2022年4月28日 (木)

【第727回】「待ちに待った、バス遠足」Y. A. (養護)

 毎年、4月末になると楽しみにしている行事が“遠足”です。コロナ禍となってからは、バス遠足に変わり、県外になかなか行けない中、ちょっとした県外旅行を味わえる貴重な機会となりました。
 私は、2年生の白川郷・高山市の遠足に同行しました。集合時間が早いにも関わらず、多くの生徒が集まっており、嬉しそうな生徒やまだ眠そうな生徒、めんどくさそうな表情の生徒など様々な表情が見受けられました。
 バスに乗り込み、白川郷へ。滞在時間は30分程度でしたが、川やまだ雪が積もっている山々の景色が美しく、生徒たちも楽しそうに写真を撮っている姿が印象的でした。生徒に白川郷が世界遺産に登録されていることを伝えると、目を丸くしてびっくりしており、「なぜ世界遺産なのか?」と興味をもった様子に、学内の学びだけでは経験できない学びがこのような学外行事にはあるのだと痛感しました。
 白川郷を散策した後は、高山市内へバスで移動。少しわき道を進むとお店屋さんが並んでおり、小京都のような風情のある雰囲気で散策しているだけでも楽しめました。生徒たちはご当地グルメの高山ラーメンやお団子や飛騨牛の串焼きなどを食べ、楽しんでいました。また、多くの生徒がお土産を買っており、家族のためにお土産を吟味し、満足のいくものを購入して誇らしげな生徒の姿を見て、微笑ましい気持ちになりました。
 帰りのバスでは疲れているのか行きよりも静かになっていましたが、大きな体調不良者もなく、無事帰路につけたため、ほっとしました。バス遠足を楽しめた生徒、学校行事が苦手で疲れてしまった生徒など様々な思いの生徒がいたと思いますが、一つの思い出として心に残ったのではないでしょうか。
 続くコロナ禍で遠足、修学旅行、学園祭などの学校行事が中止や制限されてしまうことが多く出てくると思います。しかし、少しでも多く生徒の思い出となる行事ができるように養護教諭として日頃の感染対策の重要性を発信していきたいと思います。
 最後に、コロナが収束しマスクなしの日常生活が取り戻せるよう祈って、高山市内で撮影した疫病除けのご利益のある“さるぼぼ”の写真を掲載します。生徒やその家族、教職員の皆さまが健康に過ごせますように…。

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2022年4月21日 (木)

【第726回】「18歳新成人が失敗しないために」和田 康一郎 (国語) 

 4月から成年年齢が18歳となりました。成人すれば、保護者の同意を得ずに、さまざまなことが可能になります。しかし、そこにつけこんで新成人をだまそうと牙をむいてくる人も、世の中にはいます。知識を得て、注意してください。今回は借金契約について。
 まずは、計算してみてください。中学生の知識があれば、できます。

問: ある人が毎月25万円ずつ、25年かかって7500万円を返済しました。年利を40%とすると、元の借金額はいくらでしょう。
 元の借金額をxとして、解いてみましょう。
 年利40%は、0.4と数値化できます。0.4x×25年が元の借金額に加わっています。
 ですから、x+0.4x×25=7500(万、以下省略)となります。
 すると、x+10x(=11x)=7500 となるので、
  x < 700となります。 元の借金額は、700万円に満たないのです。

 「700万円も借りてないのに、7500万円返さなければならないなんて、そんな馬鹿な! 誰のしわざだ」と叫んでも、事前に計算もしないで契約を結んだ「責任ある」成人のしわざでしょう。借金総額は借りた金額と同額ではなく、契約金利と返済能力(今回は25万円×12ケ月=年300万)で決まるのです。女優の杉田かおるが、24歳の時に借金が1億円あったと以前語っていましたが、20代の女性に1億円貸す人はいないでしょう。契約金利と彼女の返済能力では、借金が1億までふくらんだということで、実際に借りた金額はおそらく、けたが一つか二つ少ないだろうと思われます。
 年300万円も返すのだから、3年ぐらいで返せるだろうと勘違いしやすい例です。実際には25年も借金に苦しむことになります。
 「借金は取り戻せる」という宣伝を聞いて、借金が無効にできると勘違いしている人も世の中にはいます。実際は「払い過ぎ」の金額のうち、弁護士事務所の報酬分を差し引いた額が戻るだけです。現在、金利の法定上限は100万円以上で15%ですから、年利40%の契約では、25%分は過払い分です。法律事務所がもうかるので、盛んに宣伝されているわけです。最初から、巨額の借金をこしらえないように注意しましょう。
 お金の契約は、借金に限らず、事前によく計算して慎重に。心すべきことにこそ。

2022年4月14日 (木)

【第725回】「有意義な高校生活になりますように♪」吉田 昌史 (理科)

 新年度が始まりました。1年生は入学おめでとうございます。桜が満開の素敵な入学式になり良かったです。1年生は高校生活を有意義に過ごすために入学試験の面接練習で考えた志望理由を胸に頑張ってください。2・3年生は新クラスでの学校生活が新たに始まりました。2年生は学校生活にも慣れ余裕が生まれる時期です。その期間を有意義に過ごすために、いろいろなことにチャレンジしてみてください。3年生は一度進路を決定する年です。今からでも遅くありません進路をどうするか考え進路実現のために頑張っていきましょう。

