2025年11月 6日 (木)

【第912回】「AI」T. M. (英語)

最近、「AIが先生の代わりになる日も近い」という話をよく耳にします。確かにAIはどんどん賢くなっていて、個別に学習プランを立てたり、質問に即答したりと、まるで万能な先生のようです。でも私は、どれだけAIが進歩しても、教育に携わる人は絶対に必要だと思っています。

AIは膨大なデータをもとに正確な答えを出すのが得意です。しかし、教育の本質は「知識を伝えること」だけではありません。子どもたちは勉強の中で、うまくいかないことに落ち込んだり、やる気をなくしたり、時には自信をなくしたりします。そんな時に「大丈夫」「一緒に頑張ろう」と声をかけてくれる人の存在は、何より大きいものです。AIには、共感したり励ましたりする“心の力”はまだありません。

もう一つ大切なのは、「価値観」や「生き方」を伝えることです。AIは過去のデータから学ぶことはできますが、「これからの社会をどう作るか」という未来志向の考え方までは教えられません。教育に携わる人は、知識だけでなく「人としてどう生きるか」を子どもたちに示す存在です。その姿勢や言葉が、子どもの中に生き方の“芯”を作っていきます。

AIが教育現場に入るのは、決して悪いことではありません。むしろAIが得意な部分(分析・記録・最適化)を任せることで、教育現場では「人にしかできないこと」にもっと時間を使えるようになります。たとえば、一人ひとりの気持ちを受け止め、想像力を伸ばすような関わり方ができるようになります。AIと人間がそれぞれの強みを活かして協力し合えば、教育はもっと豊かで温かいものになるはずです。

AIの時代だからこそ、教育の価値は“人”の中にあります。知識を教える先生から、心を育てる先生へ。そんな新しい教育の形が、これからの時代を支えていくのだと思います。

さて、ここで問題です。私が書いた部分はどこからどこまででしょうか。恐ろしい時代になったものです。

2025年10月30日 (木)

【第911回】「最近よく聴いている音楽について」髙橋 李句 (国語)

久しぶりの先生ブログですが、自分の中で定番化している音楽の話について書こうと思います。
それでは、最近よく聴いている音楽(アーティスト)についてです。

①「AquaTimez」(アクアタイムズ)
 このバンドは私の中学時代と高校時代を彩っていました。2018年に解散しましたが2024年から期間限定で復活しました。復活を発表した瞬間の興奮は今でも忘れられませんね・・・。7月に金沢でライブがありましたがもちろん観に行きました!新曲から往年の名曲まで内容盛りだくさんであっという間の2時間半でした。

【おすすめの曲】
『ヒトシズク』『等身大のラブソング』『MASK』『エデン』『生きて』『しおり』


②「結束バンド」(アニメ ぼっち・ざ・ろっく より)
 2022年放送のアニメ内で出てくる高校生バンドです。友達も作らずぼっちで過ごしてきたが、ギターの腕が超一流の主人公「後藤ひとり」が突然バンドに誘われるところから話が始まります。とにかく、曲がかっこいいんです。キャラクターの個性がすごいんです。曲だけでは無くアニメも見てほしいですね・・・。

【おすすめの曲】
『忘れてやらない』『星座になれたら』『あのバンド』『フラッシュバッカー』


③「マルシィ」
 生徒におすすめされて聴き始めました。歌詞が柔らかくて、包み込むような優しい声で、切ないメロディで・・・。ハッピーな曲がメインですが、切ない系も刺さります。金沢にもツアーでちょこちょこ来てますので、チャンスがあればぜひ行きたいですね。

【おすすめの曲】
『凪』『プレゼント』『未来図』『幸せの花束を』『大丈夫』


④「SUPER BEAVER」(スーパービーバー)
 最近聴いていませんでしたが、熱が再び出てきました。ライブでのパフォーマンスがとにかくかっこいいんです。「レペゼン、ジャパニーズポップミュージック、フロムトーキョージャパン、ライブハウスから来ました、スーパービーバーです。よろしくどうぞ!」で始まるライブは何回でも行きたくなります。ボーカルの佇まい、楽器隊のクオリティ、すべてがかっこいいんです。最近は人気すぎてチケットとれずに切ないです。また行きたいですね。

