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2023年5月 4日 (木)

【第781回】「ヨモギを食べられる?」深代 真一 (数学)

 スマートフォンが普及し、誰でも簡単にインターネットに接続できる時代になりました。わからないことがあったとしても、ネット上で検索すればほんの数秒で調べることができます。また、最近はAIを利用したチャットによって、自由度の高い問に対しての答えを得ることまでできるようになりました。とても便利な時代になったと実感するとともに、恐ろしい事態が近づいてきているようにも思います。
 その恐ろしい事態とは「知恵の喪失」です。知恵とは「生活にとても役立つ習慣・伝統」と言い換えても良いかと思います。いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」のようなものです。私の家には畑(とは言い難い小さいもの)があり、ヨモギ(と思われる)がたくさん生えています。私はヨモギの食べ方を知りませんでした。そこで、インターネットで調べて調理し、ヨモギ団子を作ったことがあります。逆に言えば、スマートフォンが使えなければ、私はヨモギを食べることができなかったということです。スマートフォンはあって当たり前のものではありません。停電になり充電できなければ使えませんし、サーバーがダウンしても使えません。今回は調べてことでヨモギを食べることができましたが、「次も調べればいいや」と考えて調理方法を紙に残しておかなかった場合、何かあったら次回は調理できないかもしれません。しかし、知恵としての調理方法ならば、そう簡単に無くなることはありません。充電が切れたからわからなくなることもなく、ずっとあり続けるのです。知恵を持ち続けることで生活の豊かさと、安定性が大きく変わると思います。
 最後に学生の皆さんに質問を一つ提示して終わろうと思います。
「道端に生えている草を、食べられるものと食べられないものに分けられますか?」
(有毒と無毒のものが似ている場合があるので、とても難しい…)

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2021年10月21日 (木)

【第702回】 「なんでも挑戦してみる」深代 真一 (数学)

 私は大学生のとき、ヒッチハイクで西日本をまわったことがあります。「ヒッチハイクは危険」だと思っていましたし、実際に自分がするとは想像もしていませんでした。しかし、ボランティア活動で一緒になった同年代の人が、47都道府県をヒッチハイクでまわったことに感化されて挑戦することになりました。

 いざやってみると、幹線道路の道端で、スケッチブックを持って1時間待つようなこともありました。鳥取砂丘で3時間待ったことは今でも思い出の一つです。幸運にもたくさんのご縁があり、目的地すべてにたどり着くことができました。ご縁に感謝です。

 さて、ヒッチハイクが終わり、金沢に戻ると日常生活が再開されます。これまでと同じ日常でしたが、私の中の気持ちは全く別物でした。以前は「やってみたいけど、怖いしやめておこう」と思うようなことでも、「立ち止まっている暇があるならやってみよう」と考えるようになりました。その結果、新たな挑戦をすることができるようになり、様々な経験をすることができました。そして、経験が増えると、人生の幅も広がったように感じます。

 誰でも初めての挑戦は怖いものです。しかし、挑戦してみると助けてくれる人が次々と現れます。そして、ご縁が繋がり、最終的にはうまくいくようになっていると思います。令和は「どんなことに挑戦したか」が問われる時代だと、私は考えています。勉強でも、スポーツでもいいです。起業したり、ボランティア活動でもいいです。学生のうちは大人よりも時間があります。この文章を読んだ人が、何かに挑戦してくれると幸いです。

2020年5月28日 (木)

【第630回】 「YouTuberはすごい」深代 真一 (数学)

 オンライン授業の話題をよく耳にするようになりました。遊学館高校の先生たちも積極的に取り組んでいます。

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 私も挑戦してみましたが、最初は何を話すのか、何を伝えたいのかを考えるだけで精一杯。動画の編集や、カット割りなど全く考える余裕がありません。動画編集ソフトも山のようにあり、実際に触ってみると、なかなか複雑だと感じてしまいます。YouTuberの方々は、とてもすごいことをやっているのだと知ることができました。文字を入れ、複数の動画を組み合わせ、1本作るだけでも作業時間はかなりかかるはずです。
1本でも大変なのに、毎日複数をアップしている。今の私にはできないと思います。

