【第964回】「期限つきの、最強の肩書」北川 巧 (理科)
「現役教師の土地家屋調査士」。これが、世の中での僕の肩書です。
僕は昨年の3月まで、遊学館で数学を教えていました。今は、石川県小松市で「土地家屋調査士」という仕事をしています。土地の境界を調べて測り、土地や建物の情報を法務局の登記簿に正しく記録する、国家資格の仕事です。24歳で自分の事務所を開き、今、25歳です。
実は、今も遊学館の教壇に立っているのは、週に2回、それも午前中だけです。それでも世の中では「現役教師の土地家屋調査士」として覚えてもらい、土地家屋調査士の中では割と名の知られた方になりました。うそをつく必要はありません。本当のことのどこに光を当てるかは、自分で選べます。世の中に出て、肩書と自分の見せ方がどれほど大事かを学びました。キャッチーな肩書は、生かすも殺すも自分次第です。
もう一つ、僕を助けてくれた肩書があります。「24歳」という若さです。24歳で開業したというだけで、たくさんの大人が「その若さで?」と興味を持ってくれました。話を聞いてくれただけではありません。周りの人が助けてくれ、たくさんのビジネスチャンスにも出会わせてくれました。若さはキャッチーで、市場価値が本当に高い。そのことを肌で感じました。
キャッチーな肩書は、全員に刺さるわけではありません。でも、刺さる人には深く刺さります。全員に好かれようとする八方美人より、そのほうがずっといい。刺さる人に出会うために、僕はこの1年半で約800人と名刺を交換しました。そして、出会えた人を、とことん大事にしています。
さて、皆さんも、とても強い肩書を持っています。「高校生」です。ただし、この肩書には期限があります。3年たてば、もう使えません。人生で一番若い日は、いつも今日です。
部活でも、勉強でも、趣味でも、ジャンルは何でもかまいません。若さを武器に、何かに本気で取り組んでみてください。本気で挑戦している高校生は、それだけで必ず注目されます。普通なら会えないような大人たちにも会えるようになります。大人は、本気の高校生を放っておきません。うまくいかないこともあるでしょう。たとえ失敗していたとしても、その経験は必ず自分の成長になります。
教室の中で、周りにどう思われているかが気になって、心をすり減らしている人もいるかもしれません。僕にも、周りの評価ばかり気にして、本当の自分とは何なのか悩んでいた時期がありました。でも、本気で何かに打ち込むと、周りの顔をいちいち見ている暇はなくなります。教室の中の評価は、あなたの肩書のすべてではありません。あなたに刺さる人は、教室の外にも必ずいます。
何かに挑戦してみたい人、何から始めればいいか迷っている人は、遊学館で僕を見かけたら、一度声をかけてみてください。一緒に考えましょう。
今が、一番若い。その若さを武器に、何かに本気で挑戦してみよう。「高校生」という最強の肩書を、生かすも殺すも皆さん次第です。








