2023年4月13日 (木)

【第778回】「俺たちは遊学館だ!」N. A. (保健体育)

新入生の皆さん、入学おめでとう!!
そして2年生、3年生も新学期が始まってワクワクしているでしょう。

私から皆さんに是非、お願いをしたいです。
「最高の遊学館つくりませんか??」
私はお隣の県立工業出身でしたが、私が高校生だった頃の遊学館は
野球部は甲子園へ、サッカー部は県で2位、男女卓球部は県で1位、駅伝も県で1位
男女バレーボールは県で2位、バトンは日本1そんな学校だった事を覚えています。
凄くスポーツが盛んな学校だなと覚えています。

最近、高校の先輩に会い遊学館で教員をしている事を伝えました。
すると言われた言葉は
「駅でTikTokの撮影しとるあいつら何とかしてくれや」
「バスでめっちゃうるさいよ」
そんな言葉でした。
私は勤務2年目ですが、やっぱり自分が勤務する場所、みんなが所属する学校として
そんな風に思われる学校にはしたくないです!
「ええ!あの遊学館か!イケメンもかわいい子も多いよな!」「部活すごいよな!」
「めっちゃ良い学校で勤務しとるやん!」そんな風に言われたい!!

君たちが自分で決めて進学をしてきた遊学館です。
ダサい学校だね。と言われるのか、遊学館いいな!と言われるのかは
1人1人の行動で変わってきます。

小学校で出来てた掃除が出来なくなっていませんか?
中学校で出来てたベル着できなくなってませんか?
おはようございます!の一言が言えない人間になってませんか?

あなたが思う最高の学校にしませんか。
胸を張って言えるようにしよう!「俺たちは遊学館だ!」と。

2023年4月 6日 (木)

【第777回】「努力し続けるという才能」西村 美恵子 (英語)

 今年三月、卒業した生徒の中にジョンソン モゲニ君がいました。彼は、当校二人目となるケニアからの留学生であり、私にとって日本語を教える初めてのケニア人生徒です。昨年の高校インターハイでは5000メートル第3位、全国高校駅伝では区間3位…その活躍は新聞に写真入りで報じられるほどでした。彼の活躍を見るにつけ、私は彼が持っている、努力し続ける意志の強さと自己管理能力の高さに驚かされ、感動させられてばかりいました。そのようなジョンソンとの日々で感じたことをお話ししようと思います。
 コロナ渦中で来日が予定通りに進まず、彼が金沢にやって来たのはもうみぞれが降るような11月でした。彼の第一印象は恥ずかしがり屋で大人しく真面目。授業にも熱心に取り組んでくれました。母語の次に、子供の時から学ばなければならなかったスワヒリ語と英語を学び、更に異国の地へとやってきて自身にとって4つ目の言語である日本語を学ぶ彼に言語を学ぶ理由を尋ねてみると「使う必要があるから」という答えが返ってきました。彼にとっては至極当然な事なのかもしれませんが、日本に住み日本語さえ使えれば生きていける私たちとの大きな差異を感じ、忘れられないほどの衝撃を受けました。
 慣れない土地での暮らしが始まって早々に金沢特有の寒さや悪天候の洗礼をうけ、彼は風邪をひいて熱を出した事がありました。幸いすぐに元気になったのですが、驚いたことに熱が下がった直後に早朝の自主練習を再開したのです。週6日、朝6時前から10kmほどのランニング。それも単に走るだけではなく、その日の目標タイムを決めたり、走り方を変えたりするような練習だということでした。そしてそのような自主練習は卒業まで続きました。又、筋力トレーニングではケニアでしていたものと日本のそれとはどう違うのかを考え、うまく両方を取り入れている姿が見られました。
 また体調管理に関する知識もとても豊富で、アスリートとして日常生活で何が大切であるかをよく話してくれました。例えば日頃白米をあまり食べないが、(実のところ、日本のお米はねばねばで好きではないとのことで)大会が近づくと糖質をたくさん摂取するために白米を食べると。長距離ランナーの常識だろうけれど、食習慣が全く違う国にいて、ストレスも多いだろうに、食べるということに関するストイックさは食いしん坊の私から見れば頭が下がるおもいでした。でも時には週末には尞でケニア風料理を作って食べているようでした。
 恥ずかしがり屋のジョンソンが2年生の頃から新聞等のインタビューを受けるようになり、大急ぎで日本語での返答の練習をしたことなどは楽しい思い出ですが、彼が気に入っていた返事は「まずまずです」で、彼の謙虚さとともに意識はもっと高いところを目指していることがわかる気がしました。
 3年生最後の京都駅伝の前に、私は彼に、「努力し続ける才能があるねー」と言いました。3年間彼を見続けて、素直にそう感じていたからです。すると彼は、「これは才能ではなくて、向上心です。毎日毎日より良い走り、より速い記録を心掛けているだけです」と答えました。私が感じた彼の“努力し続ける才能”は彼にとっては“向上心”であり、その“向上心”を支えているのは彼の自尊心と、家族に楽な暮らしをさせてあげたいという切なる願いであるからこそ、自分と家族のために向上心を持ち続ける事ができる事もまた一つの才能なのではないかと私は思っています。

