【第656回】 「正しい知識」A. K. (理科)
昔々、私がまだ小学生だったころのことでした。
冷たい水が入ったガラスのコップの外側に水滴がつくのはなぜなのか?疑問に思ったので、ある大人に聞いてみました。すると、その人は、「内側に入っている水が、ガラスからしみ出てくるから」と答えました。実は、この答えは間違いで、正しくは(簡単に言うと)、「空気中に含まれている気体の水蒸気が冷たいコップの表面で液体の水に凝縮するから」です。
私は、中学3年生で受けた高校入試のための模試で同じ問題を不正解となり、ようやく正しい知識にたどり着きました。この体験は、先ほどの1回だけではとどまらず、自分が思っていたことが実は間違いだったり、勘違いしていたり、思い込みだったり、ということが高校や大学で勉強していくうちに何度もありました。
私は、生徒の皆さんから何か質問を受けたとき、「時間をください」と言って即答しないこともしばしばあります。特に、自分が大学で専攻していなかった理科の質問に対しては、憶測で物を言うことで間違った知識を教えるわけにはいかないと、慎重になるからです。だから、少し待ってくれるとうれしいです。
また、最近は、ネットで簡単に知らないことも検索できるようになりました。しかし、ネットに書いてあることが全て正しいとは限らず、自分で正しい知識を選び取る力が必要になっています。そのためには、片寄った勉強だけしていてはだめで、幅広い分野の勉強が必要になってきます。高校は、幅広い知識を得るのに、最高のところだと思います。
ということで、まずは、目の前に迫っている期末試験では、すべての教科を全力でがんばりましょう!それが深く心に沈んでいって、将来、何かの拍子に出てくるといいですね。