【第541回】 へアドネーションを知って。T. M. (理科)
皆さんは『ヘアドネーション』を知っていますか。
ヘアドネーションとは『病気と闘う子供たちにウィッグを送ろう!髪を切るだけのボランティア』です。癌や白血病、先天性の不毛症、不慮の事故などにより髪の毛を失った18歳までの子供たちに、オーダーメイドの人毛の医療用ウィッグを無償提供する活動です。ウィッグを1つ贈るのに、20~30人分の31cm以上の長さの髪の毛が必要。ささやかなオーダーの贈り物により、笑顔を取り戻したいという活動です。いくつか同じ目的の団体で、15cm以上でも男の子のウィッグを作るところもあります。
私が知ったのは10代の頃、美容師さんに「きれいな髪の毛なので寄付など考えたことはありませんか」と聞かれたことです。
昨年の12月に名古屋市に住んでいる母が入院した報告を父から受け、驚きました。検査入院を2週間し、原因がすい臓にがん細胞があることが分かりました。働くことが好きな母は60歳を過ぎても週5日は老人ホームで介護福祉士・社会福祉士として楽しく充実した日々を過ごし、入院中も退院をしても働くのだと意気込むくらい仕事人間。時期が年末だったこともあり、すい臓がんのレベルがいくつなのかは手術をして中の様子を見ないと分からない状態でした。年始になったら手術をしましょうと安静で過ごすことを条件に退院しました。退院して自由の身になった母は、外出し入院とは違った質素な食事ではなく暴飲暴食を行い、5日後再び入院することになりました。めちゃくちゃな母です。元気な母しか知らないため、毎日、父に様子を聞きながら退院に合わせて実家に母の様子を診に帰りました。母の様子は思ったよりも元気であり安心して石川の地に戻った矢先の出来事です。
再入院から1週間後10時間以上の手術を行い、がん細胞の進行は思ったよりも悪い状態ではないと一安心。再入院は1か月と長かったですが、仕事への復帰ができるように病院内でも会社に連絡し、退院してから数日後、仕事復帰し今は元気で働いています。
身近な人間が、突然がんの申告を受けると家族は動揺します。血縁者ががんになったことで遺伝的にもがんになる確率が高いのでは。恐怖も感じるようになりました。次は私なのか・・兄弟なのか・・小さな息子たちか。母ががんになった時、昔言われた小さなボランティアを思い出し今、髪の毛を伸ばしています。まだまだ、20cmしか伸びてない髪。道のりは長いですが、ゆっくりと伸ばしていきます。私がショートになった時は小さなボランティアが終わった証拠です。
↓見本として45cmはあるだろう髪の毛(送るときはこんな感じに切ります)