2023年3月30日 (木)

【第776回】「25期生へ」中村 ゆかり (国語)

拝啓  
 桜の花も見頃となり、日本中が淡い色に包まれる季節を迎えました。花開くのを待ちわびていたかのように金沢の街中も多くの人で賑わっています。
 卒業から一ヶ月、25期生のみなさんはもうしばらくで新しいスタートを迎えることになりますが、毎日を充実させていますか、心と身体の準備は整っていますか。
 これまでを振り返ってみると、「あっという間だったな」という思いが強いのではないでしょうか。皆さんの高校生活はまさしくコロナ禍とともにあった3年間でした。卒業式の答辞にもありましたが、入学直後の休校に始まり、分散登校、行事の中止、と予期せぬことが相次ぎました。加えて部活動でも、ほとんどの大会において中止という状況でした。授業も同様で、さまざまな活動をよりよく実践するために必要なコミュニケーションに、制限が掛けられたものとなりました。
 「自分たちの高校生活はこんなはずじゃなかった」と3年間を振り返った作文の中に書かれた言葉に、誰が悪いわけでもないのですが、人として、教師としての無力さを感じずにはいられませんでした。国内外の感染に関する情報や実情に左右され、前向きになった気持ちを何度も打ち砕かれる本当に落胆の多い学校生活だったと思います。それでも皆さんのエネルギーは有り余るものがありました。できる限りの工夫をして臨んだ授業や進路決定に向けての取り組み。経験値が少ないながらも、仲間と助け合い、後輩たちの協力や先生方のアドバイスを受けて取り組んだ体育祭や学園祭。仲間と盛り上げよう、後輩たちをリードしようと行事の成功に向けて懸命でした。ときにその思いが先走り、友達と衝突したり、先生方から注意を受けたりすることもありましたが、それも皆さんには必要な経験であったと思います。
 この3年間、本当にいろいろなことがあり、もどかしい思いを味わったことだと思います。未だ充分な手立てがなく、これからも何が起こるか予測のつかないのが現状です。それでも数多くの試練を乗り越えた皆さんのこれからが、希望ある前途であることを願っています。

夢見てた未来は それほど離れちゃいない
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!
時には灯りのない 寂しい夜が来たって
この足音を聞いてる 誰かがきっといる

敬具

2023年3月23日 (木)

【第775回】「なぞなぞ」中村 裕行 (地歴・公民)

 昨年から、日本へ逃れているミャンマーの少数民族ロヒンギャの子どもたちの学習支援ボランティアに参加しています。曜日ごと学年別にオンライン上で教室が開かれ、ブレイクアウトルームに分かれて個別指導を行うのですが、ある時、私が担当する教室の全体ミーティングで「なぞなぞ大会?」が始まりました。その時、小学3年生の女の子が流ちょうな日本語で「1本2,000万円もする高級ワインが突然2,000円になってしまいました。なぜでしょう?」というなぞなぞを出しました。子どもたちだけでなく、私のような年配者から若い大学生までのボランティアの誰も答えられません。文字にするとわかりやすいかもしれませんが、正解は「栓(千)が抜けたから」だそうです。どこかで習ったにしても、私は「なるほど!」と感心してしまいました。