 ここからは高校3年生になったときに答えられるようにしておきたい質問二つです。

① 高校生活で一番頑張ったことは何ですか。
 この質問に答えるためには1・2・3年生と継続して頑張る何かが必要です。
そして頑張ったことが進路、この後の人生に繋がることであれば、なおよいと思います。
 例として全ての生徒に共通して言えることは、学習は頑張りやすく、自らの成長がわかりやすいと思います。人として、そして学習面を1年生より2年生、2年生より3年生とレベルアップさせていきましょう。

② 自己PRをしてください。
 この質問に答えるためには1・2・3年生と自分の長所を磨くとよいと思います。
その長所が学びたいことや将来の目標実現にふさわしい長所であり、志望先が求める人物像に合うと、なおよいと思います。
 自分の長所を見つめなおし、日々磨いていきましょう。長所がわからない場合は身近な人に聞いてみましょう。

 以上、たった二つの質問ですが、しっかり答えられるように高校生活を過ごすことで高校生活へのモチベーションも変わり質も変わると思います。
 この後の高校生活と人生が有意義なものになりますように♪

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2022年4月 7日 (木)

【第724回】「正しい漢字使えている?」吉澤 宗馬 (国語)

 今年も寒く厳しい冬の季節が終わりを迎えました。そして春の暖かさが訪れるとともに、先週桜の開花宣言がされ、今週中には満開になると予想されています。
 以前新型コロナウィルスの「しゅうそく」が見えないご時世ですが、気分転換にお花見をするのもいいかもしれませんね。

 さて、突然ですが問題です!

 Q.新型コロナウィルスが「しゅうそくする」の「しゅうそく」は、
   「終息」と「収束」どちらが適切でしょうか?


 急に問題ってなんだよ......と思うかも知れませんが、普段何気なく使う漢字は、字によって意味が違ってきます。今回は「しゅうそく」について説明していきます。
「しゅうそく」には、「終息」や「収束」などがあります。

 「終息」は、「すっかり終わること、絶えること」を意味します。
「終」は文字どおり「終わる」を意味し、「息」は「止む」という意味があります。このように、似た意味の漢字を重ね合わせることで「完全に終わる」という意味を表します。

 「収束」は、「ある一定の状態に落ち着くこと」を意味します。
「収」は「おさめる」を意味し、「束」は「たばねる、ひとまとめにする」という意味があります。

 つまり正解は......  
A.どちらも正解!
ただし、使い方に違いがある!
     
  新型コロナウィルスが B  完全に制圧できた場合は「終息」
 
 ほぼ事態が収まってきた場合は「収束」


 このように、漢字で意味は変わります!これを機会に、普段使っていた漢字を見返してみてはいかがでしょうか?案外間違って使っていた!なんてことがあるかもしれません。

2022年3月31日 (木)

【第723回】「48年の教員生活を振り返って」山本 雅弘 (保健体育)

3月で教員生活48年を終えることになりました。
思えば大学を卒業後私立S高校に26年7か月勤務し、遊学館高校に移り21年5か月勤務して今を迎えています。この間、部活動を器械体操部、女子ソフトボール、スキー部、男子ソフトボール、中学軟式野球部、高校硬式野球部を受け持ちました。私自身の専門は陸上競技なので専門外の部活動を持ち続けたことになります。

遊学館高校に移り硬式野球部を創部したのが2001年4月。
1年生22名がグランドに集合したのが3月25日、グランドには土がなくガレ石の状態でしたが、かろうじて工事が終了していたサッカー場でキャッチボールをしたのが遊学館野球部の歴史のスタートでした。
1年生だけでの春季大会。練習試合もなく金沢市民球場で旧富来高校と対戦し7対0(7回コールド)で勝つことができました。試合前、スタンドから私に対して「軟式野球で勝っても硬式野球で勝てるわけない」など、ヤジが飛び交っていました。その中で選手たちが試合に集中しプレーしてくれたことを思い出します。
2年目の夏の大会、甲子園を目指し1・2年生だけで勝ち上がり、準々決勝を迎える頃から私の家に嫌がらせの電話が・・「県外から集めた選手を出して勝つことを許さんぞ」「わかっているだろうな・・明日負けろ」「今からお前の家に火をつけに行くぞ」などなど・・・。当時大学生の娘が電話の音に恐怖を感じていました。
決勝は金沢高校、初回に3本の本塁打で6点を失うが大逆転で優勝。
「創部1年4か月で甲子園出場」からヤジや嫌がらせの電話がなくなりました。
そのあとがむしゃらに頑張った21年。500名を超える優秀な教え子たちの頑張りで夏の甲子園に6回、春の選抜大会に1回、神宮大会に1回、国民体育大会に2回出場することができました。また、教え子たちの中で野球を始めた時からの夢を叶えたプロ野球選手が7名、勉強に切り替えて医者や弁護士になって社会に貢献している教え子たち、未来ある子供たちを指導する教育者になった教え子たちがたくさんいることが嬉しいことです。
また、全国高等学校野球連盟から「育成功労賞」、北國スポーツ賞の「育成功労賞」、いしかわ中日体育賞の「指導者賞」の表彰を受けたことが身に余る喜びです。

私は昨年の夏の大会で野球部監督を退任し中川新監督にバトンタッチしました。新スタッフには創部当時のように勢いのある強い遊学館野球部の再現を期待したいと思います。