【第813回】「I Wish You a Happy New Year!」鍛治 勇志 (英語)
ごきげんよう(この言葉を遊学館ではやらせたいという生徒の熱い要望があったため、ここで使わせていただきます)。軽く調べたところによると、この「ごきげんよう」という言葉はもともと天皇陛下への敬意を表す挨拶として使用され始めたようですね。でも学校内では「おはようございます」のほうが適切かも?
挨拶といえば、日本語と英語では挨拶の考えが根本から違うということを知っていましたか?いきなりですが質問です。「おはよう」を英語では何と言いますか?......正解です。“Good morning”です。ですが“Good morning”は直訳すると「良い朝」になっちゃいますよね。実はこれ、 “(I wish you a) good morning.”「あなたに良い朝が来ることを祈っています」という文の前半が省略された形なのです。つまり、英語の挨拶は「お祈り」。日本語の場合、「今日は朝からお早くいらっしゃいました」→「おはよう」という風に、お祈りではなく「事実」を述べています。ただ朝会ったときに使う言葉というだけで “Good morning”に「おはよう」という訳があてられました。
そういえば、もうクリスマスシーズンですね。CMからも “We wish you a merry Christmas.”「素敵なクリスマスが訪れることを祈っています」というフレーズが聞こえてくるのではないでしょうか。(これもお祈りですね!)
皆さんはこれまで英語学習を進めてきたうえで、「なぜそうなるのか」という漠然とした疑問が何回も浮かんできて、その都度英語に対して苦い思いをしてきたのかもしれません。しかしそれらの疑問はたいてい文化・考え方などの違いからくるものであり、その違いを理解すると、面白いほど英語はすっと頭に入ってきます。そしてきっと英語学習が楽しくなるはずです。