【おすすめの曲】
『人として』『名前を呼ぶよ』『証明』『美しい日』『ありがとう』


いかがでしたでしょうか。
私は、音楽が好きですが、歌詞に使われている言葉やライブMCでの人の引きつけ方を学ぶためにも音楽を聴いています。
みなさんのおすすめの音楽もぜひ教えてくださいね。

2025年10月23日 (木)

【第910回】「Go! Cubs! Go!」T. Y. (英語)

 今年の春、MLB観戦という夢が実現しました!ドジャースのワールドシリーズ進出が決定し、日本では大谷選手の活躍で大騒ぎですが、他にも活躍している日本人選手がいます。私が観戦したのは、それぞれ日本人選手2人が在籍するカブスとパドレスの一戦。カブスの本拠地リグリーフィールドはMLBで2番目に古い球場で、外野フェンスがツタで覆われることで知られています(私が行ったのは4月だったので茶色のフェンスでしたが)。カブスはとても人気があり、ホーム開幕を楽しみにしていたたくさんのファンであふれていました。今永投手が好投し7連勝中のパドレスに競り勝つという好ゲーム。ホーム開幕戦ならではのイベントやファンの盛り上がり、MLBならではのダイナミックさやスピード感など、存分に楽しむことができました。そして日本人選手の名前が入ったユニフォームを着ているファンがたくさんいたのはうれしかったです。
 おもしろかったのは日米の観戦スタイルの違いです。日本のプロ野球を見に行くと、ホーム席とビジター席が分かれていて、応援団が楽器を鳴らしファンが一体となって選手の応援歌を歌って応援しています。アメリカの球場では、相手チームのユニフォームを着たファンがホームチームのファンに混ざって座っています。みんなまるで自分の家のリビングにいるかのように、何か食べたり、友だちとおしゃべりしたり、声出し応援なんて全然しないし試合なんて見ていないかのように自由なのです。しかし、ホームランが出たり、ピンチで三振を取ったりすると、いっせいに立ち上がって歓声をあげます。それぞれ好きなことをしているようでも、ちゃんと試合を楽しんでいるんですね。日本でおなじみの選手名タオルが売られていないのがちょっと寂しかったですが、日本は応援を楽しむ、アメリカは試合を楽しむ、という感じでしょうか。野球の楽しみ方が全然違うんだなと感じました。
 基本的にMLBには応援歌がないようですが、Cubsファンは勝利したら”Go Cubs Go”という応援歌を大合唱します。これは日本の応援と似ていますね。7回に流れる”Take Me Out to the Ball Game”と”Go Cubs Go”を球場で歌うのを楽しみにしていたので、日本で練習して行きました。いっしょに歌うと初めて会ったアメリカのファンとも仲良くなれます!みなさんも機会があれば好きなスポーツを外国で観戦してみてください。きっと、プレー以外にも興味深い発見がありますよ。

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2025年10月16日 (木)

【第909回】「今、観光ガイドが注目されてます」T. Y. (国語)

観光ガイドという取り組みを始めて、2年目に突入しました。
昨年、石川県の観光誘致課の方に掛け合って育成プログラムを作り、今年度から観光ガイドとしてデビューをしました。
デビューにあたり、遊学講座だけではなく「観光ガイド同好会」を発足させ、石川県知事より「観光ガイド特使校」に任命され、すでに何件ものガイドを実施しました。
ガイドは月1~2件入りますが、それ以外の活動として学校周辺にある文化施設を見学するということを行っています。
この本多町界隈には県立美術館・県立歴史博物館・県立伝統産業工芸館などまだまだたくさんの文化施設があります。高校生以下は無料という施設も多数ありますが、観光特使になると県内100か所以上の文化施設が無料で利用できるので、近隣の文化施設はほぼ全部まわることができました。

兼六園に行くと必ず外国の方がたくさんいらっしゃいます。私達はオリジナルの半纏を着ているので外国の方からすると珍しいのか、見られたり、話しかけられたりします。私達からも写真を撮ろうとしている人や、何か探していそうな人に声をかけたりしています。最初は英語が話せないので、ドキドキしていた生徒も勇気を出して話した後には、緊張からの解放と達成感とでとても良い笑顔を見せてくれます。
修学旅行生のガイドだけではなく、外国の方とのグローバルコミュニケーションもどんどんしていこうと思っています。

