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2010年3月24日 (水)

【第126回】100年後にも桜の花が咲きますように S. J. (地歴・公民)

今日の朝、テレビを見ていると、「100年後には日本の太平洋側では桜が咲かないかもしれない。」というニュースをやっていました。100年後といってもピンと来ないかもしれませんが、自分の孫の時代にはそうなってしまうかもしれないと考えるとそう遠くはない話に思えます。

原因は地球温暖化です。気温が上昇すると冬が寒くならない。そうすると桜が冬という季節を感じなくなるので咲かなくなるそうです。桜は冬の寒さに耐えてこそ、春の暖かさを感じて花を咲かせるのです。

このニュースを見ながら思い出したのが、先日読んだ本のことです。「仕事とは何か」という質問に対して、様々な人が答えるインタビューを集めた本でした。ある大学教授の話です。ものごとがものすごくうまくいっている時に困難が現れると「あー、これでうまくいっていることがダメになる。」と思ってしまうひとが多い。
でも、その時に「この困難が現われなかったら、もうちょっといい加減なものになっていたかもしれない。これが現れたということは、もっとちゃんとしたものにしなさいという意味なんだ。」と考えればいい。その結果、より素晴らしいものに仕上がるだろう。自分で自分の成長を感じ取れるし、まわりの人たちも、「あの人は、あの困難を克服した人なんだ。」と認めてくれるでしょう。という話でした。

私自信も思い起こせば、様々な困難にめぐりあい、それを多くの人達の助けによって克服してきたと思います。それらの経験がなければ、もっといい加減な人間になっていたかもしれません。もちろん、まだまだ未熟な人間ではありますが。あの厳しい寒さを感じたからこそ、成長の喜びや人々の温かさを感じ取ることができたのです。

これから中学3年生になるみなさんも受験勉強にがんばられると思います。ぜひ、その厳しさに耐え、来年の春には花を咲かせてください。

そして私達は、100年後にも日本で桜が咲き続けるためにはどうすべきかも考えていかなければなりません。

2009年5月27日 (水)

【第87回】前に進むための満足S. J. (地歴・公民)

 先日、テレビ番組を見ていたら、イチロー選手が次のような発言をしていました。

「何か課題や目標を定めて、達成したら大いに満足をするべき。そうでないと人間は気持ちがもたない。満足するのも自己評価。僕はむしろ満足人間です。満足の先には必ず次の満足に向かう課題が現れるもの。その時は、また全力でそれを目指せばいい。

 イチロー選手といえば、すばらしい結果を出しても決して満足しない人という印象が強かったので、意外でした。でも、彼もやっぱり人間。自分で自分のことをほめてあげてたんだなぁ、と思いました。そういえば、最近よくテレビに出ている脳を研究している博士も、

「できないことができるようになったとか、知識を得て疑問が解消したとか、どんな小さなことでもいいから喜びを感じる経験を積み重ねることが脳を活性化させる。

と言っていました。ただ、2人の発言で重要なのは、あくまでも

「次に進むために満足する。」

ということ。満足したところで、立ち止まっていては意味がないのです。
イチロー選手は次のようにも言っていました。

「自分の信じるやり方を貫くには、自己評価が一番厳しくなければならない。自分の可能性を広げるには、自分で自分を高いレベルで妥協なく教育するしかない。

博士も言っています。

「やる前は無理かもしれないと思っていたけれど、やったらできた」という意外性ほど、脳を活性化させるものはない。」

そう、最初は簡単なことでもいいから自分をほめてあげる。でも、超えるべきハードルが低すぎても、脳は喜びません。次に超えるべきハードルを高くしていくことが、大きなゴールにつながっているのです。

そのために必要なのが、師の力です。授業なら教科担任、部活動なら顧問の先生方の話をしっかりと聞いて理解する。ハードルを超えるための技術をしっかりと伝授してもらうことです。勉強もスポーツも上手になることが楽しむ第一条件。あるスポーツ選手が言っていました。

「遊びも、勉強も、スポーツも、仕事も、真剣にやるから面白い。小さいころ、鬼ごっこに夢中になったでしょ。あれは絶対に鬼になりたくないって真剣にやってたから。そこから、よけ方やつかまらない逃げ方を学んでいく。真剣にやるから上手くなる。上手くなるから面白い。何事も楽しみたかったら上手になればいい。

