【第291回】 『まっくろくろすけの応援』道上 ちひろ (英語)
今年もまた、暑い暑い夏がやってきた。
今年は梅雨明けも遅く、蒸し暑さもきつく感じる。
遊学館にとってこの時期はなんと言っても、夏の甲子園石川県予選大会である。
この時期、授業に行き野球部の生徒を見ると、
「きっと試合のことで頭がいっぱいなんだろうな」、
「いつも以上に、この時期は疲れているんだろうなぁ~」
となんとなく思う。
「この構文は大切だから必ず覚えておいてね!」
という私の言葉も、この時期の彼らには、全く聞こえていないかもしれません。
それでも、眠気に打ち勝とうと頑張って授業に臨んでいる姿があります。
大会が始まり、1回戦のハラハラを打ち破り、準決勝の日を迎えた。
野球部の勇姿を見るために、そして勝利を願いたくさんの生徒が応援にやってきた。
応援団の先生や生徒たちは汗だくになりながら朝から準備をしている。
体育会系でもなく、スポーツ観戦からもほど遠い私も、この時ばかりは万全の紫外線
対策で応援に臨む。
頑張っている野球部の生徒や応援の生徒には大変申し訳ないが、
応援時の私の服装は、黒いズボンに黒いTシャツ、黒いつば広帽子に、黒いロング
手袋、そして真っ黒サングラス。
まさに、“まっくろくろすけ”である。
応援に来る途中にコンビニに立ち寄った。
遊学館の対戦チームの応援Tシャツを着た人達を目にしたとき、なんとなく力が入り、
まっくろくろすけも「頑張って、負けないで!」
という気持ちになる。
試合が始まり、スタンドでは真っ黒に日焼けした野球部員たちが汗だくになりながら、
応援ダンスと共に惜しみないエールを送り続けている。
これぞ、正真正銘“まっくろくろすけの応援”である。炎天下4時間もの間、
勝利のため、仲間のために応援し続ける。とても素晴らしいことである。
同点のまま13回を迎えた。勝ちたいという選手たちの頑張りと応援する人たちの
気持ちがひとつになったのか、さよならホームランで勝利することができた。
試合が終わり、球場に止めてある車に乗り携帯電話を見ると、友人や兄から
メールが届いている。
「遊学館勝ったね、よかったね!あの応援面白いね!」、
「明日、仕事休みやしテレビで応援するわ!」など。
決勝戦では星稜高校には一歩及ばなかったけれど、野球部のみんなの頑張っている
姿を通し、きっとたくさんの遊学生が、
「自分も部活動がんばろう」、「私も受験勉強がんばろう」
「僕も頑張れるものを見つけないと!」と思ったはずです。
野球部のみなさんお疲れさまでした。また来年も頑張ってください。
遊学館の人たち、そして遊学館以外のたくさんの人たちが、野球部のみんなのことを
応援しています!!