日 (木)

【第560回】 What makes you special?

 2007年頃、TVのコマーシャルに某IT会社のCMのフレーズ ”What makes you special?” が流れていました。この言葉の意味について考えてみたいと思います。
 生徒の皆さんの多くは既に希望進路を決めているかもしれません。しかしながら希望する学校や職場に進むには需要と供給の条件がマッチしていることが必要で、皆が皆、希望する道に進めるわけではありません。3年生でAO入試などで面接を経験した生徒は認識していると思いますが、入学許可を受け取るには、履歴書を書き、面接で自己アピールして、相手にとって自分が魅力的であることを訴えなければなりません。「私は他の誰とも違う。特別(special)だ。」と。つまり、それは競争であり、戦いです。「戦いに勝ち抜くためには他の人と同じではいけない。ではどうすれば特別な存在になれるのか?」が、冒頭のCMのメッセージです。
 学校や家族というこれまで自分を守ってくれていた場所から巣立って先の見えない人生を一人で戦っていくには「武器」が必要です。それも複数必要でしょう。
 私事で恐縮ですが、私は大学卒業後、この学校で働くまでの間、外資系IT企業の何社かで働いてきました。転職活動の度にCV(Curriculum Vitae)と呼ばれる英文履歴書・職務経歴書を携えて面接に臨み、相手が望む人材であることをアピールしてきました。また、会社の中にいても、やりたい仕事につくために能力を磨いている必要がありました。高パフォーマンス、高稼働率を求める外資系IT企業では悪い評価が2年続いたり、1つのプロジェクトが終わったあとの空き状態(ベンチ、または”idle”(”idol”ではありません)と呼ばれていました)が3カ月続いたりすると肩たたき、つまり退職勧告がやってきます。 それを逃れるには、自分は何を武器(強味)とすべきかを意識し、そして、時々それらを棚卸して見直していかなければなりませんでした。
 貴方は何を武器としますか? まだ何も思い浮かばない時は、まずは勉強による基礎学力や基礎知識力、部活等による人間力を培っておくことをお勧めします。基礎となる土台があることによって、やがて進みたい道が見つかったとき、すぐにスタートラインに立つことができます。しかし、何も準備していない場合は、門前払いに遭うなどして、皆と同じスタートラインに立つことすらかないません。今、何も考えず、何もしないということは未来の自分の可能性を摘み取っているということに気づいてください。好むと好まざるに関わらず、急速にグローバル化やAI化が進み、日本国内にいても、「国」という境界を越えて、限られた仕事の争奪戦が始まっています。逆にチャンスと捉えて、必要十分な武器を携えて国際的な人材市場に乗り込んでいくくらいの気概でいて欲しいと願います。
 最後に、自分の将来を気にかけているであろう高校生の皆さんに「10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」(藤原和博)をお勧めします。

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