【第414回】 第一体育館の思い出中村 裕行 (地歴・公民)
来たる3月1日(火)の卒業式が終わると、第一体育館の取り壊しが始まる。沿革をたどれば「昭和39年11月に完成し、60周年記念行事を行う」とあるから、私より少し若いが満51歳のかなり年期の入った体育館ということになる。
リードバンド部の顧問を務めていた若い頃は、定期演奏会前のステージ練習でこの体育館をよく使った。最近でいえば、バドミントン部の顧問として3年ほど前までは部員達とこの体育館で文字通り汗と涙(?)を流した。公共施設などではよく、利用人数を集計したりしているが、練習試合などで本校の第一体育館を訪れた人も含めれば、利用人数はかなりの数になることだろう。
遊学館高校はスポーツや部活動の盛んな学校であるが、必ずしも練習環境が充分であるとはいえない。この第一体育館も、男女バレーボール部、バドミントン部、バトントワリング部、剣道部が交代で使う他、朝練ではサッカー部、上のギャラリーでは男女駅伝競走部がストレッチ運動など、常に多くの部が混在し、かなりの稼働率となっている。大会が重なる時期には「ステージだけ使わせて」と懇願されたこともあるし、事あるごとにF教諭は「本当にどのクラブも譲り合いの精神をもちながら、切磋琢磨し高め合っている」と“チーム遊学”を強調している。
1年後には、冷暖房や走路を備えた新体育館が完成する。7年前に新校舎(第二学館)が完成した時、初めて足を踏み入れた生徒達の歓声が懐かしく思い出される。バレー部のサーブ練習も助走が効くだろうし、高く投げ上げたバトンが天井を突き破ることもなくなるだろう。この1年間は部活動も苦しいジプシー生活を送ることになろうが、新体育館を夢に、そして舞台に更なる飛躍を期してほしい。
最後に…、来たる3月1日の卒業式には、卒業生とともに第一体育館にも有終の美を飾ってもらいたいと願うばかりである。