 早速、私も授業でこのなぞなぞを生徒たちに出してみたところ、ノーヒントで正解を答える生徒はいませんでした。その後、あるクラスでは倫理の授業のたびに生徒たちが私へ、なぞなぞを出してくるようになりました。最初のうちは、「トラックが野菜や果物を積んで走っていたところ、カーブを曲がる時に落ちてしまったものがあります。何が落ちたのでしょうか?」…「スピードだろ!」というように軽くいなしていたのですが、ある時、「毎月22日はショートケーキの日ですが、なぜでしょう?」と聞かれて、答えに詰まってしまいました。生徒が課題に取り組んでいる間も考えましたが、答えられませんでした。正解は、「イチゴ(カレンダーの15日)が上にのっているから」だそうです。私は大人気(おとなげ)なく、「ショートケーキの上はイチゴと決まっているのか!」、「ケーキ屋さんでショートケーキをくださいと言ったら、必ずイチゴのショートケーキが出てくるのか!」「そもそも思考とは、物事の定義付けをしっかりさせてからするものだ!」などと反論しましたが、取り合ってもらえませんでした。(笑)

20230323_5 (やっぱりイチゴか…) 

 何が言いたいかといえば、柔軟な発想としなやかな思考を身に付けたいということです。私が教える倫理の授業では、思考力や独創性を大切にしています。まさに、なぞなぞは頭脳のウォーミングアップとして最適でした。

 「押してもダメなら引いてみな」という言葉があります。倫理の授業でいえば、天動説と真逆の地動説をコペルニクス(ポーランドの天文学者 1473-1543)が唱え、「認識が対象に従う」のではなく「対象が認識に従う」のだとカント(ドイツの哲学者 1724-1804)はまさに思考のコペルニクス的転回を行いました。まさしくパラダイム(思考の枠組み)の転換です。

 押してもダメなら力ずくでこじ開けようとしている、そこのあなた! すっかり行き詰まってしまった感のある、そこのあなた! 解決策や打開策は真逆と言わないまでも、別の角度(視点)にあるのかもしれませんよ…。

2023年3月16日 (木)

【第774回】「卒業式」N. H. (保健体育)

 先日、【令和4年度 卒業証書授与式】が粛々と執り行われました。今年度の卒業生は、入学時から卒業まで、『新型コロナウィルス感染症』に翻弄された3年間の高校生活だったのではないでしょうか。数々の学校行事やイベントが中止・縮小され、今までの卒業生と比較すると生徒によっては、「この時代だからこそ中身の濃い」と感じた生徒がいると思いますが、多くの生徒があまりにも消化不良と感じた生徒がいると思わざるを得ません。
 ただ、ここ数ヶ月は、感染状況が落ち着きを見せ、日本政府は感染症の分類として「季節性インフルエンザ」と同等の『5類』へ2023年5月8日より移行し、法的な扱いが大きく変わることになると発表されました。確かにここ1・2年前よりも感染拡大が落ち着いてきているように感じられます。卒業式前後には、2年生の沖縄修学旅行や1年生の北海道修学旅行が実施されました。以前より学校行事やイベントでは制限などあり、何とか実施してきましたが、このような大きな学校行事が実施されたことは、今後大きな意味を持つことになると思います。

 『新型コロナウィルス感染症』がこれで、終息するとは簡単に考えられませんが、徐々にこれまでの「季節性インフルエンザ」と同じような扱いや捉え方になっていくのかなと思います。少しでも以前の日常を取り戻し、特に卒業生には、高校生活で経験したことをこれからの生き方に活かしてもらえたらなと思います。それと同時に今後の活躍に大きな期待を抱かずにはいられません。『夢』を持ち続け、諦めることなく、掴みとってほしいと願っております。いつかこの体験や経験が役に立つことになることを祈っております。