 私はプロのYouTuberになれなくてもいいと思っています。しかし、数分の動画であれば難なく配信できるレベルにはなりたい。これからの時代、今回の休校措置のように、経験したことのない難題にぶつかることも多々あるでしょう。そのときに、対応できる技をたくさん持っている方が影響は少ないはずです。今の私は【数学+動画配信】だけでなく、【数学+α】を増やしていき、オンリーワンの存在を目指したいと思います。皆さんも得意科目を2つ以上組み合わせて、自分にしかできない価値を作り出しましょう。

2019年1月10日 (木)

【第561回】 「好奇心」深代 真一 (数学)

 私事ですが、昨年第一子が誕生し子育ての大変さを実感している毎日です。お腹がすいたら泣いて、オムツを替えてほしくて泣いて、抱っこしてほしくて泣いて…。言葉に出来ないので、全力でアピールをしてきます。伝えたい想いがあって、それを何とかして分かってもらおうとする所は大人と同じですね。
 さて、赤ちゃんという生き物はどんなものにも興味を示します。毛布、お箸、雑誌、新聞、音が出るおもちゃ、昔話、童謡、葉っぱ、パーカーの紐など目に見えたもの、耳に聞こえたもの、手で触ったものすべてが気になるようです。すべてのものが新鮮で、機嫌が悪いときを除いて、目を輝かせて毎日を過ごしています。
 大人になるにつれて、いろいろなことを教えられます。自分にとって興味のあることだけでなく、一見無意味に思われるようなことまで。その教育の過程の中で、「これは自分には関係ない」「これは自分にはできないからやらない」と自分で世界を狭めている状況を時折目にします。自分の見える範囲、出来る範囲の世界しか知らなくて本当にいいのかと、とても残念で仕方がありません。すでに時代はSNSの発達により、全世界とのつながりを持つような仕組みになっています。彼らが想像しているよりも世界は広がっているのです。“目に見える範囲”に興味のあることが無いのかもしれない、“今知っている範囲”に面白いものが無いのかもしれない。広い世界のどこかには、彼らを魅了する何かがきっとあるのだと思います。知らずして諦めるなど、とてももったいないですね。
 赤ちゃんのときは新しいものを周りの人から提供され、どんどん世界が広がっていきます。それがとても楽しいのでしょう。あの頃の感覚を思い出すことは不可能です。しかし、想像してみてください。知らなかったことを学び、出来ることが一つずつ増えていくあの喜びを。きっとワクワクしてくるはずです。世界がいままでとはまったく違うものに感じるはずです。新しい一年が始まります。学び多き年になることを願っています。

2017年8月24日 (木)

【第492回】 「続けることで楽しくなる」深代 真一 (数学)

 私は【受験勉強】はとても得意だった。テストで点は取れるし、模試の成績もばっちり。今思うが、頭が良かったわけではない。【受験勉強】が得意だっただけ。勉強自体は嫌いではないが、好きではない。では、なぜ勉強を続けたのか。

 高校時代の私にとって、受験勉強はツール、手段でしかなかった。地元は田舎で、山しかない。この状況から抜け出すには、大学に進学すればいい。そのために受験勉強をしていた。本当の目的は地元を抜け出すためだった。これは、本来の勉強・研究の楽しさに気付く前の話。大学に入ってから、1日中数学の研究をした。不思議なことに、最初わからなくてつまらないことが、毎日見ているうちに、勝手にわかるようになってくるのだ。

 今、高校生の君たちも、もしかしたら勉強が楽しくないと感じているかもしれない。「学校は勉強する場所」という【当たり前】に負けて勉強しているのかもしれない。そんな人は、何か【理由】をつけることをオススメする。
 現実的に、進学のため、就職のためでもいい。勉強できないから就職は間違い。就職した後、雇われ続けるためには頭の回転が重要。そのためにも勉強できなくてはいけない。
 また、友達に勉強を教えるためとか、友達と一緒に勉強するためとか、なんでもいい。

 実は、何事も、量を積み重ねることで、勝手に力が付き、楽しくなってくる。
 最初は楽しくないかもしれないが、続ければきっと楽しくなる瞬間がくる。たくさんの大人が体感しているから真実だろう。少しずつでも勉強し続ければ、間違いなく楽しくなる。

 最初はつまらなくてもいい。それでも少しずつでいいから、勉強していこう。
 きっと、いままでにない楽しさに出会えると、確信をもって断言しよう。