【第837回】「続・古い色紙」T. Y. (英語)
7年前、十数年ぶりに遊学館高校へ戻ってきたとき、「古い色紙」というタイトルで初めて生徒に書いてもらった色紙の思い出を書きましたが、今回はその続編です。
そのころは教室で授業をした経験がほとんどなく戸惑うことも多かった私に、学校のことをいろいろ教えてくれたのは、遊学館では私より「先輩」だった当時の3年生でした。勉強と部活の両立に励んでいる人がたくさんいて、元気でやる気があって、授業がうまくいかず弱気になっていた時にはそんな生徒たちの存在がどんなに励みになったことか。そして卒業式の前に彼らからお花と色紙をもらいました。みんなの気持ちがうれしくて職員室へ戻るときは涙をこらえるのに必死でした。それからはうまくいかないことがあってもその色紙を見たらモチベーションが上がるという、私にとってはお守りのようなものです。そして、そのクラスにいた卒業生の活躍を間近で見られる機会ができました。
ひとりは昨年発足した地元のプロ卓球チーム「金沢ポート」の五十嵐史弥選手。高校生のときから海外遠征などで忙しく、レベルが違う!と思っていましたが、最初に感心させられたのは高校総体のとき。一緒に試合を見ていたら、「あの選手はあそこに打ったら勝てますよ」などと、私でもわかりやすく解説してくれて、高校生でここまで卓球の面白さを伝えられるなんて、と驚かされました。昨年は2回金沢ポートの応援に行きましたが、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。今年も絶対応援に行きます!チームを上位に導く活躍を期待しています。
もうひとりは今年から遊学館の教員になったS先生。彼女は英語のテストはほぼパーフェクト。それに、これまでたくさんの高校生と受験の面接練習をしてきましたが、彼女より上手な人に会ったことはいまだにありません。毎日同じ職員室で真剣に仕事に取り組んでいる姿を見ると、高校生の時に授業に集中して取り組んでいた姿を思い出し、私もがんばろうと思えます。今年は1年目なので昔の私のようにうまくいかないことも多いと思いますが、私のように「仕事がんばろう」と思わせてくれる生徒たちとの出会いがS先生にも必ずあることでしょう。
卒業生の活躍が見られるのは本当に幸せなこと。今年卒業する3年生たちは将来どんな姿を見せてくれるかな。それを楽しみにしてまた1年がんばろうと思います。