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2022年3月10日 (木)

【第720回】「校歌に触れる」M. M. (英語)

学校行事の延期や休校、感染予防対策による制限の多い学校生活でしたが、それでも体育祭や学園祭、遠足、球技大会など、工夫しながら多くの行事を実施することができ、生徒たちは高校生としての1年間を過ごすことができました。とくに行事では、喜んだり楽しんだり悔しがったり、ふだんとは違った一面を目にすることができました。

ただ心残りなことは、生徒たちが「校歌」を歌う機会がなかったことです。始業式や終業式などの学期の節目には全校が集まり、校歌を歌うことが慣例です。このごろは、全校生徒が集う場面もほとんどなく、当然校歌を聞いたり、ましてや声に出して校歌を歌う機会さえありません。

先日1年生のホームルームで、校歌に触れる時間を設けました。入学式のときに校歌の動画が上映され、それ以降校歌を聞くことさえなかった生徒も少なくありませんでした。
「植ゑけむ人もなつかしや…」
春夏秋冬の季節の移り変わりとともに、生徒たちの成長や学業の習得、良き人格の形成を願う美しい歌詞の意味を知り、改めて校歌を視聴しました。はやく全校揃って校歌を歌える日がくればいいのにと思いながら。

今月1日に「卒業式」が挙行されました。ここでもまた制限があり、式次第には「校歌斉唱」ではなく「校歌演奏」とありました。しかし卒業生たちは3年間の高校生活を思い出しながら、心の中で校歌を斉唱していたことでしょう。

限られた参列者と簡略化された式典でしたが、そのぶん在校生送辞と卒業生答辞がとても印象的でした。先輩への感謝の気持ちを述べた送辞と、涙で言葉を詰まらせながら喜びや悔しさ、そして後輩へのメッセージを伝えた答辞は大変感慨深く、この式典を引き立たせたものになっていました。

別れと出逢いの季節でもある春がやってきました。新年度に向けて胸が高鳴る時期です。みなさんにとって良い新年度となりますように。

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