日々の授業で、できないと思っていた問題が解けた、ノートをしっかりととれた、恥ずかしがらずに質問できたなど、まずは小さなことでもいいから、脳を喜ばせてあげましょう。部活動では、昨日できなかった技が出来たとき、昨日5点しか取れなかった相手に6点取れたとき(たった1点と言わずに!)、仲間とともに気持ちの入った練習が出来たとき、自分をほめてあげればいい。そして、先生がたのアドバイスを聞いて、勉強も、スポーツも、芸術も、清掃も上手な方法を学んでいく。

 そして、次の日また、昨日の自分を越えたときに満足し、次の課題を見つける。あるいは、師が超えるべき課題を与えてくれるでしょう。そうやって自分を高めていき、2年後の自分の可能性を広めていって欲しいと思います。

2008年7月30日 (水)

【第48回】夏の暑さなんかより、もっと熱い応援!S. J. (地歴・公民)

「7・8・9回で3点ずつ取れば逆転や。」
「もっと応援もりあがろう」

 女子生徒の声でハッと我に返りました。

 7月24日に県立野球場で行われた、高校野球の決勝戦でのことです。
 6回裏、金沢高校に一挙5点を取られ、2対8のスコアになったときには正直、あきらめのムードが周囲に漂いました。そのような時です、女子生徒の声が聞こえたのは。普段、私も部活などで「最後まであきらめるな」ということを言っているくせに、そんな気分になっている自分が恥ずかしくなりました。なによりグランドで戦っている選手は決してあきらめていないはずです。私は立ちあがって、残りの回は守備の時でも座らずに応援し続けることを決心しました。

 スタンドの応援も、野球部員の盛り上げで大きくなり、7回に2点、8回にも2点返したときには、「絶対に逆転できる」という確信がスタンドに広がりました。

 そして9回、あの3ランホームランです。鳥肌が立ちました。3塁側スタンド全体が揺れました。泣いている子もいます。「最後まで決してあきらめない」野球部がそれを体現してくれた瞬間でした。

 結果は逆転サヨナラ負けでした。しかし、ここまで心が震える経験は何年かに一度あるかないかだと思います。

 試合後、多くの保護者から「素晴らしい試合でした。」「遊学館を誇りに思います。」などのお言葉をいただきました。私の友人からも、「おまえ、遊学館の先生やっとるのうらやましいわ。」と言われました。

 野球部のキャプテンは全校登校日にお礼のあいさつとして「あの応援があったからこそ、最後までがんばれることができました。」と述べました。

 受験生の皆さんにも、心から応援してくれる人たちがいると思います。最後まであきらめず自分の目標に向かって頑張ってください。その目標が本校であれば嬉しいです。

 そして、来年の夏には一緒に熱い応援をしましょう!

2007年10月24日 (水)

【第11回】再会S. J. (地歴・公民)

 私立学校の良いところの1つに、基本的には先生方の転勤がないところがあげられます。ですから、卒業して何年たってからでも遊学館に来れば、高校時代に教わった先生方と再び逢うことができるのです。高校生の気持ちに戻って恩師と語り合うことができるのです。

 今年度も多くの卒業生が、職員室に遊びに来てくれています。

大学へ進学して垢ぬけた人
就職して大人っぽくなった人
赤ちゃんをつれてきてびっくりさせる人

 そして、多くの卒業生が、「高校時代はめちゃくちゃ楽しかった。」「遊学館でよかった。」などと言ってくれます。

 しかし、もっと嬉しいのは、「先生に相談して選んだ、今の大学を選んで良かったです。」「就職して、資格取得に向けて頑張っています。」「子育て大変やけど、しっかりやっとるわ。」などと、「今」を充実させて生きている言葉を聞いたときに大きな喜びを感じます。

 さらに、「あのとき先生に言われたこと、高校時代にはわからなかったけど、働くようになってから、親になってからすごくわかるようになりました。」などといわれたときには、教師という職業は、学生時代だけではなく、一人の人間の未来にも大きく関わっていることを実感します。

 遊学館には、生徒からの様々な相談に、親身になって聞いてくださる先生方が多くいらっしゃいます。ですから、多くの卒業生がうれしかったこと、悲しかったこと、いろいろなことを職員室に報告しに来るのだと思います。

 中学生のみなさんも、最高の進路を選択できるよう頑張ってください。そこには、新しい友人や先生との素晴らしい出会いが待っていると思います。できれば、それが遊学館であることを願っています。