【第468回】 ひとり一人に賜物があるはずS. K. (数学)
本多町の閑静な住宅街に、千人をはるかに超える、見目麗しい青年諸君が毎日集まっている現実を知っている人は意外に少ないのではないか。
全国で活躍している数々の部活動の拠点が、こんなところにあることは、この学校に関わって、初めて知りえたことかもしれない。
私もこの学校に関わって、3年が過ぎましたが、ここに集っている、ひとり一人の賜物に思いをはせることがあります。みな、小学、中学と経過して、今この学校の教室で学びの中にあるわけですが、真理を求める探求心が、今開花しようとしている人に良く出会います。これこそ、高校生の姿です。一人一人の過去は、何だったのか問いかけたりする必要はありません。訳が分からないまま、6年、7年と過ぎ去ったのかもしれません。その間苦労の人生であったかもしれません。その苦労が長ければ長いほど、これから自分で獲得したものが皆さんの肉となって身についたとき、一生離れない確実なものになるのです。
「何事にも時がある」という、あるところでは有名な言葉があります。今の皆さんにとって、真理を探求しようという意欲がわいてきたとき、それこそあなたにとってその時なのです。
その時に、自分らしい、他人にはない賜物が備えられていることを悟る領域まで達してもらいたい。
何事も競い合いながら、みずからを鍛えるのもいいですが、この地上で命が与えられた自分に、いったい何を求められているのか、それを問いかけながら進むようにしてもらい。そうすれば、あなた方の心は純粋な成長を遂げると信じます。