現在観光ガイド同好会は3年生が多数を占めており、3年生が引退すると人数がかなり減ってしまいます。来年度には「観光ガイド部」という正式な部活動になります。
現在遊学生の生徒も、現在中学3年生の遊学館に入学しようと思っている子も入部大歓迎です。募集は春の期間だけでなくいつでも募集しています。現在もそうですが、兼部も可能なので兼部している子も多数います。

学校の授業ではなかなか伸ばすことが難しい、これから必要となる「コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力」を「観光ガイド部」でレベルアップさせませんか?

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2025年10月 9日 (木)

【第908回】「ヨイトマケの唄」渡辺 祐徳 (英語)

生徒の皆さんに向けて、紹介したい歌があります。それは歌手美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」です。

(ヨイトマケとは、土木作業の現場でのかけ声や,そこで働く人を指す言葉です。)

何かに打ち込んだり、勉強することの大切さや、家族や社会のために一生懸命に働くことの尊さを教えてくれるすばらしい歌です。しかしとても内容が濃く,授業で取り上げようとしても思わず声が詰まってしまい、なかなかうまく話せません。そこでこのブログを使って、その内容をお伝えしたいと思います。

(ここでは歌詞の転載はしませんので,ぜひ美輪明宏さんの歌を聴いてみてください。)


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おそらく父親が病気なのでしょう、とにかく「母ちゃん」が一人で、幼い「僕」を育てるために、ひたすら働く姿から始まります。
「母ちゃん」は、男たちに混じって建設現場で働いていました。重い綱を引き、天に向かって声を張り上げながら、力いっぱい働くその姿は、いつも泥にまみれ、汗と土に汚れていました。真夏の太陽の下、肌を焦がしながらも、ひたすら「僕」が食べるため、そして学校に通えるようにと、文字通り身を粉にして働いたのです。大人になった「僕」が煙草をふかしながら目を閉じると、貧しい土方(どかた)(土木作業員)の歌声が、今も耳にこだまするのです。
「父ちゃんのためなら エンヤコラ!母ちゃんのためなら エンヤコラ!」

幼いころの「僕」は、そんな「母ちゃん」の姿を、時に恥ずかしく感じていました。小学校では、友達から「ヨイトマケの子、汚い子」とからかわれ、悔しさに涙を流しながら帰る道すがら、また「母ちゃん」の働く姿を目にするのです。泥だらけで男たちに混じり、必死に働く「母ちゃん」。その姿を見たとき、最初は慰めてもらおうと駆け寄った「僕」でしたが、涙も忘れ、家へは戻らず学校へ引き返します。そして、心の中で強く誓うのです。「勉強するよ」と。それは、「母ちゃん」の苦労を間近で見て、自分も頑張らなければという、幼いながらの決意でした。

あれから何年もの歳月が流れました。「僕」はあの時の誓いを胸に、懸命に勉強に打ち込み、高校を卒業し、さらに大学へと進みました。そして、今の世の中を支える機械の知識を身につけ、エンジニアとして立派に社会で働くようになっていたのです。

しかし、「母ちゃん」は、その「僕」の成長を見届けることなく、苦労の多い人生の末に亡くなっていました。「僕」は心の中で叫びます。「母ちゃん、見てくれ、この姿を。」と。グレかけた時期も何度かあったけれど、決して道を踏み外すことなく、真面目に生きてこられた。それは「母ちゃん」のあの歌声が、どんな美しい歌よりも、どんな綺麗な声よりも、「僕」を励まし、慰めてくれたからなのです。
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この歌が描く世界観は,昭和初期のある一場面に過ぎず,高校生の皆さんにとって,あまり実感がわかないかもしれませんね。しかし、たくさんのことを教えてくれていると思います。
「母ちゃん」の働く姿を見て,貧困やいじめといった困難をはね返し,「勉強するよ」と誓った「僕」。そして立派に成長した「僕」が抱く,「母ちゃん」への感謝の気持ち。
皆さんがこれからの人生の中で困難に立ち向かうときに、この歌のメッセージが参考になればいいと思います。