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2013年5月16日 (木)

【第279回】 お洒落とは?中川 都 (国語)

 テレビ朝日の朝の情報番組「やじうまテレビ!」に、『そっと後押し きょうの説法』というコーナーがあります。なかなか人気のコーナーのようですが、私は今年の4月に、初めて見ました。その日は、曹洞宗の亀野哲也ご住職が、「お洒落」という言葉についてお話され、その解説が大変印象に残りました。

 ご住職曰く、日本語の「お洒落」という言葉は、英語に置き換えると、「ファッション」とでも言えますが、この二つの言葉は似たようで、まったく違う意味を持ちます。
「ファッション」は「作る」という意味のラテン語(factio)を語源とし、そのものの本質を覆い隠し、盛って盛って飾り立てるということです。
 反対に、お洒落の「洒(しゃ)」という字は、洗い流すという意味です。飾り気、わざとらしさ、そういうものを全部洗い流し落として、素材の美しさを生かす。これが、お洒落、ということです。
 最後に、ご住職は、内面を磨くことが大事であると、締めくくられていました。
(注:印象に残ったことを、私なりにまとめましたので、実際のテレビ放送とは内容が違うところがあると思います。ご容赦下さい。)

 ところで、先日の国民栄誉賞の表彰式における長嶋監督と松井秀喜さんが着られていたスーツ。お揃いのスーツでした。着ているものに、まず意識がいったのは、「お洒落」という言葉がずっと気になっていたからかもしれません。
 松井さんが長嶋監督にお願いして、お揃いにされたという紺のスーツは、上品なもので、それをお二人は端正に着こなされていました。W受賞の表彰式という晴れの舞台にふさわしく、また、お二人の人柄、そして心身共に精進されてきた軌跡や、絆の強さ、を感じさせました。まさに磨かれた内面がうかがえ、お洒落というのは、こういうことかもしれないなぁと思いました。

 高校時代は、自分を成長させる自分磨きの大切な時期です。
ぜひ、生徒達には、学校生活を充実させ、自分を大いに磨き、制服を「お洒落」に着こなしてほしいと思います。